PORTS OF CALL
2015飛鳥U南極南米ワールドクルーズ乗船記>終日航海日 1/24(ウシュアイア 1
2*
3* 4* 5 6 7 8 9 ブエノスアイレス) *南極
47日目 1月24日(日) 終日航海日 日出4:35 日没22:15
航海情報
天候
気温
正午位置
風向風速
ジョギング
デッキ
マシン
陸上
合計
デッキ累計
距離累計
雪
0.5℃
63-12S 061-47W
東北東15m/s
-
10km
-
10km
701周
371km
船内情報
講演等
イベント他
船の揺れ
プール
-
ノーアクティビティーデー
ローリング後は揺れなし
水張りなし
ダイニング
ランチ(6F)
ランチ(11F)
リド夕食
ドレスコード
ディナー
ギャラクシーラウンジ(18:00 / 20:00)
鮪定食
洋食
牛皿セット
カジュアル
和食
榊原大 ピアノコンサート
夜通し風が強く吹き、適度に揺れている感じはあったものの”世界でも最も荒れると言われる”ドレーク海峡に期待した程ではありませんでした。明け方にトイレに行ったものの、全体的にはぐっすりと眠れました。
GPS地図を見たら、サウス・シェトランド諸島(South Shetland islands)が目の前にあり、地図上ではその先に南極半島も見えていました。
前日の夕方、バルコニーのサッシの隙間から水しぶきが入っていたのを防ぐために塞いだタオルは、びっしょりと水を吸っていました。
意を決して外に出ると、寒々しい鈍色の海が広がっていました。霙交じりの強風でバルコニーは今までで一番過酷な状況となっています。
ガラスにシャーベット状の氷がへばりつき、デッキチェアーには霜が降りていました。
データロガーDG-100が心配になりましたが、無事に稼働し続けてくれたようです。スペック的には「使用温度 -20℃〜50℃」なので余裕と言えば余裕ですが、朝9時の気温が-3℃の状況下で良く頑張ってくれました。
【画像はクリックで拡大】
夫は11Fの和食コーナー気分、私はパームコートで軽くな気分だったので、一人でリドに行ってもらいましたが、残念ながらカメラを渡すのを忘れてしまいました。
私は強風のため10Fに迂回してパームに向かったら、ちょうど9時の朝食営業が終わる所でした。しまった間違えた、と一人顔を赤らめて6Fのビストロに下りました。覚えたばかりの「ドブロ・ユートロ(おはようございます)」で挨拶したら「上手」と褒められました。
パソコンも持参していたので、ファイル整理をしていたら、ほどなく夫が迎えに来ました。
では、と二人で11Fのパームコートにに移動し、作業の続きを終えてからじっくりと新聞を読みました。
今日は南極海域を航行するため、ノーアクティビティデーと言って、講演や教室やゲームが一切ない日になっています。私達の予定表も三度のゴハンとショーの予定しか書いてありません。
11時前に部屋に戻って来ると「何もすることがないから」夫は走りに行くと言います。こんな時間にと聞くと、お昼までに30分、午後にももう1回走るそうです。男性は良いでしょうが「走る→シャワー→化粧→また走る→シャワー→化粧」の二部制は女にとってはものすごく面倒です。その辺りをわかってもらえずムっとし始めたので一人で走りに行かせました。
ふっと時間が出来たので、ライブラリで過去の世界一周の写真集を眺めたり、普段ならダンス教室中の会場で自主練をしている人たちを見に行ったり過ごしました。
12時頃部屋に戻ると午前の部を走り終わった夫がシャワーをしており、そのあと11Fにゴハンを食べに行くと言います。が、私は朝からほとんど何も活動していないのでお腹が空いていません。ゴハンも一人で言ってもらい、その間にジムで走ることにしました。
ウォークマンのBGMは映画「タイタニック」のサントラで、霧の出ている南極海で臨場感が溢れています。今いるこの海に投げ出されたらほとんど生きてられないだろうと思います。12時15分から嫌いなマシンで1時間強粘り何とか10km走り終えました。
部屋に戻った辺りから霧が晴れて霙も止み、氷山が増えはじめどんどん前方からやってくるようになりました。
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シャワーから出たあとも引き続きバルコニーに出張ると、前方に雪を頂いた高い山が見えています。
本船はシェトランド半島を抜け、南極半島が見えるところまでやって来ました。まだ100km近く離れていますが、頭の中で映画「南極物語」のメインテーマが流れ始めました。
14時頃、ブリッジからの案内で、長さ1kmもの大物が左舷にやって来ることがわかりました。これは望遠にするとかなりの迫力です。
【左の画像はクリックで拡大】
長さ1kmということは比率的に海面からの高さも本船より高いのではないでしょうか。こんなものにぶつかったらひとたまりもないことから、安全確保のためにかなり距離は離れていました。
ゆっくりと、しかし途切れることなくやってくる氷山のボリュームに感動し、ピアノ練習をしに行った夫に生で見た方が良いと知らせに行きました。
ところでこのピアノ練習場になっている6Fクラブスターズは出入口が2か所あるのですが、そのうちカジノに出て行く方のドアが(当時)何とも言えない音で開閉するので思わず録音しました。
お使いの環境ではmp3が再生できません。
私も1月16日以来のピアノ練習をすることにしました。1週間以上間が空いたので指が動かず、明らかに下手になっていました。
一方夫は先に練習を終わり、「15時半には早めの酒盛りを始めるから」と言い残して午後の部のジョギングに出掛けました。
15時過ぎに部屋に戻ると夫はまだ戻っていなかったので、バルコニーワッチを再開しました。
前方には大物が控えているのが見えました。ブリッジでのワッチはそれは神経を遣うことでしょう。
【画像はクリックで拡大】
20分後、先頭に見えた氷山が横にやって来ました。どうやってこういう風に切り取られたのか興味深いです。
【画像はクリックでズーム】
大きなショートブーツがまるで意志を持っているかのように、時間をかけて本船と行き交いました。
ふと7Fのデッキに目をやると、寒い中甲板部のクルー達がいつもと変わらずメンテナンス作業をしていました。
結局ビアタイムは15分遅れでスタートし、まずはチリのエスクード(Escudo)とクリスタル(Cristal)で乾杯し、2杯目はアルゼンチンのカラファテ・エール(CALAFATE ALE)に進みました。
夫の2杯目はオークランドで買った赤ワインです。ミッション・エステート・ワイナリー (Mission Estate Winery )のエステート・シラー(2014)は、さすがに若く感じました。
外に見えている山は南極半島ということで、贅沢な時間が流ていきます。
ノーアクテイビィティーデーは行事がない分、さすがに時間を持て余してしまい、することがなく手持ち無沙汰になり、普段ならほとんど行くことのない時刻(17時半)にパームコートに出向きました。横をまさしく「氷山の一角」が流れています。
最新の時事ニュースが置いてあり、琴将菊が優勝したことがわかりました。優勝争いが気になっていたので、10年ぶりの日本人力士の優勝はすごく嬉しいです。
ちょっと外を見に行くと、日没までまだ5時間近くあるのに、極南の地の低い太陽は既に27度まで下がっていました。
そしてパームコートの雰囲気と流れゆく氷山を動画撮影すると、BGMはリピートで何度もかかるため少々聴き飽きた感のあるケセラセラでした。
することがないからショーにでも行くか、と珍しく18時からのショーに行きました。ピアノがメインですが、ゲストでギターとケーナの人が来ていました。ピアノは凄く技巧的でした。
ショーが終わってもまだゴハンまだ1時間近くあります。またも時間を持て余して、外に見物に行きました。光量が弱くなってしまった中、相変わらず雪山や棚氷(氷床が海に押し出されまだ本体と繋がっているもの)は迫力があります。
GPS地図に船名は出ていませんでしたが「OCEAN NOVA」という船とすれ違いました。クラシックな船型に見えますが、調べたら本船飛鳥Uより少し新しい1992年出来でした。
本船の速度は5ノットぐらいになっており、今日はこのままこの辺りをドリフティングするようです。
途切れずに氷山が流れているので、暗くなったらブリッジではオフィサーがますます大変そうです。
そろそろ食堂に行こうかという19時40分頃、右舷の氷山にペンギンの群れがいるのでアプローチするというアナウンスがありました。
えっどれどれ、と7Fに駆け下りて見に行きました。最初は双眼鏡でも見えませんでした。
粘っているとゴマ粒位にはなり、そのうちペンギン様になりました。何を思ってこの氷山にいるのかと想像すると可笑しくなります。
【右の画像はクリックでズーム】
ダイニングへはあまり遅くなっても迷惑をかけてしまうので、20時になる前にペンギンは諦めました。多分あれ以上は大きくならなかっただろうと思います。
先附 焼き茄子
向附 和牛ランプたたき
向附 和牛ランプたたき(オカワリ)
今日のメニューは、かわりに海彦で有料のしゃぶしゃぶを食べたいと思う位力が入らなかったので、和牛のたたきだけオカワリしました。
焼き物 銀鱈柚庵焼き
(南極海域で純和食は贅沢です)
蒸し物 金目鯛ちり蒸し
(南極海域で金目鯛は本当に贅沢です)
食事 五穀御飯 栗蟹の味噌汁 香の物
甘味物 抹茶プリン
ゴハンはやはり物足りなかったです。バルコニーからは「たった今棚氷から氷山になりました」という感じの氷山が見えました。
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ヘンな形のも時々流れて来ます。見ていて飽きませんが、特別感はなくなりました。
よく考えたら今朝はビストロでパン類だけ、昼を抜いて走ったのでその後も空腹感が収まらず、チューハイで誤魔化すことにしました。レモン味に飽きたので先ほどのシラー(赤ワイン)を混ぜたところオシャレな感じになりました。
テレビでは1月16日の「スタッフキャプテンズトーク 飛鳥Uの水の話」が流れており、渡辺キャプテンがこの海域での水の節約の重要性を説いていました。
その後夫は持参したDVD「大災難P.T.A.(Planes, Trains and Automobiles)」を見始め、涙を流して笑い転げていました。
終日航海日が続く場合は翌朝早起きする必要がないため、つい夜更かししてしまいます。0時半頃の南極は陸が雪で白いこともあってか、まだ少しだけ明るさが残っていました。
明日の天気予報は曇り時々雪、最高気温は0度と出ています。寒い分は赤いパルカがあるので気になりませんが、天気が悪いのは残念です。