にっぽん丸 ニューイヤー グアム・サイパンクルーズ乗船記(2009年1月1日)

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6日目 サイパン 入港 8時 出港 17時
一応入港を見物するつもりでしたが、自然体で起きた時にはほとんどエンジンが止まった感じで静かになっていました。向こうに見慣れたマニャガハ島のある、サイパンに右舷付けで入港済みでした。一足早く夫が起きて、デッキを歩きがてら数枚写真を撮って来てくれました。毎度思いますが、夜グアムのホテルで眠り、朝目覚めたらホテルごとサイパンにいたという感じなので、本当に客船での移動は便利です。
私達の船上での生活サイクルは朝は朝食にギリギリ間に合う8時半までに起床、夜は日常と同じく1時までには寝る感じなのですが、今朝は5時から「南十字星」を見ましょう、という催しがあったようです。昭和50年代後半に「天文ガイド」を購読した過去を振り返ると、南十字星は是非とも押さえておきたい星座でしたが、ちょっと早過ぎでした。
さて、「美味なる船」と称される「にっぽん丸」のお正月料理への期待に胸を躍らせ、8時半にダイニングに下りていきました。入口の所にいきなり華やかなディスプレイがあって、お正月ゲージが一気にMAXとなりました。
朝食タイムは6時半から9時までの1回制だったので、時間によっては待つ可能性があるそうでしたが、この時間はピークが過ぎてすんなり2人用の席に案内されました。最初はこういう感じで一段の重箱がセットしてありました。置いてあるメニューを見たら、字(品数)の多さに益々期待が高まりました。

新年 祝の膳メニュー
右に目をやると、お屠蘇の奥に金箔入りの迎春日本酒が1合置いてあり、得した気分です。それにしても目にも楽しい「祝いの膳」です。
煮染 椎茸に「寿」の字 と数の子取肴 田作り、黒豆、棒鱈、紅白ちょろぎ造り 紅白盛り(鮪、烏賊)
酢取 紅鮭鱠、蕪、麹祝膳 賀正羊羹に「にっぽん丸」まん中は赤飯、寿高野豆腐など
そして、奥の空いたスペースに豪華な「伊勢海老うに焼き 菊花蕪」が登場しました。水引が飾ってあって細やかです。
お雑煮も到着し、これが本船の元旦のお節料理の全容です。テーブルについてから約5分弱、思わず全部揃うまで待ってしまいました。

お酒は朝から飲むとジョギング出来なくなるので我慢し、お節を楽しみました。とても美味しかったのですが、朝からこれだけのボリュームを完食するのはちょっとムリでした。部屋に持って行っても良いそうなので、ビアタイムのおつまみに一部詰め直して持って帰りました。
30分ぐらいで食事を終えて、ダイニングの中央部分の「御飾」を見に行きました。入口の飾りと言い、料理と言い、昨晩の年越し蕎麦の後これだけのセッティングをするのは大変だろうと思いましたが、ダイニング全体がパっと華やかで流石「にっぽん丸」だと思いました。
歌鳥賀正ケーキ祝鯛 大きくて見事な鯛でした

サイパンは昨年の「飛鳥U」クルーズで半日観光をしたので、今回は無料シャトルバスでDFSだけ行くことにしました。10時半のバスで行って、12時ので帰って来る算段です。折からの円高(90円近辺)で、珍しく夫が購買欲を高めています。
バスで10分位のDFSに着くなり夫が鞄類をチェックし始めました。ここ一年ぐらいずっと通勤用のビジネスバッグを探していたのですが、ついに丁度いい感じのを見つけました。

私も負けずにcoachの売り場で30%オフだというトートバッグを見つけ、430ドルが301ドルということでかなりお得感の溢れる買い物をしました。そしてこれらが1ドル90円の為替だとさらに10%オフになった気分です。新年早々二人揃っていい気分でした。
サイパンのキャラクター、「サイパンダ」が沢山いて一匹連れて帰りたくなりました。最初見た時は「なんだこりゃ」状態だったのですが、じわじわといい味が出ていると思います。帰り間際にテニアン島の唐辛子をみつけ、お土産用に買って帰りました。世界一辛いとも言われているそうですが、味見用に置いてあった物は匂いを嗅いだだけでツンとした刺激がありました。
予定通り12時のバスで戻り、着替えてすぐに走りました。まず本船の前方に向かって走り、それから逆方向のメモリアル・パークに行くことにしました。
約20分程かかりましたが、日差しが強く気温も高いため全然スピードの出ない走り初めでした。左から陸軍、海軍、国旗、海兵隊、沿岸警備隊の旗がはためていました。

帰りは真っ直ぐ帰らず、マリーナの方に大きく左折して停泊中の「にっぽん丸」を撮影しました。そこからは更に疲れて2kmにも満たない道のりがもの凄く長く感じました。

喘ぎながら何とか戻って来ました。6kmちょっとぐらい走ったのだろうと思います。
暑くて走るのは嫌になりましたが、夫は運動はまだ足りないと、14時半頃プールに行くことになりました。

例によって昼食はスキップしましたが、メニューを覗くと醤油ラーメン、おむすび、麻婆茄子などでした。

夫が目ざとく接岸しようとしているケミカルタンカー「GAN-VENTURE」をみつけ、二人で着岸まで見守ってしまいました。本船とほぼ同じ長さでした。

シャワーをしてさっぱりした後はもちろんビアタイムになります。お節を持ってウロウロするのもどうかと思い、今日はおとなしく部屋で飲むことにしました。

と、ゆっくり寛ぐ間もなく17時には出港です。4Fのデッキに行って、V6の「WAになっておどろう」に合あわせて出港のダンスを踊りました。インストラクターの振り付けを必死にフォローしていると、いつの間にか岸壁からずい分と離れてしまっていました。アットホームな感じの出港でした。

サイパン島の南約4.5海里にはB-29の基地だったテニアン島があり、逆光気味でしたが良く見えました。
やがて本船は大きく右に舵を切り、三日弱のグアム・サイパン滞在を終えてまた真冬の日本を目指します。
サイパン島をバックに、少しの間虹が見えました。お正月から縁起がいい…、かもしれません。
18時頃の日没の瞬間も一時は見られそうな雰囲気だったのですが、ちょうと雨雲が前を遮ってしまい、太陽は雨のカーテン越しになってしまいました。
出港前に洗濯機をかけてあったのですが、出港の一連の流れがひと段落し、仕上がった洗濯ものを乾燥機に移し換えに行ったのですが、途中にあるビールの自動販売機の所に「停泊中は21時半から23時までの間しか購入出来ません」と英語で注意書きが貼ってありました。日本語では何も書いていなかったので、米国のインスペクションのためのアピールなのでしょうか。
夕食は19時半過ぎに行きました。本日は「ニューイヤー・ディナー」でフルコースです。
〜前菜〜
ずわい蟹とアボカドのセルクル仕立て
〜スープ〜
白茸のパイ包み焼き
〜魚料理〜
鯛のスフレ蒸し焼き 柚子胡椒風味
〜グラニテ〜
ココナッツのグラニテ
〜肉料理〜
オックス・テールの赤ワイン煮込み
〜サラダ〜
トマトのサラダ
トマトはメニューに「アイストマトレッド・イエロー」「白雪姫」「レッドゼブラ」「マイクロトマト」「アメーラルビンズ」「ピッコラカナリア」と書いてあり、大変な懲りようでした。

デザートはアップルマンゴー、アナナス・フロマージュのチョコレートアイスクリーム添えでした。
「にっぽん丸」はこれだけ料理が美味しいのに、バターがファミリーレストランみたいに出されるのが残念です。が、今晩のフルコースも大満足でした。

食事の後、ちょっと時間が経ってから乾燥機の洗濯物を回収に行った所、混んでいたのか既に乾燥機から出されてランドリーバッグに入って吊るされていました。係の人に迷惑をかけてしまうので、なるべく素早く取りに行かなくては、と思いました。
21時15分から4F「ドルフィンホール」で「新春の集い」があり、船長の新年挨拶と鏡開きがありました。
その後枡酒が振舞われました。「飛鳥U」は白木でしたが、本船では塗りの枡でした。
第二部は「虎バンド」による〜邦楽の宴〜でした。津軽三味線をメインに、尺八や琴、ピアノの演奏が加わっていました。お正月にはやはり邦楽がつきものです。
寝る前にマッサージに行き、夫とかわりばんこでプロの技に酔いしれて来ました。今晩時刻改正が行われ、時計を30分遅らせる必要があります。

元旦らしい濃い一日が終わりました。本船は横浜に向けて順調に航行しているようです。