にっぽん丸 ニューイヤー グアム・サイパンクルーズ乗船記(2008年12月27日〜1月4日)

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1日目 横浜 出港13時

丁度一年前の年末年始は「飛鳥U」によるグアム・サイパンクルーズに乗船しましたが、今回の「にっぽん丸」の日程であれば、2日だけ有給休暇を取れば行って来られることがわかったので、「食のにっぽん丸」の同じクルーズも乗船してみたい、と9月ぐらいに「とりあえず」と申し込むことにしました。部屋のグレードは迷いましたが、私が勤めているうちは差額攻撃(夫の予算に上乗せ)をかけられるので、贅沢にも「デラックス・ルーム」を選択しました。「飛鳥U」より1日短いとは言え8泊9日のミドルクルーズ、部屋にバスタブがあった方が良いと考えたからです。費用的に「飛鳥U」の「Dバルコニー」より高くついてしまうのはもったいないかな、とも思いましたが、折角の機会なので文字通りデラックスな気分を味わうことにしたのでした。

2007年末のクルーズでは「飛鳥U」と「にっぽん丸」はすれ違いでしたが、今回のスケジュールだとグアム港と横浜港で数時間重なるのでちょっと得した気分です。また表にするとよくわかりますが、「にっぽん丸」の方が終日航海日が少なく往復を頑張って走るようです。
Vessel Date 26272829303112345 Remarks
飛鳥UArr  航海日航海日航海日 7:008:00 航海日航海日航海日 14:00 横浜発9泊10日
Dep19:0022:0017:00   Dバルコニー666,000円
PortYOK   GUMSPN   YOK  
にっぽん丸PortKOBYOK  GUMGUMSPN  YOKKOB 
Arr 10:00 航海日航海日18:00 --:--8:00航海日航海日 16:0016:00横浜発8泊9日
Dep12:0013:00--:--23:0017:0018:00  デラックス744,000円

「にっぽん丸」の年末年始の日程は「飛鳥U」より一日短いため、横浜出港は14時と早めです。横浜大桟橋はその下が駐車場になっていて、1日1,000円で止めておくことが出来るので、横浜からの乗船時は毎回車にしています。土曜日で渋滞もなく、1時間かからない位の11時40分頃に大桟橋に到着しました。乗船時刻は11時半からのなので丁度いい感じです。「にっぽん丸」の反対側に「ふじ丸」が停泊していました。
しかし駐車場構内に入ってからが大変でした。慎重な夫は、出入りの激しい入口付近は避けて、愛車をなるだけ安全な場所(奥の方)に置きたがり、それだと上階に上がるエレベーターから遠く離れてしまうため、スーツケース2コとキャリーバッグ1つと共に、私だけ先に降りて待っていることにしました。ここまではまぁ良いのですが、5分〜10分ぐらいでやって来るだろうと思った夫が待てど暮らせど姿を見せません。桟橋の一番突端の方に駐車したとしても、遅すぎます。
スーツケースを放置して不審物となってもいけなので、その場を離れる訳にも行かず、じりじりと待ち続けました。結局20分も過ぎた頃に、漸くこちらに向かって来たのですが、何でも一度はある場所に駐車したものの、もっといい場所がいいとまた出庫して、隣にベンツのいる特に出し入れしにくい場所に慎重に止めていたとのことでした。あまりの厳かさに今後は「駐車の儀」と呼んで、長期戦の覚悟をすることにしました。超高級車が隣というのが、ぶつけられにくさの観点からは重要なのだそうです。
12時過ぎに漸く乗船受付所のある上階に上り、去年と同じ旅行代理店ごとにブースが並んでいる箇所で、乗船カードとカードホルダーを貰いました。すると、後ろからアシスタント・クルーズ・ディレクターの女性に「この間船内で連続乗船のご予約をいただいた方ですよね?」1年ちょっと前の「初秋のサハリンクルーズ」から小樽に戻った際(3日目)に、続きで横浜からの週末クルーズを予約したことを覚えていてくれたのでした。

出港1時間前を切っているせいか、ほとんどの人は乗船してしまったようです。荷物をクルーに預け、人影もまばらな中久しぶりの「にっぽん丸」に搭乗しました。

デラックスルームでは大阪商船伝統の、花毛布が出迎えてくれました。「にっぽん丸」では乗船口で「お帰りなさい」と声をかけられますが、またこの部屋に帰って来られたんだなと嬉しくなります。

12時10分頃、「ふじ丸」が「ニューイヤー 五島列島・屋久島・瀬戸内海クルーズ」に出航しました。「にっぽん丸」と同じく1月4日に横浜に戻って来る航程のようでした。
出港10分位前に4F「プロムナード・デッキ」に下りて行くとボンボヤージュ・サービスでスパークリングワインが振舞われていました。また、4ドルフィンズの演奏が出港気分を盛り上げていました。昼間の出港と言うのもいい感じです。
出港は昔ながらのテープによる見送りでした。汽笛は「フォーーーーン」という「にっぽん丸」独特の音が、途中で半音ぐらい下がる不思議な節に変わっていました。経年劣化(進化?)なのでしょうか。

「横浜港出港時の汽笛」 351KB

ちなみに…
「根室港出港時の霧笛(2005年8月31日)」 240KB

横浜ベイブリッジをくぐった後は、しばし船舶ウォッチを楽しみました。レストラン船「ROYAL WING」が戻って来ましたが、もともとは1960年から大阪と別府を結ぶ瀬戸内の定期航路に就航していた客船(くれない丸)だけあって、優美な船型です。
もと瀬戸内の女王商船三井の「ISTRA ACE」日本郵船の鉄鉱石運搬船

昼食は出港時刻と同じ13時から2Fのメインタイニング「瑞穂」で提供されていましたが、13時半までにお越し下さいとのことだったのでギリギリに駆け込みました。入口にはお正月っぽい生花が飾られていました。

パンプキンのクリーム・スープ真鱈のワイン蒸し トマト・ソース
ブラック・パスタ、ミニアスパラガス
牛肉のチーズ焼き
林檎とキャベツのサラダ
久しぶりの「にっぽん丸」の食事でしたが、やはり繊細で美味しいと思いました。量は少なめで丁度良かったです。
食事を終わって14時20分頃、東京MARTISと観音崎灯台を通過しました。
その10分後ぐらいから、今度はこの春先に振り切れてしまったわが物欲メーターによって「借金してでもどうしても手に入れるべき久里浜港のオーシャンフロントマンション」が建築中のその姿を現しました。浦賀水道航路からわずか5km、絶対にフネから見える筈と思っていたのでした。富士山まで背負って素晴らしいロケーションですが、仮申し込みの直前夫や実家の家族の猛反対を受けて泣く泣く断念しました。
その久里浜港から出てきた東京湾フェリーの「くりはま丸」が、本船の後方を横断しました。久里浜と千葉県金谷を40分で結んでいます。

(左)東京に向かうマルエーフェリーの「ありあけ」。木曜日に沖縄を出て土曜日の16時に青海のフェリー埠頭に到着します。

(右)川崎近海汽船のRORO船「王公丸」。苫小牧と東京を結んでいるようです。

15時半に東京湾から出ると、美しい富士山が良く見えました。今までのクルーズは夕方に出港することが多かったので、今回のように富士山に見送られるのは初めてでした。この頃からフネがうねりによってピッチングし始めました。一年前の「飛鳥U」でもあんなに揺れたので、一回り小さい本船は一体どのぐらい揺れるのだろうか、想像がつかない所です。

16時10分頃の本船は大島を通過したようでした。今回のクルーズもGPSデータロガー、GlobalSatのDG-100で航跡を記録しています。最初なかなか衛星を捕捉せず焦りましたが、その後は順調に稼動しています。

乗船してから昼食やら船舶ウォッチで忙しかったのですが、ようやく部屋で落ちつけました。私達は食事は2回目19時半からなので、先にお風呂に入ってしまうことにしました。ボディーシャンプー類はロンドンの「Molton Brown」という高級品に変更になっていました。外国のホテルみたいないい匂いでした。

本日のドレスコードはカジュアル、料理は和食でした。フネが北太平洋の荒波にもまれているせいか、部屋から出て来られない人が多そうでした。
(前菜)味付けそら豆、子持ち昆布の西京漬け、牡蠣の甘露煮
(椀)茸汁 柚子
(造り)新潟産 天然寒ぶり
(焼物)瀬戸内産 太刀魚柚庵焼き たたき牛蒡
(煮物)大山地鶏の博多煮 長芋
(揚げ物)海老すり身の春巻揚げ 抹茶塩、揚げしし唐
(小鉢)焼き白子 七味
(香の物)こけし漬け、京壬生菜
(御飯)青豆御飯
デザートは西瓜と胡桃餅でした。たまたま相席になった方は奥さんが船酔いで来られなかったのですが、誕生日でセレモニーを予約していたため、私達もそのケーキをいただきました。ふんわりして美味しかったです。
ということで、20時半頃、人が少なくて寂しいダイニングルーム「瑞穂」を後にしました。
揺れは段々激しくなり、予定されていた21時からのメインショーは中止となる由アナウンスがありました。その後予定されていた落語やカジノ、ナイトシアターが開始時刻繰り上げとなりました。ちょっと覗いてみたかったソシアルダンスは揺れで危険なのかこれも中止となっていました。本船ではフネが揺れることを「動揺」と言うようです。
部屋に戻るとベッドカバーがはずしてありました。本船ではデラックス・ルーム以上でハウス・キーピングサービスが朝と夜の二回入ります。お風呂を出た時に使ったバス・ローブも片付けられ洗濯したての新しいものと交換されていてびっくりしました。

夜更かしして12時頃の本船は揺れているものの、順調に南下しているようです。「動揺にご注意下さい」というメッセージはちょっと笑えました。どうしても平静を失ってしまう方が頭に浮かんでしまいます。