グランドスパと露天風呂

パドルテニス愛好家には気の毒ですが、2020年春の改装でウィンブルドンコートが撤去され露天風呂が新設されました。動線はどうなるのか、入り心地はどうなのか興味津々だったので、乗船日のプロダクションショーをスキップして18時オープンの露天風呂に飛び込みました。今回は改装後初のクルーズであることに加え、コロナ感染症対策を余儀なくされてるため、今までとの変更点はどちら由来かわからない部分もあります。

まずはエレベーターを降りた所に番台があって、検温と手指のアルコール消毒をしたあとロッカーの鍵を受け取ります。ロッカーの番号と部屋番号、氏名が記録されました。浴場のアメニティー類は撤去されたため、ここで必要な物 (レディースセットやローション類)を貰います。

一方男性は従前アフターシェイブ、ヘアトニック、ヘアリキッドが使えたのが、小分けセットはなく夫ががっかりしていました。
ロッカーは片面6列×4段だったものが窓側に2列増設され、合計48個だったのが64個になりました。混雑緩和につながると思いますが、現時点では大浴場に同時に入れるのはMAX30名だそうなので、密を防ぐのにも丁度良い数でした。
もらった鍵でロッカーを開けると、手ぬぐいサイズとバスタオルの2枚がセットで入っていました。以前は大浴場の入り口の左の所に山積みでした。これは感染症対策の一環だと思われます。
大浴場の中のバスアメニティーは2019年7月に資生堂からTAYIV(タイブ)に変更となりました。感染症対策でサウナは使用出来ません。そして奥の扉の向こうの先が露天風呂です。この扉自体は見た目は変わりましたがメンテナンス用に以前からありました。
扉を開けて右が露天風呂への通路です。外の空気がそのまま入ってくるので寒いです。手すりはありますが、階段があるので足が悪いと大変そうです。
扉の左側にはシャワーブースが6つあり、まだ誰も使っていないかのような綺麗さでした。
最初の階段を上って左に折れると更に階段があり、それを上った右が露天風呂です。誰もいないので遠慮なく突き進みます。
いや~、いやいやいやいや、時刻は18時過ぎ、遠くの灯りは横須賀あたりでしょうか、絶景です!!そしてこのラグジュラリー感も素晴らしいです。入った瞬間思わず「ヒョ~、サイコ~」と声が出てしまいました(誰もいなくて良かったです)。

【画像はクリックで拡大】
誰かが来る前に一通り撮影せねばなりません。浴槽は独立して2つあって、両方入ってみたところ同じ温度でした。真ん中と端から熱めのお湯が出て来ているので後から試した内湯より温かかったです。
何よりも素晴らしいのは、目の前に手すりや擦りガラス等の遮る物がないことで、座ったまま絶景を見晴らすことが出来ます。
露天風呂の一番奥に観葉植物が置いてあるのですが、背後でこれが風で動くたびに誰かが来たのかとビクビクしてしまいました。

【2020年12月乗船後追記】
「風で動いているのが落ち着かない」と言われたかどうかはわかりませんが、1か月後に乗船した2020年12月には撤去されていました。
浴槽(写真左)の背後はちょっとしたスペースがあり、壁際は座れるようになっています。が11月では寒過ぎてここで休みことはなさそうです。陸と異なり走っている船なので、風向きによってはかなりの強風になります。またあまりに強風だとクローズするそうなので、クルーによると「入れる時に入っといた方がいい」そうです。
露天と言ってもしっかりとガラスの屋根があるので、雨が降っても大丈夫ですが、船としてはメンテナンスが大変そうです。
名残惜しいですが、貸し切り状態を堪能出来たので、そろそろ上がることにします。
洗面コーナーはアクリル板で仕切られていて、以前は置いてあった化粧水や乳液などは撤去されていましたが、ハンドソープだけは置いてありました。ドライヤーは置いてあります。
ロッカーの鍵をかけて、その鍵は先ほどの番台に返却します。私が使ったロッカーは、クルーが消毒してタオルをセットするまでは誰も使うことが出来ないシステムです。
帰りは回れ右をして、寄港記念盾のある廊下から外に出ると、立山黒部の「雪の回廊」のように白い壁が聳え立っていました。この通路はウィンブルドコートのネットがあった所です。
突き当りを右折して右舷に出ます。ここからは元からあった部分で、右の壁の中が女性用露天風呂になります。
ウィンブルドンコートの脇の右舷をすり抜けてから前方の階段で11Fに下りていくのが定番でした。景色は変わりましたが同じルートが帰ることが出来てホっとしました。

昼間の露天風呂

乗船2日目の終日航海日、ジョギングの後、ビンゴタイム直前の時間帯はまたも貸し切り状態になりました。夜も素晴らしかったのですが、この昼間、特に本クルーズならではの小さいながらもリアルな富士山が最高でした。
従前の四角い内風呂も健在です。両脇にはジャグージーがあり、いつでも入れますがやはり露天の方が魅力的です。
昼間は昨晩とは全然違う雰囲気です。外が明るい分誰もいなくても恥じらい感は倍増しました。
ジョギング中に神子元島を近くに見ましたが、本船は駿河湾に入るため伊豆半島をぐるっと回っています。リアル富士山が感動的でした。

夜明けの露天風呂

横浜帰港日も大浴場は6時からオープンしますが、眠いしパッキングの(文字通り)詰め作業もあるので、今まで来たことはありませんでした。前の夜も余裕がなくて来られなかったのですが、パッキングの目途が立ったことから最後に露天を一目見てみることにしました。
富士山が見えるかもと思っていたのですが、それは左舷の男湯のみ、かわりに女風呂は房総半島から昇る見事な朝日が迎えてくれました。この日の日出は私が行くのを待っていてくれていたかのようなタイミングです。
いや~、いやいやいやいや、もうサイコーです。東京湾に昇る日を航行中の本船の露天風呂から眺められる、この贅沢さです。
一年のうちこの時期にしか味わえない絶景を堪能することが出来ました。東京湾に戻る時に東を向いている右舷の女湯だけの特権です。

今回も一瞬の貸し切り状態を楽しむことが出来ました。
2020年の改装で飛鳥Ⅱが露天風呂を新設すると知り、ウィンブルドンコードを潰す程のことなのかとさほど期待はしていませんでした。

でも入ってわかる、この露天風呂は最高の設備です。世界一周クルーズ中の終日航海日に入るのが楽しみになりました。

露天風呂のオープン時間

大浴場(グランド・スパ)の営業時間に準じますが、入出港の前後1時間(原則)は閉鎖となります。今回のクルーズでは横浜17時出港後18時からオープン、最終日は横浜9時入港の1時間半前の7時半まで入浴可能でした。

日出を見ながらの入浴はこのシーズンならではで、東京の日出時刻(表は2020年-2021年のもので、実際は房総の山の向こうから昇るのでもう少し遅め)を調べたら11月から3月上旬まで楽しむことが出来そうです。
日付日出時刻
11月1日6:03
11月15日6:16
11月30日6:31
12月1日6:21
12月15日6:43
12月31日6:50
1月1日6:50
1月15日6:50
1月31日6:42
2月1日6:41
2月14日6:29
2月28日6:12
3月1日6:11
3月7日6:03