にっぽん丸 ニューイヤー グアム・サイパンクルーズ乗船記(2008年12月31日)

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5日目 グアム 出港 23時
引き続きグアム港に停泊中です。今日は朝10時にローカルのレンタカー屋が港まで迎えに来てくれることになっています。昨年の「飛鳥U」の時、レンタカー代金よりも高いタクシー代金(チップ込みで50ドルぐらい)でタモンから船まで戻ったことがあまりにもアホらしく、今回は絶対借りようと思っていたのでした。車があれば効率よくモールやKマート等を廻ることが出来ます。
ただし日系や大手のレンタカー屋2件に問い合わせた所、空港やタモンのホテル送迎はやってくれるのですが、港までは送迎していないと言われてしまいました。一度は諦めかけましたが、出発2週間前に現地の業者に絞り再度検索してみつけた店にメールしたら、「もちろん喜んで」とのことだったので、ここを予約したのでした。破格のプライスでかえって心配なぐらいですが、メールでのやりとりで「念のため当日電話してね」と言われているので、ちゃんと迎えに来てもらえるでしょう。
ところが今朝は今まで(航海中に)鳴らされる八点鐘が鳴らなかったため、8時を過ぎたのも知らず眠り呆け、オプショナルツアー客への下船案内で8時半過ぎに二人揃って目を覚ましました。例によって朝食は8時半までに、と書いてあったので一瞬朝食抜きを覚悟した所、夫がいち早く事態を察して速攻でダイニングへ行ってくれました。
夫に遅れること5分の8時45分、私も最低限の装備で2Fに下りて行くと、とりあえずダイニング前にはまだ「OPEN」と書いてあり、ホっと胸を撫で下ろして夫の所に着席したのでした。夫が和食を頼んでおいてくれました。
食事を終えた9時過ぎには、ダイニング「瑞穂」にはほとんど人がいませんでした。「どうせ八点鐘が鳴るからそれが目覚ましがわり」というのは「ただし航行中」という大きな落とし穴がありました。

部屋に戻る途中の本船は、飾りつけがますますお正月らしくなされていました。
さて、レンタカー屋へ確認の電話をする段になりましたが、これまでの手配はすべて私がやったので夫は当然私がやると思っている様子です。でも私よりも夫のほうがこちらの意思を伝えるのがうまいので、是非お願いします、とやってもらいました。「10時に港のゲートまで来てね」と念押ししてもらいこれで安心です。今持っている携帯は世界中で通じるので、この電話もキャビンからかけました。本当に便利になったものです。
約束の10分前に下船しました。雲がちょっとあるもののいい天気で、南国の暑さそのものです。ゲートに向かって歩き出すと、本船のスタッフが単独行動に心配そうな顔をして声をかけてきましたが、レンタカー屋が迎えに来てます、と言うと皆納得していました。セキュリティーゲートも同様で「タモンまでずい分あるよ〜」と声をかけてくれました。
ゲートを出てすぐの所に、レンタカー屋のものすごくごついお兄さんが迎えに来てくれていました。見かけによらずなかなかフレンドリーで、ここまで来るのにセキュリティーチェックがもの凄く大変だったことなどを教えてくれました。
20分程で車はマリンドライブを真っ直ぐ行った空港近くにある、レンタカーショップに到着しました。予約してあったのは2004年式のニッサン「セントラ」(日本ではサニー)で1日35ドルです。これにドライバーは2人の最低限の保険を付けてもたったの45ドルでした。車は割と適当な感じで「どれにする?今乗ってきたやつもなかなかイイけど」みたいな感じだったので、「じゃぁそれで」と言うことになりました。一年前のタクシー代の悔しい思いをやっと晴らせた感じです。

ということで、夫に運転してもらい、まずは「マイクロネシア・モール」に行きました。グアムに来たらここに行かない訳にはいきません。夫が半ズボンのいい感じのをみつけ、私はオーデコロンのクリスマスお買い得セットを買った後、スーパーマーケットでごちゃごちゃした物を買いました。

モールには10時40分ぐらいから結局2時間弱滞在し、次にその近くの「Kマート」(郊外型大型スーパー)に行きました。
夫がまだ買うのか、みたいな雰囲気になって来たのでごまかして軽くピザを食べることにしました。ここも昔は一人で良く来た場所でした。結局この店には50分程しか粘れず、今日の買い物によって荷物がスーツケースから溢れそうなので、安いキャリーバッグを購入しました。
もう1件「グアム・プレミアム・アウトレット」に行きたかったのですが、これ以上夫に買い物を付き合ってもらうのは不可能だというムードになったため、コンティンジェンシー・プランとして元日本兵の横井さんが28年間暮らしたという「横井ケーブ」を見に行く案を提案したところ、それならということになりました。夫は私がまさか買い物だけの目的で、タクシーがわりにレンタカーしたとは想像もしていなかったようでした。
横井ケーブのある「タロフォフォの滝公園」までは、マリンドライブ(1号線)をハッガーニャまで戻り、左方面に曲がって4号線に乗る必要があります。地図を読み間違えて機嫌を損ねては大変、と久しぶりに「地図を読むのは割と得意な女」としてナビを務めました。最後4号線から降りて右折しなければならないのですが、これは「Tarofofo Falls」のサインがあったのでわかりました。
どんどん道が田舎っぽくなり、こんな先にそんな公園があるのかなという雰囲気でしたが、Kマートからはるばる45分の14時半に無事到着しました。興味はありませんが実弾射撃場もあるようです。
入園料20ドルを払うと、ロープウェー乗り場があり、それで滝の方に下りていくようでした。入口の所には、横井さんの洞穴について、怪しげな日本語で図説がありました。

ロープウェーの中は暑さ対策で「団扇」が置いてあって笑えました。ジャングルの上を進んで行くとタロフォフォ川が見えました。当たり前ですが、人は水場がなくては生きていけません。

川には2箇所橋がかかっていて、周辺をぐるりと廻ることが出来るようになっていました。「横井ケーブ」はロープウェー乗り場の反対側にあり、つり橋を渡って数分歩いた所にありました。

ジャングルの中を…横井ケーブ(レプリカ)すぐそばを流れる川

12月にちょっと歩いただけで汗が噴き出るこのグアムで、28年間も潜伏生活を続けた横井さんの精神力には頭が下がります。
ロープウェーで引き返し、40分程でタロフォフォの滝+横井ケーブ観光を終了しました。入る時にはいませんでしたが、入口には豚が放し飼いになっていました。
レンタカーオフィスは17時までなので、それまでには返却してくれと言われていましたが、このまま真っ直ぐ帰ると16時には着いてしまいます。ちょっと早くてもったいないと思い、DFSのそばにあるインターネットカフェに寄り道してもらおうかとさり気なく打診しましたが、ジョギングする時間がなくなるからと即座に却下されました。グアム島の東側に来たのは初めてでしたが、午後に海が順光になるのでとても綺麗でした。
案の定レンタカー屋のお姉さんは「エ、まだいいのに」みたいな反応でしたが、16時きっかりに返却しました。走り出してすぐに助手席のダッシュボードの物入れのフタが閉められなくなって完全に脱落したり、コンソールには「Service Engene Soon」が常時点灯してたりで、夫は最初どうなることかと思ったそうですが、無事に70kmちょっとを走破してくれました。
朝迎えに来てもらったお兄さんにまた送ってもらい、本船には16時半頃戻りました。あちこちで物を買ったため、荷物は「エッ」という程増えてしまい、セキュリティーのお兄さんも「へ〜、Kマートに行ったんだ〜」と感心(?)していました。車を降りてからの道のりは暑くて長くて、大半を夫に持ってもらったにもかかわらず辛いものがありました。
このあと荷物も片付けずに着替えてすぐに走りに行きました。「にっぽん丸」ではデッキ走行が禁止されているので、こういう時に頑張って走る必要があるのです。7kmほどを50分かけて、2008年の走り納めとなりました。汗だくで戻ると舷門当直のクォーターマスターの目が「物好きな人がいるもんだ…」と言ったように見えました。

シャワーをしてさっぱりした後はお待ちかねのビアタイムです。18時過ぎに4Fのデッキに下りて、暮れなずむ夕暮れを楽しみました。

一旦部屋に戻って19時20分頃ダイニング「瑞穂」に行く頃にはすっかりと日が暮れていました。2008年最後の日没でした。

本日のドレスコードはカジュアルで和食でした。グアムに居ながらにしてのこの本格的な和食は本当に贅沢です。
(前菜)石川芋、川海老の甘露煮、馬刺し
(椀)大和蜆の赤だし 三つ葉
(造り)鰹のたたき 妻一式
(焼物)かわはぎ柚庵焼き 焼き万願寺しし唐
(蒸し物)茶碗蒸し ささ身、小海老、椎茸、筍、蒲鉾、長芋
(強肴)牛肉治部煮 焼き千寿葱、すだれ麩
(小鉢)あん肝ポン酢 あさつき、紅葉卸し
(香の物)千枚漬け、高菜漬け
(御飯)栗御飯
デザートはキウイ盛り合わせと「待つ春(和菓子)」で、盛り合わせるところに料理長の拘りが出ています。ゴールデンキウイは時々地元のスーパーで売っていますが、レインボーキウイは初めて見ました。
食事は20時半頃食べ終わりましたが、今晩のこれからのメニューは22時半から供される年越しそばと、23時半からのカウントダウンパーティーです。それまで時間があるので、5Fのてもみんの人にマッサージの予約を入れましたが、混んでいたので22時10分から30分ずつにしました。写真は買物から戻って来たら飾ってあった、お正月用の生花と立派な鏡餅、後方が本日の戦果です。
23時頃、ふと気づいたら脇にタグがいて出港をする所でした。本船の最終帰船時刻は22時だったので、グアムで食事をして来た人もいたでしょうか。ただ、グアムは港から観光の中心部まではちょっと距離があり過ぎで、何をするにも面倒(又はコスト高)でした。
マッサージの後、本船で初めて夜食を食べに行きました。お腹は全く空いていませんが、やはり一年の締めくくりに年越し蕎麦を食べなくては、などと思ってしまいます。「飛鳥U」は汁そばでしたが、「にっぽん丸」は小ぶりのざるで丁度いい分量でした。出港とマッサージと年越し蕎麦の合間に洗濯も入れたので、効率良くこなすのが大変でした。
23時半から4F「ドルフィン・ホール」の「にっぽん丸のゆく年くる年」に出かけました。乗船しているエンターテイナー達が総出で、本船のスタッフと手作り感溢れる演出をしていました。落語の三遊亭金八師匠(右端)が大活躍でした。
「にっぽん丸」の一年というムービーでは、世界一周クルーズの時のアラスカの写真が出て来た中に、私達が乗船した「セレブリティ・マーキュリー」がありました。
このムービーが長かったのか、カウントダウンの直前の部分のつながりが今ひとつで、予定されていた「蛍の光」が歌えませんでした(年が明けてから歌いました)。年が明けてから、船長の挨拶がありました。

「飛鳥U」のカウントダウンは外国船だった名残かパーティーっぽかったですが、本船はNHKのゆく年くる年っぽくて日本的と言った所でしょうか。
部屋に戻ると本船より1時間遅れている日本では、紅白歌合戦が終わるところで、しばらくして本家「ゆく年くる年」が始まりました。
次港サイパンは直線距離だと約200kmなので、「にっぽん丸」はかなりゆっくり走っているようでした。