2日目 4月4日(月) 神戸 入港13時15分 出港16時 日出5:43 日没18:22
航海情報天候気温正午位置風向風速船の揺れジョギングデッキマシン陸上合計デッキ累計距離累計
晴れ9.0℃34-32N 135-08E北東6m/s- 20周--9km20周14km
船内情報講演等イベントメインショードレスコード食事情報ランチ(F)ランチ(L)ディナー
-セイルアウェイ・パーティースタッフ紹介カジュアル鍋焼きうどん洋食和食
興奮しているのか、8時前に起床しました。バルコニーの目の前に海原が広がる、夢のような一日の始まりです。
本船飛鳥Uは既に潮岬を交わして紀伊水道を通航中です。船内紙「アスカデイリー」によると夕食は和食なので、朝食は洋食の方がいいと9時頃に11F「リドカフェ」に行きました。なお、折角の世界一周クルーズなのでいつも身奇麗でいようと「部屋から出る時には必ず化粧をする(ただしプール、大浴場、ランドリー・ルームに行く時を除く)」という自主ルールを設けることにしました。
昨晩のディナーの時にいたクルーが早くも名前を覚えて「おはようございます、○○様」と名前で呼んでくれます。流石高級船、飛鳥Uです。

初日なので張り切って普段は不足がちな野菜類と、卵調理コーナーで目玉焼きと、フルーツとデニッシュを食べました。
ソーセージ類はちょっと控えめに卵が両面の固焼きをリクエストチョコデニッシュはクセになりそうです

9時半に部屋に戻ると掃除が終了していました。昨日挨拶に来てくれましたが、ハイディというフィリピン人の女性が当キャビン担当の客室係です。食事はいつも何時頃行くのか聞かれたので、8時から9時の間だと思うと言いましたが、本船には「部屋を掃除して下さい」の札がないので、食事に出る時は入口にマグネットを付けて彼女に知らせることにしました。

夫が張り切って友ヶ島水道ワッチに出かけてしまったので、サブITコーナーを整えました。2台目の小さいPCは、電源の延長コードでこちらのテーブルに引っ張りました。電源は更に3つに分け、同時にカメラや乾電池の充電に使います。それから、i-podをミニピン−ステレオピンプラグ変換コードでTVの所に繋いだところ、無事音が聞こえました。

10時15分頃、随分近くで小型ボートのエンジン音がするなと思ったらパイロット船が近づいて来ていたので、11Fまで駆け上がって写真に収めました。
10時半頃ハイディがバルコニーの掃除にやって来ました。昨晩から風が強く、窓に潮がついたのが乾いて白くなっているのを掃除するようです。
10時40分頃、千葉−大阪−岡山−伊予三島を定期的に結ぶRORO船「第一はる丸」と行き交いました。向こう岸は淡路島です。
10時50分頃のGPS地図です。紀淡海峡の一番狭いあたりです。幅は2.5マイル(nm、海里)ぐらいしかなく、水深20m以上の部分は1.5マイルしかありません。
左側に見える市街地は淡路島の洲本でしょうか。その昔ファミコンのソフトで「ポートピア連続殺人事件」という当時はまだ珍しかったアドベンチャーゲームがあったのですが、それにこの「すもと」が出て来たなぁと思い出しました。
友ヶ島水道ワッチをするため勢い良く出て行った夫ですが、何故か戻って来てはまた出掛けて行きます。どうやら話し掛ける先がいないので時間を持て余すようです。三度目に戻って来た時にちょっと気の毒になり、11時過ぎから一緒に「ビスタ・ラウンジ」でワッチすることにしました。
コーヒーを飲むことにしました。ここのコーヒーは本格派でとても美味しいです。正面にはまだ双眼鏡レベルですが遠く神戸や六甲山が見えています。
11時半を過ぎると左前方に明石海峡大橋も見えて来ました。素晴らしい晴天です。

12時過ぎに見えた、川崎汽船の「CAPE LIBERTY」は堂々のケープサイズのばら積み船です。このサイズ(長さ290m、幅47m)の動くフネはなかなか見られないので、動画を撮影したところ偶然浅井船長の案内放送が入りました。予定より30分早く入港するそうです。

休日の昼食は飛ばすことが多いのですが、港に入り建造中のフネが右に左に見えて来るので今日も食事どころではありません。

三菱重工で出来上がってここに係留されている商船三井のコンテナ船「MOL MANEUVER」もかなりのサイズです。6,724個積みで長さ302m、幅は43mなので今のパナマ運河は通れないサイズです。
左舷には日本郵船のPCC(自動車専用船)「ANTARES LEADER」が。こちらも三菱重工出来の6400台積みで、2月に進水したようです。
その先には川崎重工の58型「SUNNY ROYAL」が艤装工事をしていて、全長198m、幅32mのハンディ(マックス)バルクキャリアーです。といいつつ、業界ではスープラとも呼ばれるようです。
今度は潜水艦が見えています。晴天の下、フネの上から見る他のフネや潜水艦に興奮しっ放しです。

あまり見慣れない艦番号は潜水艦救難艦「ちはや」 ASR-403でした。時刻は13時、甲板では昼休みが終わりこれから午後の課業に就く、といった雰囲気でした。

と、いつの間にか中突堤がもうすぐそこまで迫っていました。ポートタワーもはっきりと見えています。もちろん無線受信機で本船とタグボート「白鳳丸」の交信も傍受しています。1月の「にっぽん丸」や暮れの「ぱしび」と微妙に言葉遣いが違うのが面白いです。
どっちで着岸するのかと思ったらそのまま右舷着岸しました。これは神戸市の「神戸港入港マニュアル」に原則入船で係留と記載されているためでした。
中突堤にあるこの「神戸メリケンパークオリエンタルホテル」は約1年半前の夏、川崎重工に進水式を見に来た折宿泊したホテルなので感慨深いです。このホテルから間近に停泊する客船を眺めてみたいものです(写真はその進水式の様子)。
もうすぐ着岸です。本船のメインマストにH旗が掲げてあったので、パイロットが乗船していたようです。


また、「第1区の中突堤に向かって航行する」を意味する第2代表旗とN旗が掲揚されています。ちなみに中央付近に2つある筒状のものは巨大船の標識です。

オモテ(艏、船首のこと)の方には神戸ポートタワーとホテルオークラ、後方にはオリエンタルホテルというロケーションです。13時15分頃着岸しました。

到着の雰囲気に浸る間もなく、フネが止まっている間に走ってしまおうとジョギングすることにしました。風を受けることなく走りやすいと夫が張り切り、5km(約12周)ミニマムと思って走り始めたのが結局20周してしまいました。ちなみに横浜からの乗船客はCIQコントロールの関係でここ神戸で一時下船することは出来ません。
走り終わったら15時近くになっており、慌ててシャワーと身支度をして7Fのセイルアウェイ・パーティーに降りて行きました。中突堤には見送りの人が集まって、天気が良い分横浜の時より華やかな雰囲気です。

スパークリングワインを2杯ほど飲み、紙テープももらって準備万端です。ターミナルは本船のファンネルの影に入ってしまいちょっと寒そうです。

16時定刻に出港しました。横浜からの乗船客にとっては二度目の出港ですが、次港がシンガポールな分今回の方が本格的な出港気分です。
十分に後進したあと、港に入った時と同じタグ「白鳳丸」に左舷後方を押してもらって左回頭で向きを変えています。景色の動きに合わせ、私達も右舷に左舷にオモテ(艏)にトモ(艉、船尾のこと)に忙しく動き回りました。と、防波堤の外に客船が待機しているのに気付きました。昨日横浜にいた「ぱしふぃっく・びいなす」です。

「春らんまん済州島・釜山クルーズ」で本船と同じく横浜を出港して神戸にやってきたようです。16時半過ぎに港内でゆっくりと行き交いました。お互い長声3発の汽笛の交換をし、航海の無事を祈りました。折よく順光でぱしびは美しく輝いており、つくづく客船は綺麗な乗り物だと思いました。
いよいよ世界一周の旅へ針路を取ります。とはいってもしばらくは日本の海域を走ることになります。
船首での出港ワッチ後、17時20分頃11Fの「ビスタラウンジ」に行きました。出港の余韻に浸る間もなく1回目の食事が17時15分から始まっているためか、誰もいませんでした。
売店の缶ビールは常温だったのでとりあず調達を見送り、本日のビールはここで飲むことにします。免税の小瓶400円を頼むとミックスナッツが出て来ました。

ほどなく夫が気絶したため、しばし「ビスタラウンジ」を独り占めしました。
ビールを飲み終わって部屋に引き揚げる時、パームコートでは18時からのミュージックタイムが始まっていました。がほとんど誰もいないのでバンドの「ナマナ」が寂しく演奏していました。
18時10分頃、友ヶ島灯台を左に見ました。この灯台は明治5年(1872年)に建造された保存灯台だそうです。
食事まではまだ時間があるので、このあと12Fの「ウィンブルドンコートへ」。パドルテニスをするための施設ですが、持参したグローブでキャッチボールをしたのでした。「ここでキャッチボールするのはなかなかいいアイデアだろ?」と夫は得意気でした。
18時14分頃右舷の淡路島に太陽が沈みました。何とも贅沢な時間が過ぎていきます。

それから、忘れないうちに明日以降のビールを調達することにしました。レジ脇に積み上げてあったのを、箱買いして夫が部屋に持ち帰りました。ベット足元にはは「飲む気マンマン」な酎ハイとビールのケースです。

19時15分からは航海の安全を祈り、5F「アスカプラザ」で鏡開きがありました。浅井船長の挨拶のあと機関長が乾杯の挨拶をしました。乾杯が機関長なのは本船(おそらく日本郵船)の伝統だそうです。飛鳥Uロゴの入った枡はおみやげにもらいました。
19時半からの食事は和食です。

食前酒
桜リキュールシャンパン

先附
桜羽二重蒸し

前菜
青実大根 姫人参 もろ胡瓜 金山寺味噌
お酒は日本酒や本格焼酎など色々種類がありましたが、ワインでいうところのハウスワイン、「飛鳥特選日本酒」(櫻正宗)を飲むことにします。もっともクルーに注文する時は「アスカサケ」と呼んでいたので正式名称はわからずじまいでした。

お造り
桜鯛 胡麻豆腐 生雲丹 桜草 金醤
鍋物
安航鍋 肝味噌仕立て 白菜 長葱 豆腐 榎茸 桜麩

鮟鱇と安航をかけた外航初日の夕食に相応しいネーミングです。これも日本郵船の伝統なのでしょうか。
焼物
鰆幽庵焼き 矢生姜 酢橘
酢の物
独活 分葱 菜の花 黄味噌掛け 丁子茄子

汁物
沢煮椀 清汁仕立て

御飯物
赤飯

香の物
果物
赤肉メロン

食事中、となりに座ったご夫妻は夫より5つ上の年代でしたが、話すうちに父が駐在していた頃に同じニューヨークにいたことがわかりました。共通の知り合いもいたことから、世間って狭いですねぇという話になりました。
21時ちょっと前に食事が終わり部屋に戻りました。戻ると明日の「アスカデイリー」やおみやげ便のパンフレット、それからこのクルーズ中にはベランダのメンテナンス作業が入ることがあるので承知しておいてほしいという案内が入っていました。
21時15分からは6F「ギャラクシー・ラウンジ」でスタッフ紹介がありました。一発で名前は覚えられませんが、エンターテインメントやバンド、マッサージ、ショップ、美容室、フォトショップ、ツアー部門と順番に趣向を凝らした構成でした。
終わると部屋でおとなしくするのは勿体無い気がして、11Fの22時からのミュージックタイムに行ってみることにしました。やはり「ナマナ」が寂しく演奏していたので、初心者ダンスの定番「ジルバ」「ブルース」「マンボ」を踊ってみました。なかなかいい感じです。それから陸で少しだけ習った「ルンバ」もやってみましたが、技は「ホッケースティック」だけなので限界がありました。
上(11Fパームコート)の音楽が40分でお開きになると、今度は下(6Fクラブ2100)に行ってみようと夫が言い出しました。昨日は誰もいなかったのですが、今は23時まで生バンドタイムです。果たして、うまそうな人たちが大きく踊っていましたが、私達は果敢にも陸で習ったワルツに挑戦し、生バンドデビューを果たしました。(多分)酔っ払っているからとは言え、夫がここで踊るのは大変な進歩です。
00時半頃GPS地図によると、本船は室戸岬をかなり前に交わして足摺岬を目指していました。