にっぽん丸 道東と平泉クルーズ乗船記(2005年8月29日〜9月3日)

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遅い夏休み旅行ということで、1年ちょっとぶりに再び客船クルーズをすることになりました。初回は2泊3日のショートクルーズでしたが、今回は5泊6日と乗り応えのあるものです。前回と同じステートルームAが妥当な線ですが、レイアウト図を見るとその上のグレード、デラックスルームがとても居心地良さそうです。私は今回のクルーズは長い分、部屋は広めの方がいいと思っていたのですが、値段はステートルームが20万円に対しデラックスルームは39万円とほぼ2倍になってしまいます。もったいない、意味がないと言う夫に最終的には「差額は自分が払う」攻撃をかけてデラックスルームに泊まることになりました。差額に見合うかは別として、部屋のミニバーが無料と言うのは魅力です。

デラックスルームステートルームA
フロア5F 20室4F 42室
広さ19u 角窓14u 角窓
バスバスタブ有りシャワーのみ
トイレウォシュレット普通のトイレ
その他部屋のミニバー無料飲み物は有料

1日目 横浜港 出港19:00
にっぽん丸626次航「道東と平泉クルーズ」、本航海はクルーズ開始基点が清水港です。清水を午前10時に出港したにっぽん丸は横浜に18時に入港、19時にただちに出港のスケジュールとなっています。横浜から乗船する私達は夕方に横浜に行けば良いので初日はゆったりとしたスケジュールです。8月終わり〜9月初め、ひょっとすると寒くなるかもしれない道東と東北を5泊するので、それなりの衣類を詰め込んだスーツケースはすでに宅配便でにっぽん丸に送ってあります。

我が家から横浜港の大桟橋までは1時間強。渋谷から東横線の特急で「みなとみらい」駅に向かうことに。本来は「みなとみらい」の2つ先の「日本大通り」駅の方が大桟橋に近いのですが、日本大通りは特急が止まらないし、時間もあり身も軽いので、みなとみらいの新しい町をゆっくり歩きながらにっぽん丸の入港風景を楽しもうという趣向です。月曜日だというのにみなとみらいの町は、最後の夏休みを楽しむ家族連れで賑わっています。旧運輸省航海訓練所の帆船「日本丸」の脇をすり抜けて大桟橋に向かいます。
夏の夕暮れ、ぶらぶらコンクリート造形の人工の町を散歩しながら大桟橋が見える場所まで来ると、もう商船三井(客船、MOPAS)のファンネルが見えるではありませんか。それも2つも!右側に見えるのが船尾に向かって斜め後方に流線型に延びるもう見慣れた「にっぽん丸」の煙突、夕方4時過ぎには清水からもう入港していたのでした。左側のファンネルは、MOPASから日本チャータークルズにチャーターアウトされている「ふじ丸」です。富士山を型どった様な特徴あるファンネルです。ということで、にっぽん丸の接岸風景は見られませんでしたが、白い船体にオレンジ色のファンネルのMOPASの2隻の客船が大桟橋に揃い踏みしているのを見る事が出来てラッキーでした。

「ふじ丸」 就航1989年総トン数/23,340トン全長/167m 全幅/24.0m
「にっぽん丸」 就航1990年総トン数/21,903トン全長/166.6m 全幅/24.0m

大桟橋の中華街側に係留してあるにっぽん丸の向こうには氷川丸が見えています。氷川丸はシアトル定期航路の貨客船で、戦後祖父が長らく通信局長として乗船しておりました。太平洋の貴婦人と呼ばれたこの船を見ながら出港するのも何かの縁でしょう。
18時過ぎに大桟橋の受付でデラックスルームの乗船券を見せると、係りの方が部屋まで案内してくれます。前回の「伊勢志摩クルーズ」で本船の中の事は大体わかっていたので余裕をもって案内の方に従い、舷門でクルーの方とフィリピン人クルーのバンド「4ドルフィンズ」の歓迎挨拶を受けました。
エレベーターに乗って2Fのロビーから5FのキャビンD18へ、初のデラックスルームにワクワクです。部屋は19uとステートルームより一回り広く、調度品も木目を基調に豪華です。すでに宅配で送った荷物も部屋に到着していて、ここで5泊6日の旅、後は船が寝ている間に目的地まで連れていってくれる、という事でクルーズ気分は大いに盛り上がります。
荷物を解いて4Fのプロムナードデッキに出てみると、すでにボンボヤージュサービスのスパークリングワインが配られています。受け取って桟橋の反対側にいるふじ丸を眺めたり、逆サイドに見える横浜マリンタワーや氷川丸を見ているうちに出港時間となりました。
本船は港に向かって接岸していたので、後進離岸となります。すっかり日の暮れた桟橋をゆっくりと離れて行きました。その際、本船が出港の汽笛を鳴らすと、姉妹船のふじ丸が「良い旅を」と言う様に汽笛を鳴らし、数回鳴らし合っていたのが印象的でした。

にっぽん丸の汽笛 122KB
ふじ丸の汽笛 117KB

出港しベイブリッジをくぐる頃、ほとんどの乗客はデッキから引き揚げてしまいましたが、私達にとってはここからが面白くなります。東京湾の玄関である浦賀水道航路に入ると周りに行き交う船が増えていきます。前の晩「東京湾海上交通センター(東京MARTIS)」HPの「大型船入航予定情報」を印刷して持って来ていたので、走っている船の中でも特に大きいものについて双眼鏡で眺めつつ、夜でなかなか船名が読み取れない場合はリストでアタリを付けたりしていました。しばらく川崎汽船の自動車船が同行していました。

東京湾海上交通センター(東京MARTIS)のホームページ

船内誌「PORT & STARBOARD」によると夕食のドレスコードはカジュアル、時間は19:15から21時までですが、19:45までにはお越し下さいと書いてあったのであまりゆっくり船を見ている訳にもいかず、一度部屋に戻って双眼鏡を置いてからメインダイニング「瑞穂」に行きました。メニューはフレンチでした。
  • からすみと蟹肉のサラダ仕立て
  • 南瓜のクリーム・スープ
  • 甘鯛のワイン蒸し
    ブールブランソース
  • 子羊の香草焼き グレイビー・ソース
  • 季節の野菜添え
  • パルミット(椰子の芽)のサラダ
  • にっぽん丸特製パン&バター
  • ゴールデン・パイナップル&無花果のパイ

船内新聞によると、21時過ぎから6Fのラウンジ「海」でナイトミュージックタイムがあり、夫が行きたがるので行くことにしました。4人の女性の「アロバトロス」というグループが、弦楽四重奏で様々な音楽を演奏していました。

戻ってシャワー、と言うかお風呂に入ります。ここがステートルームとの違いで、部屋にいながらバスタブに浸かれるのはやはり楽チンです。家から持参したバスフォームを入れ、エンジンのかすかな振動を感じながらすっかりリラックスすることが出来ました。そろそろ寝ようかなと思った24時ちょっと前、TVをGPS画像に切り替えると本船は外房興津(おきつ)港沖を全速で航行しているところでした。