41日目 1月18日(月) 終日航海日 日出6:16 日没22:01
航海情報天候気温正午位置風向風速ジョギングデッキマシン陸上合計デッキ累計距離累計
くもり12.0℃49-56S 074-24W南4m/s23周--10km666周324km
船内情報講演等イベント他船の揺れプール
-(ノーアクティビィーデー)ほとんど揺れないノーマルより濃い色
ダイニングランチ(6F)ランチ(11F) リド夕食ドレスコードディナーギャラクシーラウンジ(18:00 / 20:00)
海老天丼洋食うどんセットカジュアル洋食平田耕治 バンドネオンコンサート
6時になる前に船がエンジンを回し始める身震いがあって目が覚めましたが、残念ながら空はどんよりと厚い雲に覆われていました。折よくキャビンは氷河の方を向いていて、20分後に日出ですが太陽は見えなさそうです。


6時15分、日出の時刻に動画を撮影しましたが、やはり氷河からのご来光は拝めませんでした。

でも目の前のバルコニーから見えるピオ11世氷河は圧巻で、こんな所に停泊して良かったのだろうかと思ってしまいます。さっきからフネがゆっくり右に回っています。

7時頃見たらスラスターが回って水を吐き出しているのが見え、フネはさらに右に回りました。
そして氷河は本船の後方に回り、バルコニーから全容が見えなくなりました。船尾に見に行きたいので、いつもより早いですがゴハンも食べることにします。

リドカフェには好物の茄子のトマトチーズ掛けがあったので、やったと喜んだものの、半分固まったチーズがうまく取れず、ただの茄子のトマトソースになりました。

追加でフルーツを取りに行った際に船が前進し出したので、そのまま船尾の外に出でゆっくり離れていく氷河を撮影しました。本船のカメラマンがいたので撮影もしてもらいました。
と、バリバリっと音がして氷が崩れ落ちました。カメラ自体は電源が入っていたのですが、その場所に向けてズームしている間にほぼ見えなくなってしまい、名残として水しぶきが上がっているのだけ撮影出来ました。

【画像はクリックでズーム】
その直前の画像と比べると、下方の黒っぽい部分の右の青の濃い部分が崩れたみたいです。

【画像をクリックすると崩落前後の比較画像】
名残惜しいですが、そろそろ室内に戻ることにします。ピオ11世氷河(Glaciar Pio XI)前での停泊は素晴らしい体験でした。
その感動の余韻を持ちつつ席に戻り、何事もなかったかのように食事を再開出来るのがクルーズの凄いところです。
パタゴニアの氷河の中では陸路で行けるペリト・モレノ氷河(Glaciar Perito Moreno)の方が名を知られていますが、船でしか到達出来ないこのピオ11世氷河に日本の船で行く機会に恵まれたことはとても幸運でした。
ゴハンを食べ終わってもう一度船尾の外に出ました。氷河から離れる時はゆっくりだった速度が上がっており、氷河がどんどん小さくなっていきました。この場所にもう一度来られる確率はほとんどゼロだと思います。
などと考えると名残惜しさが増幅し、部屋に戻ってまた眺めてしまいました。
いつもはまだ眠っていることが多い時間ですが、朝食も終わってしまい、部屋ですることもないのでパームコートに移動しました。
ゆったりと流れるチリフィヨルドの景色を背景に、新聞を読んだりポルトガル語の学習をしたりと贅沢な時間です。早起きは三文の得を地でいきました。
左右両方の景色を堪能しつつ、そろそろ掃除も終わった頃かと10時半頃部屋に戻ることにしました。
ちょうどその頃、今日2つ目に訪れるペンギン氷河の入り口に到達しました。が、航行するには氷が多い状態だそうで、慎重に先に進めて更に進めるか様子を見るとキャプテンから放送がありました。

左前方のちょっと明るい所が入口ですが、望遠で見ると氷が流れ出ている様子がわかりました。

【右の画像はクリックで拡大】

折角なので、オモテに見物に行きました。昨日よりちょっと寒いです。フネがそろそろとペンギンサウンド(フィヨルド)の入り口から中に進んで行くと、その奥から沢山の氷が流れて来ているように見えました。
と右舷にある湾の上で風の流れが可視化したかのような、雲と言うか筋が出来ているのが見えました。風洞実験みたいだと言うと興醒めですが、幻想的でした。

【画像はクリックで拡大】
キャプテン(と水先人)が本船はこれ以上中に入れないと判断し、11時半頃回頭して引き返すことになりました。氷河を1つ見損ねたの残念ですが、船の安全が第一です。氷が近付いて来るにつけ、船の底の鉄から冷気が伝わってくるような感じがしました。

【画像はクリックで拡大】
プールデッキには先ほどからピオ11世氷河付近で苦労して採取していた氷が展示してあったので、帰りに見に寄りました。とエンタメクルーが希望する乗船客と記念撮影をしていたので、私達も撮ってもらいました。
収穫した氷はいずれ溶けてなくなってしまうので、記念にペタペタ触っておきました。氷河のかけらを触るのは生まれて初めてでした。
「若手女子会」という会が発足したようで前日ランチに誘われており、本船では珍しい60歳未満の女子8名でテーブルを囲みました。

御飯物 海老天丼/小鉢 梅じゃこ卸し和え/汁物 山菜汁 香の物
デザート あんころもち(撮影漏れ)
そこそこ盛り上がり、パームコートでのお茶に流れたのですが一旦部屋に戻ったら見失い、結局合流出来ませんでした。
13時過ぎから夫はピアノに行ったので、とりあえず懸案だったエンタメビデオをテレビの上から動画撮影しました。エンタメビデオとは横浜出港来の船内や寄港地の様子を本船のスタッフが撮影していて、2週間分ぐらいを編集して2日間ぐらい放映しているものです。是非DVDにして販売して欲しいのですが、肖像権なのか何なのか頑なに売ってくれないため、こうするしか帰宅してから楽しむ術がありません。
14時半頃、夫がピアノ練習から戻って来たのでそろそろジョギングに出ることにします。フィヨルドを航行しているので、デジカメを握って走ることにしました。
いつも通り左舷の1番ボートあたりから走り始めます。昨日は雨模様だったのでいまいちでしたが、段々晴れてコントラストがくっきりして来たのでテンションが上がります。

トモを回って右舷に回るとちょっと開けた感じになりました。本船の引き波がゆっくりと流れていきます。

オモテでぐるっと回ると左舷はコンモリとした岩山がそびえていました。右に左に景色が変わり飽きることはありません。
デッキでは多くの人が散策をしており、景色を見ながら気持ちよく23周を走りました。16時過ぎに大浴場に行ったのですが、この時間にしては混んでいました。今日はノーアクティビティー・デイ(講演や教室やゲーム等のイベントがない)だったので、皆いつもとリズムが違ったのかもしれません。

お風呂からの帰り道、寄港記念盾の飾ってある廊下からウィンブルドンコートの所に出ると、両側に山があって新鮮でした。

部屋に戻るなりビアタイムに突入しました。チリフィヨルド航行をしながら敢えてのキリン一番搾りです。
ちょっと寒いバルコニーでフィヨルドを堪能しつつ、本船はアジア(フィヨルドに流れ込むエル・ブルホ)氷河に向かっていたのですが、状態がそれ程良くなかったらしく別の氷河にチャレンジするとのことでした。
「このアジア氷河を見に来たのにヒドイ」と思う人はおそらく本船にはおらず、船は右に舵を切ってアマリア氷河に向かいました。
アジア氷河があると思われる方向からは、沢山氷が流れている様子が見えたので、ペンギン氷河と同じように安全を考慮して行くのを止めたのでしょう。
18時からのショーはちょっと行ってみたかったのですが、氷河が近付いている雰囲気だったので断念して8Fオモテに下りて行きました。
アマリア氷河はまだ見えていませんが、左舷の山の上の方から氷河が流れているのがよく見えました。あまりに沢山見えるので、「氷河は特に珍しいものではない」感覚になりました。

遠くの小島にアザラシ(本当はオタリア。この時はアザラシと思い込んでいた)の群れが上陸しているのが見えました。

18時40分頃、氷河の先端部分が見え始めました。ところどころ青空が見えて清々しい感じです。
ゆっくりとアマリア氷河が姿を現していきます。クルーも大勢オモテの部分、通称「アスカビーチ」に出て来てこの景観を楽しんでいます。

雲間からの光線が神秘的なテイストを加味しています。

何筋もの氷河がひとつになって海にそそぐ感じがひたすら雄大で美しく、時間を忘れて見入りました。

【画像はクリックで拡大】
19時20分頃、本船はこの場所を離れるため回頭を始めました。素晴らしい眺めでした。
本船は回頭を終えてプンタアレナスに向けて再び走り始めました。夕飯の時間が迫っています。と、「一緒に食べましょうか」みたいなノリでバルパライソを一緒に観光したご夫妻とゴハンを食べることになりました。
食事開始まではあと15分ぐらいあったので、7デッキを散策しながら部屋に戻りました。美しい景色が広がっています。

食事のテーブルはバルパライソから区間乗船をしている埼玉県からのご夫妻がジョインし、結局6名となりました。こちらのご夫妻は2007年の世界一周来バルパライソ観光のご夫妻の船友であり、私達も2011年の時に顔見知りになったご縁です。
Appetizer

ニシンの白ワイン「マリネ 彩り野菜添え
Soup

グリーンピースのスープ
栗のポタージュ
Main Course

和牛ハンバーグステーキ デミグラスソース
左:ダブル盛り(夫) 右:通常盛り
Dessert

マロンムース ラムレーズンアイス添え
それにしてもバルパライソ観光のご夫妻は情報通で、本船のことを何でもご存じです。例えば500泊以上のアルバトロス会員が64名と多過ぎるため、キャプテンの公室に入れてもらえるサービスがない、とか200泊から100泊ごとの泊数達成記念の人が多くて(=今回は世界一周のリピーターが多い)キャプテンが多忙を極めているとかそういう話です。共通の話題が多くて盛り上がり、あっと言う間に時間が過ぎました。
日没時刻の22時まではあと30分、先ほどまでよりは大分広い水路の景色を楽しめそうです。
日が傾き、高い山の上の方だけがピンク色に染まっていて「アルプスの少女ハイジ」のような情景になりました。
南緯50度を越えた高緯度地方特有の、淡い夕焼け空が広がっています。
22時半頃水路が広がりました。ゆっくりと暗くなる中のフィヨルド航行もまた趣があります。夫が今日2回目の大浴場に出掛けました。
段々と暗くなっていく様子を撮影しようとちょくちょくバルコニーに出ましたが、徐々にピントが合い辛くなりました。
フネはまだ内海ですが、暗くて山は見えなくなりました。後ろに「EDEN」という船が表示されていますが、調べたところこれはチリのプエルト・モント(Puerto Montt)からプエルト・ナターレス(Puerto Natales)を4日間で結ぶナビマグ(Navimag)の定期フェリーでした。
寄港地なしにチリフィヨルドを航行したこの上なく贅沢な一日でした。