にっぽん丸 ニューイヤー グアム・サイパンクルーズ乗船記(2008年12月30日)

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4日目 グアム 入港 18時
例によって八点鐘と船長の挨拶で目が覚めました。本船は横浜から南へ2,220kmも進んできたようです。船長の話の中に、日本で捕れる鰻の産卵場所はどうやらこのグアムらしいということがわかってきた、というのがあり興味深く聞いてしまいました。
昨晩は和食でそれ程胃に負担をかけていないため、朝食はそれなりに。ただしオーバーカロリーを恐れて野菜中心です。「にっぽん丸」のビュッフェはかならず野菜炒めとか野菜のスープ煮とかの料理があるので助かります。

本日のダンス教室は9時から10時半までといつもの1時間より長めでした。スクエア・ルンバを習った後は、今までの総復習ということでマンボ、ブルース、ジルバと踊りました。これにより初日の2コマ目にマンボではなくブルースをやってしまったことがわかったのでした。「飛鳥U」で習って少しは踊れたのでヨカッタです。

その後、夫は4F「プロムナード・デッキ」にウォーキングに出かけました。走れるのなら私も走ってカロリーを消費したいのですが、歩くのはどうも性に合いません。夫と別行動でそろそろ本格的に日焼けしようと、7Fのプールのある場所から外に出たあたりに繰り出しました。一応船首方向からは陰になっているのですが、それでも横からの風を巻き込んで猛風の中持参した雑誌を読みました。

うっとうしい程ページが風に吹かれましたが、根性で3時間ほど粘りこんがりと日焼けすることが出来ました。昨日までの雲が多い天気と変わって、雲がほとんどなくなり海の色もすっかりトロピカルな色になりました。

そう言えばグアムに向かう船は当然に硫黄島を見られると思っていたのですが、本船は夜中にいつの間にか通り過ぎていました。
初めてプールに入りました。途中まで温水プールになっていましたが、今日は流石に普通の水温でした。小型プールなので相当揺れていても水が張ってあって泳ぐことが出来ます。ただ、航行中はかなりの勢いで水が前後に揺すられていました。
部屋に戻りシャワーをしてさっぱりした後は3F「ランドリールーム」で洗濯をしました。毎日洗濯する時間があるということはいいものだ、と変なところで納得します。
15時ちょっと前のGPS画像です。入港予定は18時ですが、北緯13度59分なので、グアム島アプラ商業港まで残り約32マイル(海里、約60km)となりました。
2Fのメインエントランスの階段の吹き抜けには、いつの間にか日章旗と星条旗が掲げてありました。
15時からのアフタヌーンティータイムには、6F「ラウンジ海」に行ってコーヒーを飲みました。いつもそうですが昼食を食べていないので、空腹に耐えかねてお菓子を1つだけ食べました。

15時45分頃、入港シーンを楽しむための特等席である8F「サンデッキ」の一番前で本日のビアタイムを楽しむことにしました。上がって行くと、遠くにグアム島が確認出来ました。

30分位経つとちょっと雲が多くなってきました。それにしても近づくグアム島を眺めながら、大好きなビールを飲みながら、空を見上げながら、何という贅沢な時間かと思います。ただ、ここは風を遮るものが何もないため、猛烈な強風との戦いでした。
16時半頃そろそろ4Fのデッキに行こうとした所、首からかけていたネックストラップの中に入っていた乗船カードがなくなっていることに気づきました。強風で吹き飛ばされてしまったようです。カード入れの構造上そんな筈ないと夫は言い張りますが、部屋を出て行くときにはあったのを見ているので、何かのハズミに出て行ってしまったのでしょう。今頃マリアナ海溝を沈んでいっているだろうと思い、あまり熱心には捜しませんでした。
ということで、2Fのインフォメーションで事情を話してカードを再発行してもらうハメに陥りました。カッコ悪いですが、これがないと港で入れてもらえません。グアム入港前に気付いて良かったです。相変わらず夫は「部屋にでも落としたんじゃないか」とブツブツ言っています。
無事カードを再発行してもらい、16時45分頃4Fのオモテ部分に下りて行きました。更にグアム島が近づいて来ています。
と、そこにいた乗客が「飛鳥が見えるよ」「エッどこですか」「ほら、あの煙突みたいなのの後ろに」肉眼ではまだ見えませんでしたが、双眼鏡を構えると「あっ!イタ!カッコいい〜。やっぱり大きいですね〜」

その場所が私達も向かっている場所であり、一年前にはその「飛鳥U」で訪れて、その船を今度は「にっぽん丸」から眺めるというのは感慨深いものがあります。同じ時期に会社を休め、予約を取れて、両船がグアムでランデブーするスケジュールだったという偶然もありラッキーな経験でした。

17時ちょっと前、パイロットボートがスーッと近付いて来ました。接近してしばらく並走し、タイミングを見計らってパイロットが本船に乗り移りました。夫もかつては仕事で何度も飛び乗ったことがあるそうですが、乗る時よりも下りる時の方が危ないそうです。

着岸準備が始まりました。最新の大型船では1つ下のデッキにこれら係船装置群が装備されていますが、本船では目の前のデッキにあるため、係船準備作業を見ることが出来ます。手前がウィンドラス(揚錨装置)、奥はモアリングウィンチです。

珊瑚礁を利用した堤防を回り、アプラ港に入りました。左舷には先ほどパイロットを乗せていたタグ「タロフォフォ」がエスコートしています。はるか前方には飛鳥と自動車船も見えていました。右手に見えるのはオロテ岬です。

港に入ると船舶ワッチで忙しくなってきます。最初は普通の商船に見えましたが、積んでいるコンテナの色がミリタリー色なので「?」と双眼鏡で見たら米海軍の「1st LT. JACK LUMMUS」というコンテナ船でした。
「TRANS FUTURE 6」という自動車船です。おそらく日本から新車を積んで来たのだろうと思われます。2006年三菱重工製で、まだ綺麗でした。
入港予定時刻まであと45分、「飛鳥U」がよく見えるようになりました。一年前と同じく出船の右舷付けになっていました。
それからは何枚「飛鳥U」の写真を撮影したかわからない程、シャッターを押しまくってしまいました。船の写真は陸からだとその大きさゆえ、なかなか全景が入らないこともあるので、乗船した折には船の種類を問わずとにかく沢山撮影していまうのですが、夫は呆れ顔です。

「飛鳥U」に十分近寄った後、本船は半時計回りに向きを変え始めました。

フネが回るのに合わせ、私達も右舷のデッキに移動し、さらに船尾側にじわじわと移動しました。「飛鳥U」には前回のクルーズで知り合いになった人が今年も乗船しているので、もしかしたら会えるかもしれません。
「飛鳥U」を正面から見る機会はなかなかないと思います。鼻筋の通ったなかなかの美女だと思います。

夫が「飛鳥U」ビスタラウンジの前にいる、知り合いの人を見つけました。大声で声をかけて気づいてもらいました。先方でも沢山写真を撮っているようでした。
そうこうしているうちに、本船も間もなく着岸しようとしています。入港予定時刻まではあと20分ぐらいでした。

クルーズで他の日本船に会うというの初めての経験でしたが、なかなか感動的でした。本船の船尾ではためく日の丸も誇らし気に見えました。

「飛鳥U」の方とは、大声でお互いにもの凄く揺れたことを報告し合いました。

18時過ぎに夕日が沈むところです。「飛鳥U」の後ろにいたコンテナ船「HORIZON EAGLE」が出港していきました。
その後間もなく入国審査が始まる旨案内がありました。5F「ドルフィン・ホール」が会場で、入口付近でパスポートが返却されました。対面審査方式であっと言う間に終わりました。

18時半頃再びデッキに出ると、すっかり日が暮れて「飛鳥U」が照明で浮かびあがっていました。私達はこれから食事ですが、早番の人は17時からなので、この入港シーンを全部は見られなかったことになります。

本日はフレンチでした。今日で4回目ですが、和食とフレンチが交互にちょうど2回ずつ出たことになります。スープの「コンソメ・ジャンボ・タピオカ」は写真をとり忘れました…。
フレッシュ・モッツァレラ・チーズ
パパイヤ・コン・ハム
ポーチド・サーモン
サフラン・ソース グリーンアスパラ
合鴨のチコリ・コーヒー・ソースパルミットとオーガニック・リーフのサラダゴールデン・パイナップル&アップルパイ

20時半にDFSギャラリア行きの無料バスがあったので、折角グアムでオーバーナイトするのだからと心の準備の出来ていない夫を誘って出かけました。グアムの観光の中心地タモンまでは約30分程かかりました。途中クリスマスの装飾が綺麗でした。
明日もグアムに1日いますが、買物嫌いの夫を巻き込むには先手必勝です。ずっと前からほしいと思っていたネックレスを、少し早い誕生祝いということで買ってもらいました。何回来たかわからないグアムのDFSですが、日本からフネで来て、その帰船案内の表示を見ることになるとは思ってもいませんでした。
セキュリティーチェックを通ってフネに戻ったのは23時20分頃で、残念ながら「飛鳥U」は出港してしまっていました。
部屋に戻ると入口の所に立派なお正月飾りが付けてありました。そうそう、明日は大晦日だったのでした。