タイムラプスカメラ

「タイムラプス(timelapse)動画」とは、インターバル(一定の間隔で)撮影した静止画を繋ぎ合わせて再生したコマ送り動画のことです。昔からあった手法ですが、スマホ(のアプリ)の普及によってより身近なものとなりました。これを2020年世界一周クルーズでやってみようと思い立ちました。
ゆっくりとした船の動きを記録するのにちょうど良いと思ったのですが、スマホを長時間放置する訳にもいかないし、5年以上使用して電池が疲れているので長時間はとてもムリです。

撮影間隔やフレームレート(1秒間を何コマにするか)のことを考えずに済むらしいので、短い動画であればスマホでの撮影が一番ラクそうです。
スマホ以外の方法はと言うと、デジタル一眼レフ(高級機)にはインターバル撮影の機能があるようですが、高価なものを雨ざらしにすることは出来ません。

一眼レフだけあって高画質のものを撮影出来ますが、やはり長時間撮影には向きません。
またアクションカメラと呼ばれる物(GoPro Hero8等)にも機能はあり、これなら突然の降雨等に耐えられますが、本来の使い方とは異なるためやはり電池持ちが悪く(2020年1月調べ)、タイムラプス撮影には向かないことがわかりました。

ということでタイムラプスはやはり専用機が良いとの結論に達し、良さそうなメーカーをみつけました。「Brinno」という台湾の会社です。日本でも売られており、主に建設現場などで使われているようです。

機種が多く、どれを選んだら良いのか難儀しましたが、長時間撮影するためには①充電式ではなく、すぐに交換出来る乾電池式のもので②防水機能(又はケース)があり(Brinnoはほとんどの機種がこの①②を満たしています)、③そこそこの画質(HD:1920x1080)という基準で考えると対象となるのは1種のみ、「TLC2000」と防水ケース「ATH1000」の組み合わせしかありませんでした。
しかし、大手量販店での価格を見ると、本体が53,680円のケースが10,780円、合計64,480円にもなっています。しかも土台(マウント用クランプ等)は別途買わなければなりません。

本当に思った通りに動くかどうかわからない高額な機器をいきなり買うほど度胸はありません。 他にも方法はないかと調べたら、トレイルカメラ(防犯カメラ)というジャンルの中にもインターバルで静止画を撮影出来るものがあることがわかりました。サンワサプライの「400-CAM066」という機種が乾電池式でコンパクトかつ防水防塵レベルが高くて良さそうです。

悩んだ末にまずはこちらの購入に踏み切りました。
静止画を繋げて動画にする手間はかかりますが、この方が却って思い通りに編集出来る利点はあります。そして出来上がったのが一番上にサンプルとして掲げた動画で、予想通りの出来栄えでした。でもこのカメラは液晶がレンズと同じ面にあるため、思い通りの向きで撮影出来ているのか背面からは確認出来ません。バルコニーの手すりに設置することを考えると、(購入前からうすうす気付いてはいたのですが)どう考えても無理があります。…ということが確認出来て良かった、と前向きに考え、本機の船上での使用は諦めました。

それではと6万5千円の購入にはまだ踏ん切ることが出来ません。BrinnoにはほかにもTLC200、TLC200Pro、BCC100、MAC200DN等の機種があります。バイコムという代理店に比較表があったので熟慮に熟慮を重ねました。MAC200DNはトレイルカメラと同様液晶が背面にないため却下、残りの3つは単三乾電池4個駆動と似たような感じに思えます。

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この3つの中で唯一HDR(明暗差の大きい風景を人の目で見たような感じに仕上げる)機能がTLC200Proで、Amazonで売っていた「BCC200(TLC200Pro+ケース+アルミ合金クランプのセット)」が値段的にも36,780円でまぁいいかもと思い始めました。

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でも待てよ、とAmazonの本家アメリカのサイトを見ると本命のTLC2000とATH1000のセットをUSD404.67で売っているではありませんか。通関のための保証金として31.98ドル取られますが、それでも435.65ドルは48,000円(1ドル110円)ぐらいです。これだ、とクリックしてしまいました。心理的に5万円の壁があったのだろうと思います。

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2月13日に注文した商品はちょうど10日後の2月23日に到着しました。この期間荷物がどういうステータスなのか逐次確認出来たので、海外に注文したことに対する不安は全くありませんでした。

そしてこの翌日に、コロナ禍を受けて2020年世界一周クルーズが中止になってしまいました( ノω-、、)。ショックのあまり、本品の開封は11月のアニバーサリークルーズの直前まで持ち越されたのでした。
少し気を取り直して翌3月にカメラを取り付けるための機器を購入しました。検討の俎上に上がっていたBCC200のアルミ合金クランプと同じ製品に見えたので、TAKEWAY社のクランプポット(右、8,547円)と、これも使えるかも、とレンジャークランプ(左、4,270円)です。2つ買えばどちらかはフィットするだろうと思います。

そして11月、ようやく出番のやって来たTLC2000です。心配していたクランプポッドは無事バルコニーの手すりに装着出来ました。理論上は電池2個でこの3泊4日のクルーズ分は持つ筈です(2分間隔の撮影で半分ぐらい消費)。
初日の夜から朝にかけて雨でしたが、防水カバーのおかげで全く問題ありませんでした。
寄港地清水で撮影した、私たちのキャビンのバルコニーとTLC2000の雄姿です。

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クルーズの終わりにはかなり潮をかぶって白い結晶が浮いていました。レンズ部分は水滴や塩を毎朝拭きました。

帰宅してドキドキとSDカードを取り出し、初めて見た動画は目まぐるし過ぎて気持ち悪くなりました。まずは出港から帰港まで撮影出来ていて良かったのですが、つい欲が出てしまいます。2分毎の30fps(1秒間のコマ数)で動画(AVI)を作る設定にしていたのですが早過ぎたようです。これを「AviUtl」という無料ツールを使えば15fpsに薄められることがわかり、見られるレベルになりました。

色々と(好きで)苦労して出来たのがこれです。
1週間ぐらいなら出来そうですが、これを世界一周クルーズでやるのは電池交換を含めて大変そうです。
でも、悔しいことにTLC2000を手に入れた直後に、電池を倍の4つで稼働するTLC2020という機種が発売にりました。これなら電池交換の回数が半分になるため負担は減ることになります。

日本では単品が60,280円、米国だとケースとセットでUSD366.99に諸費用USD45.28 = USD412.27は円安気味で115円としても47,411円です。前よりも良いものが前よりも安いとは、複雑な心境ですがそのうち写真の追加電池部分のケースがオプションとして販売されないかと期待しつつ、本体ごとの購入も検討したいと思います。