レジェンド・オブ・ザ・シーズ 上海・韓国クルーズ乗船記 (2010年5月5日)

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4日目 上海 入港8時30分
夫が張り切って5時から入港ワッチを開始しました。まだ真っ暗な夜で、私は7時に起きようと思って気配のみ感じて寝ていた所、カメラの場所がわからないと起こされてしまいました。これは私が上海観光に持っていくために既にショルダーバッグに入れてしまっていたためで、珍しく前の晩に用意したのが裏目に出ました。
そのカメラで、しばらくバルコニーから撮影していたようです。上流からひっきりなしに貨物船が荷物を積んで下りて来ていました。

白々と世が明け、長江から支流の黄浦江沿いのコンテナ港や造船所が姿を現しました。


7時前に面白いから起きろ、と起こされてしまい、眠い目をこすってバルコニーに出ると雨の中、黄浦江を上っているところでした。両側は造船所やら、発電所やらいきなり中国のエネルギーを感じるようなシチュエーションで、しばし目を奪われていました。
潜水艦まで川にいました。その後ろには高層ビルがあって、上海の不動産バブルという言葉が頭に浮かびました。

そのうち楊浦大橋をくぐると、雨で煙っていましたが写真で良く見る高層ビル群が見えてきました。

右端は有名な「東方明珠電視塔」というテレビ塔で、それにかなり近づいた所で船も行き足を止めたようでした。黄浦江が上流に向かって大きく左にカーブする手間の「エ、こんないい場所に停泊するの」と驚いてしまう程の良いロケーションでした。

私達がロイヤル・カリビアンのサイトから直接申し込んであったオプショナルツアー「上海クラシック半日観光」の集合は9時半だったので、あまり入港の風情をいつまでも楽しんでいられず、8時過ぎに朝食に行きました。フネはこのまま右舷付けするようです。
今日もメインダイニングに行きましたが、スイート用の5Fではなく4Fに行くと、8人がけの席に通され、最初は1組の日本人の夫婦が座っていました。と、そこに外国人が入って来て、英語もしゃべることになりました。その夫婦は英国ウェールズからの旅行者で会社を持っていて、最近息子に継いだそうです。いつの間にかクルーズターミナルに着岸していました。

夫はまた目玉焼きを、私は久しぶりにニシンの燻製を食べて満足しました。

食事中、英語の間を持たせるためついコーヒーを二杯飲んでしまったせいか、部屋に戻って1回、身支度をして出かける前にもう1回トイレに行ったのに、ツアー集合場所の4F「ザッツ・エンターテインメント・シアター」に入るやいなや、またもトイレに行きたくなってしまいまいした。が、あっと言う間にコールがかかり、下船口に案内されてしまいました。一瞬「サハリンの悪夢」(2007年9月「にっぽん丸」初秋のサハリンクルーズ乗船記)が蘇りましたが、幸い舷門のすぐ近くにトイレがあったため、飛び込んで危機から逃れることが出来ました。
入国審査でパスポートと顔写真と当局のスタンプをしっかりとチェックされた後、思ったより綺麗なバスに乗り込みました。同じコースの英語バージョンもありますが、それより10ドル高い日本語ガイド付きのツアーです。

まずは玉佛寺に行きました。禅宗の寺だそうですが、ミャンマーやタイの寺と日本の寺の中間のようなイメージです。

臥佛(横向きの寝姿の仏像)があったり、僧侶と善男善女がお堂でお経を唱えていたりと、大陸的な雰囲気が漂っていました。

バスは次に豫園(Yuyuan)に向かいましたが、まずはその脇にある豫園商城(ショッピング街)にあるお茶博物館(豫園茶博)に立ち寄りました。ここはお茶を売るためにタダでお茶とトイレを提供してくれる場所でした。

夫のブログ「上海トイレ事情」(2010年5月5日)
チャイナドレスの日本語を話すお姉さんにお茶の歴史を習いながら鉄観音、一葉茶、ジャスミン茶と試飲するうちに、「これは日本に買って帰らなくては」という気分になってしまいました。敵の思うツボです。(下の分類は「豫園茶博」による)
青茶(鉄観音)保健茶(一葉茶)花茶(茉莉花茶)
幸いここの売店はクレジットカードも円も使えるというのでお茶数種類とティーポット(後で見たら台湾製)と職場用パンダ柄のチョコレートを購入しました。円で払ったお釣は元でくれるのかと思ったら、きっちり円で返してくれました。
次はいよいよ豫園です。歩いて向かうとチャイナなスターバックス・コーヒーが。風景に溶け込んでいるのかいないのか微妙な感じで、やはり唐突感があります。
九曲橋を渡って進みます。この橋はその名の通りカクカクと9回曲がっているのですが、これはキョンシー(妖怪)が真っ直ぐにしか進むことが出来ず、曲がった橋は渡れないことから魔除けの意で作られているとガイドさんが説明してくれました。
豫園は16世紀に明の役人が父親孝行のために造った庭園で、建物と池と大きな石がありました。西洋にある「日本式庭園」で時々こんな雰囲気になってしまっているものがありました。
塀の上には龍。中国では皇帝しか5本爪の龍を使えなかったため、ここの龍は3本なのだそうです。
色々な所に太湖石があったのですが、書斎の建物前の池の向こうに3mぐらいの物(玉玲瓏という名が付いているらしい)が飾ってありました。この石は穴が多いほど高価だそうです。石好きの人であれば「おおっ」と唸るのでしょうか。
庭園を一回りして外に出ると上海万博のマスコットキャラクターの海宝(ハイバオ)が置いてありました。今回のクルーズは、万博中の上海に寄港することが目玉でもありましたが、夫と二人揃って興味が沸きませんでした。
この後、南翔饅頭店という有名店の小籠包を食べてみたいと、誰かがガイドさんに言っていましたが、もの凄い行列だったため時間が足りないと断念、代わり(?)に予定外の「江南絲綢精品館(Jiangnan Silk Museum)」というシルク博物館併設の店に入りました。

写真は小籠包の店ではなく、色々な種類のパイ(酥、餅)の店で、味見したかったのですがお金がありません。
蚕から絹をどうやって作るか(大体わかってはいるのですが)実演があり、一通り説明を受けました。ここでは絹の布団がとても安く買えると言われ「シルクの布団?肌触り重視?」かと思ったら、絹が布団の綿になっているのでダウンよりも軽く暖かいとのことでした。
そしてまたも観光客を誘う購買コーナーがあり、ちょうどダブル幅の掛け布団が欲しかったので、上海で買うのは予定外でしたがいきなり購入してしまいました。夏掛けぐらいの薄さだったのを輸送用に空気を抜いてプレスしてくれたので、クッション位のサイズになりました。500元は日本円で約7,000円らしいので、じわじわと満足感が広がりました。
この店では商品が100%シルクであることを国(だったと思います) が保証していること、使われているシルクは最高級品であること、布団の隅には布団カバーを固定するための紐がけが付いていること(中国製品では珍しいとの説明)、布団の中は剥き出しでシルクが入っているのは、製品がまがい物ではないことの証、というセールストークに負けましたが、ダブルの布団がこの値段というのは良かったです。同じツアーバスの中で布団を買った人はいなかったようです。夫も呆れ顔でした。
半日ツアーは約4時間だった予定をフルに活用し、14時10分頃クルーズターミナルに戻って来ました。雨が途中で上がったのは良かったですがかなり歩いたので疲れました。

かなりお腹が空いていたので、そのまま9F「ウィンジャマー・カフェ」に行って軽く昼食を食べました。

「ウィンジャマー・カフェ」は船首にあって、黄浦江が大きくカーブする所が目の前にあります。上流から「LR LILLY」という香港船籍のハンディ・バルクキャリアー(170m×25mぐらい)がやって来るのが見えました。
同じカテゴリーの「OCEAN EXPORTER」は、2002年出来なのにかなり傷んで見えました。香港の投機的なばら積み船会社がオペレーションをしています。
立派なバルクキャリアーが通ったかと思うと、個人所有の小さな貨物船が遡って行きます。いずれにせよ中国の旺盛な原材料需要を感じさせる風景でした。
午後の残りが少なくなって来たのでジョギングすることにしました。走り始めて肩から腕の原因不明の筋肉痛を感じましたが、原因は昨晩のラインダンスで張り切って「ジョン・トラボルタ」ポーズを決めたからだろうと思います。1周が大きくとても走りやすいで、20周で8kmを走破しました。船首を周る時は目の前にバンド(外灘)が見えています。
その後、16時半から始まっていたプールサイドでのラインダンス教室に途中から乱入して踊り、終わった後パターゴルフ場に誰もいなかったので、ゴルフをすることにしました。
食事の時間はいつもと同じだろうと船内新聞を確認もせずいつもの17時45分に行ったところ、18時からのオープンシーティング方式だったのと、メニューがいまいちだったので急遽9F「ウィンジャマー・カフェ」に行くことにしました。その前にと「プール・バー」で本日のカクテル「アジアン・センセーション」を一杯。
飲み終わって18時40分頃カフェに行くと、窓際の席が空いていたのでゲットしました。色々楽しく選んでいるうちに日が暮れて、船首付近の窓からはバンド(外灘)の夜景が広がり始めました。

適当に前菜を取って来たあと、ローストビーフを食べて西洋風に。
かと思うと自分でトッピングしてワンタン+春雨スープを食べることが出来ます。これがアジア船のいい所です。

完全に暗くなってイルミネーションが輝いています。偶然9Fのカフェに来ましたが、この夜景を見ながらの食事は贅沢です。
カフェに来たときには長蛇の列で諦めていた寿司コーナーでしたが、少し列が減ったので鉄火巻き、たくあん巻き、卵焼きを取って来ました。この皿は寿司専用で、醤油を入れる穴がありました。
デザートコーナーもかなりの充実度でした。ケーキを一つ取って、たっぷりのホイップクリームをトッピングしました。
19時を過ぎた頃から、もの凄い電飾の遊覧船がいくつも出て来ました。ここまでの色使いは日本ではあり得ません。

部屋に戻ると今日はタオルのウサギが迎えてくれました。ついでに本日の戦利品を。

バルコニーの正面には浦東の高層ビル群と東方明珠電視塔が光っています。このテレビ塔は高さ468mで世界第3位、アジア一を誇っています。
ピカピカの遊覧船は21時を過ぎると段々数が減っていきました。日本は祝日ですが上海は普通の水曜日、それでもこの賑わいは万博開催中ならではの物だったのでしょうか。食事中や部屋からの夜景は期待していた訳ではないので、堪能出来たのはラッキーでした。