にっぽん丸 三連続クルーズ乗船記(2007年9月11日〜9月17日)

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1日目 小樽 出港14時
ゴールデンウィークにフェリー「きそ」に乗船して以来、次の夏休みには愛車を連れて大洗あたりから再びフェリーで北海道に行く雰囲気になっていたところ、6月にドライブがてら横浜ベイブリッジ見学に行った際、たまたま「初夏の利尻・礼文クルーズ」に出発する「にっぽん丸」の出港に遭遇しました。それならそのクルーズから帰港する「にっぽん丸」を大桟橋から見学しようと、翌週また横浜に出かけました。車を留めて山下公園を歩いていると、すでにフネはベイブリッジをくぐり終わり、桟橋に向かって悠然と向きを変えているのが見えました。桟橋に移動し、ゆっくりと接岸する「にっぽん丸」をぼんやりと眺めていたら、すっかり夫が「クルーズに行く気分」になってくれました。単純な夫には客船を間近に見せるに限ります。

早速大桟橋に置いてあったパンフレットを吟味し、月から金まで1週間の有給休暇+両側の土日を付けた最大9日間の休暇で丁度いいクルーズ日程をチェックした所、結局2泊3日のクルーズを連続させて合計4泊5日にし、小樽からサハリンを往復して横浜に戻って来ることになりました。このクルーズだと初めて日本から海外クルーズに行くことが出来る上、小樽から横浜は終日航海日があり、フネが走るところも堪能できます。部屋のグレードは得意の差額攻撃をかけたいところですが、未練を残しつつも今回は「ステートルームA」にしました。なお、トイレは3年前の乗船後、全室ウォッシュレットに改装された様です。

初秋のサハリンクルーズ(2泊3日)
 デラックスルームステートルームA
フロア5F 20室4F 42室
広さ19u 角窓14u 角窓
バスバスタブ有りシャワーのみ
その他部屋のミニバー無料ミニバーなし
料金\160,000-\99,000-

東京から小樽までは熟慮の結果、札幌まで寝台特急「北斗星1号」で行くことになりました。9月9日(日)の16:50に上野駅を出発し、今では希少性の高い、ブルートレイン定期列車の旅を堪能して翌日の9時半に到着、その足で小樽に移動して約1日滞在しました。

乗車記はこちら→「寝台特急北斗星1号」乗車記

あいにくの曇り空でしたが昼食にはしっかりと有名な寿司を食べ、運河などを駆け足で観光しました。小樽中心部とホテルの間には新日本海フェリーのターミナルがあり、新潟行きの「らいらっく」が堂々とした姿で佇んでいました。

翌日、乗船受付はたまたま宿泊したヒルトンホテルの「樹氷の間」で行われました。 船から離れた会場での乗船手続きは初めてだったのですが、会場で座って待機し、ある程度まとまると適宜受け付けがなされるようでした。今回は日本から初めての海外クルーズなので、予め送付されていた乗船証引換券とパスポートを提示します。乗船証を受け取り、MOPASのネックストラップ(カードホルダ)をもらって首にかけました。ホテルの玄関には大きな観光バスが待機していて、半分ぐらいまで埋まった所で第三埠頭に向かいました。
到着するとまずスーツケースなどの荷物が下ろされ、クルー達によって船に運び込まれました。これは自動的にチェックされ、部屋に届けられるそうです。バスを降りると4ドルフィンズが岸壁にいて、演奏が始まりました。段々気分が盛り上がって来ました。乗船してすぐ手荷物の検査があり、それからその列がそのまま出国手続きに続きました。パスポートを提示すると、出国OTR(小樽)とスタンプが押されました。まだ実感は沸きませんがさすが外国航路です。

←左は船内3Fの出国手続の様子

部屋は今回は4Fの437、右舷側のステートルームAです。前回(2004年)の「道東と平泉クルーズ」は奮発してデラックスルーム(19u)にしたのですが、今回は札幌まで寝台特急を使ったりと乗船前から既に盛り沢山だったため差額アップグレードは断念しました。部屋に入ると「あれ?こんなに広かったっけ?」。部屋の広さは14uと「スーパースター・ヴァーゴ」のバルコニー付オーシャンビュー20u、「プライド・オブ・アメリカ」のバルコニー付オーシャンビュー21uより確かに狭いのですが、あまり狭く感じないのです。それどころか機能的に収納スペースがあるので荷物が綺麗に片付きました。

そうこうするうちに出港時刻となりました。テープの出港です。クルーズデビューの時は思わずテープを丸ごと投げてしまいましたが、今回はコツを掴んでうまく投げることが出来ました。たまたま遠くに投げられたテープを掴んで下さった方がいてしばし出港の気分を味わいました。宿泊したヒルトンが良く見えました。

出港は14時でしたが、まだ余韻の残る45分から「ドルフィン・ホール」でオリエンテーションがありました。今回は外国クルーズということもあり、初めて真面目に参加することにしました。翌日のサハリンでの上陸について説明があったので聞けて良かったと思います。
説明会が終わった後はすぐに避難訓練がありました。「にっぽん丸」では初めての経験です。16時ちょうどに単音7回、長音1回が鳴ったあと、ライフジャケットを着用して集合場所のB-3に張り切って集合しました。外国船の訓練はとりあえず集合すればよい、というアバウトな感じでしたが、「にっぽん丸」では乗船名簿を使っての点呼がありました。
この直後今が一番空いているのではないかと乗船直後に投入した洗濯モノを乾燥機に移しがてら大浴場をチェックしたところ、女風呂は誰もいませんでした。男風呂もほとんど人がいなかったらしく、夫がいきなり「タオルは置いてあるんだよな?」と入浴モードに。私は色々準備があるので一旦部屋に戻ってから行きました。一番に飛び込みましたが、あっと言う間に満員御礼、カランが一杯て待ち行列が出来てしまいました。でもこの大浴場は日本船ならではの楽しみです。

さて、ここからはお楽しみのビールタイムです。免税の方の自動販売機が使える様になり、缶ビールが1本160円でラッキーと思いながら「プロムナード・デッキ」で夕日を見ながら乾杯しました。右が免税の自動販売機で、国内航路の時はこの様に「売切」表示となっています。

「にっぽん丸」の乗客定員は537名ですが、今回のクルーズは400名以上乗船しているとのことで、ディナーは2回制でした。1回目のディナーは17時半から、2回目は19時半からで事前に選択出来るのですが、17時半はいかにも早いなぁということで2回目を選択してありました。いずれにせよ本日のドレスコード「インフォーマル」は17時半から適用されるので、部屋に戻って準備を整え、17時半からの「カクテルとラテンの夕べ」に出かけました。

1回目の客がディナー中のこの時間、アルゼンチンからの「ペルーサ・タクナウ・トリオ」のコンサートを楽しみました。1回目の客は逆にディナーのあと、ここで同じコンサートとカクテルのサービスを受けることになります。

ディナーは予定通り19時半からのスタートでしたが、若干遅れて40分頃着席しました。「ウェルカム・ディナー」のフルコースは期待を裏切らない味でした。他の日本船に乗ったことがないので比較は出来ませんが、とても美味しいと思います。

蟹身のカッペリーニ仕立て
トマト風味ゼリー・ソース
オニオン・グラタン・スープスカンピ ガーリック焼き
スズキの香草焼き添え バルサミコソース

にっぽん丸オリジナルワインビーフ・ステーキ
赤ワインの茸ソース
フルーツトマトと
グリーンアスパラガスのサラダ

デザートは「北海道産赤肉メロン&ガトー・ミルフィーユ、バナナ・アイスクリーム添え」でもう大満足でした。
ディナー後、少しデッキを歩きましたが、遠別(えんべつ)の灯りが遠くに見えました。この後夫は爆睡しました。