22日目 12月30日(水) モーレア島 投錨6:30 抜錨15:00 / パペーテ 入港 17:30 日出5:26 日没18:35
寄港地情報入国審査言語英語通貨港の位置ツアー発時シャトルバス
-フランス語少しセントラルパシフィックフランパペトアイ桟橋8:20 ~サービスなし
航海情報天候気温正午位置風向風速ジョギングデッキマシン陸上合計デッキ累計距離累計
晴れ29.5℃17-30S 149-51W北3m/s---0km321周164km
船内情報講演等イベント他船の揺れプール
--ほとんどないノーマル
ダイニングランチ(6F)ランチ(11F) リド夕食ドレスコードディナーギャラクシーラウンジ(19:00)
氷見うどん洋食ステーキセットカジュアル和食パペーテ ローカルショー
久しぶりの上陸で緊張したのか、昨晩から胃がムカムカして気持ち悪さの残る朝でした。夫は例によって6時過ぎにサクっと起きて、ワッチに出掛けて行きました。
一方私のほうは夢見まで悪く、ほとんど寝ていない感覚です。今日は割とハードなオプショナルツアーを予約しているので、少々不安を感じます。バルコニーに出ると、とんがり山々の島が見えていました。

のろのろと支度をし、夫にジョインしました。フネは停泊するオプノフ湾(Opunohu Bay)に進入し、映画「南太平洋」で有名なバリハイ山(Mou'a Roa)の胴体が正面やや右に見えていました。

6時半過ぎに何となく投錨が終わったようで、40分過ぎに入国管理当局の係員が乗船して来ました。ここまでの寄港地ではまだ一度も対面の入国審査はなく、船側で一括して対応してくれています。
横浜を出港して20日あまり、飛鳥Uは仏領ポリネシアのモーレア島まで到達しました。

食欲がイマイチだったので、7時過ぎ夫にパームコートに付き合ってもらいました。マフィン1個という元気のなさでした。窓から見える景色が青々として新鮮です。

本日のツアーは「ボート遊覧と無人島体験€160-」で、8時半頃テンダーに乗り込みました。最低催行人数は15名、募集は40名でしたが結局30名位が参加のようでした。
カタマランでラグーンをクルーズしながら、モツ(無人の小島)に行き、そこでバーベキューを食べたり、エイの餌付けをしたりするという内容です。無人島ではウェットランディング(海中から乗り降り)となるので、予め水着を着用しています。
テンダーボートは10分ぐらいで桟橋に到着し、そこで一行はカタマラン(双胴船)に乗り換えました。
どういう風なルートでどこに行くのか全然わかりませんでしたが、まずは飛鳥Uのいるオプノフ湾の入口に行くようです。近づく飛鳥Uにテンションが上がります。

オプノフ湾の入口を横切ると、飛鳥Uの角度が変わり後ろにバリハイ山を背負いました。ボートは速度を落とし、背景に飛鳥を入れての写真撮影タイムとなりました。

海象が良いとのことで、ボートは次にクック湾に向かいました。横向きの飛鳥が遠ざかります。順光でとてもキレイな姿です。
数分走るとボートの下は珊瑚礁になりました。ヒルトンの水上カテージも遠くに見えています。ボラボラ島のがメジャーでしたが、ここもそこそこ名を馳せているようです。その昔新婚旅行でタヒチの水上カテージに泊りたいと打診しましたが「アホらしい」とにべもなく却下されました。
ボートは再び行き足を止め、ガイドの青年が舳先に立ちました。飛び込んで貝を採って来るようです。このツアーには現地の日本人ガイドが乗っているので、日本語の説明があってラクでした。
ドボーン、と飛び込んで貝を採ってくる間ボーッと景色を眺めていると、山に針の穴のようなものがあることに気付きました。
後日調べてたらこれはモウアプタ(Mou'a Puta:穴の山)と呼ばれ、この穴に関する面白い神話も残っています。穴の直径は3mだそうです。

【画像はクリックで拡大】
と、青年が手に大きな貝を持って上がって来ました。スパイダーコンクだそうです。
男性の手の平より2回りぐらい大きな貝で、ずっしりと重く、後日調べたところ日本ではラクダガイというみたいです。
ボートはいつの間にかクック湾(Cook Bay)の入口にいたようで、さきほどの穴の山が正面に見えました。
右手にはジュース工場(Jus de Fruits de Moorea)が見えました。当初申し込んだ飛鳥Uからのモーレア島内観光ツアーにはここの見学が入っていて、説明にはジュースの試飲が出来ると書いてありました。
次はエイの餌付け体験です。ボートは元来た方向に反転して速度を上げました。

再び飛鳥Uが近づいてきました。ボートが揺れているので難しいですが、どこかに飾れるぐらいの写真を撮ろうと頑張りました。

そして望遠で奇跡の一枚が撮影出来ました。珊瑚礁越しの白い客船は文字通り絵になります。このツアーに参加しなければ撮影出来ない美しい飛鳥Uの姿でした。

【画像はクリックで拡大】
クック湾から走ること30分弱で、餌付けポイントに到着しました。絵みたいな空と海の色です。

エイの餌付け体験ということでしたが、サメも寄ってきていました。

シュノーケルセットを貸してくれるので、それを持ってボートの前の部分から下ろされた階段を使って下船しました。係の人がエサとなる魚を持っているので、ぬるぬると寄って来るエイを潜りながら見たり、触ったりする趣向でした。実際はエイもサメもぬるぬるしておらず、硬いガサガサした表面でした。
エイポイントには20分ぐらい滞在し、再びボートに戻ると次はいよいよ無人島(モツ)上陸です。
ボートが浅瀬に着くと、はぐれエイがエサを期待してか近寄って来ました。先ほどと同じくボートの前の部分にある階段から上陸しました。
飛鳥Uを8時半に下船しましたが既に11時、喉が渇く頃合ということで(飲める人には)ビールが振舞われました。残念ながらぬるいビールでしたが、地元のヒナノビールが飲めて良かったです。

一服したあとはパレオの着付け体験や椰子の実の解体ショーがありました。大きな椰子の実が地面に突き刺した尖った棒によって、手際よく解体されました。ちなみに解体も着付けもボートを操船していたキャプテンがやってくれました。

次は郷土料理である白マグロ(びん長)を使った料理(ポワソン・クリュ)作りとなかなか盛り沢山です。サイコロサイズのマグロに刻んだ野菜、絞ったライム、ココナツを順番に混ぜ、塩胡椒で味付けをしたあとココナツミルクを入れて完成しました。
予め用意してあった料理と共に、各自お皿に取り分けてランチタイムとなりました。
ポワソン・クリュは見た目より美味しく、またデザート用に取って来たパイナップルは名産だけあって甘かったです。
鶏の一家が先ほど解体したココナッツの実を食べにやって来ていました。立派な姿の雄鶏では威厳がありました。
時刻は正午を回り、食べ終わった後は1時間程の遊泳タイムになりました。潜りつつ、手にフランスパンがあると魚が寄って来て面白いことがわかったので、キャプテンに余りを横流ししてもらいました。いつの間にか他のグループも到着して賑やかになりました。
魚へのフランスパンやりが面白かったこともあり、結局一番最後まで海にいて、一番最後にボートに戻りました。
帰りのボートはインターコンチネンタルの水上カテージ群に近寄り、飼育されているイルカも見ることが出来ました(写真のほぼ中央の黒い点がイルカ)。
20分ぐらいでパプオテ桟橋とクック湾の飛鳥Uが視界に入って来ました。

40分ぐらいに桟橋に到着、みやげ物店で無事寄港地マグネットもゲットし、本船のカメラマンに写真を撮影してもらったあとテンダーに乗り込みました。飛鳥Uには14時に戻って、6時間弱のツアーが終了しました。


部屋のシャワーでさっぱりした後は、モーレア島の山々を見ながら至福のビアタイムです。
今日は珍しく二人でキリンの一番搾り、日本のビールを飲みながらバルコニーでバリハイ山を眺めるとは何と贅沢なことでしょう。
本船は予定時刻通り抜錨したようで、15時過ぎにバウスラスターが作動し本船は回り始めました。
ツアーで留守の間に、船内はお正月ムード一色になっていました。フレンチポリネシアでお正月一色というのはとても贅沢です。
次港パペーテまでは僅か22マイルですが、入港予定は3時間後なので、ライブラリーで過去の世界一周の航路などをチェックすることにしました。初代飛鳥の時代の2004年が今回と似た航路で、唯一南極海域を航行しています。
と、顔を上げると窓の外にパペーテのコンテナ埠頭を回るところが見えたので、慌てて入港ワッチに出ました。
目の前が桟橋のようです。見えているの白い客船は高級船ポール・ゴーギャンだろうと思います。このフネに乗ってみたいと言ったことがありますが「高い」と却下されていました。隣の桟橋に右舷付けするようです。
左手に変わった形のフネが見えました。後ろ半分は客船チックですが、前半分はクレーンのついた貨物船です。船名は「ARANUI 5」と書いてありました。
その手前には「ARANUI 3」というフネが見えました。こちらは定期航路の貨客船といった雰囲気でした。
船舶ワッチをしている間に本船は回頭して後進していました。私たちの部屋は残念ながらポール・ゴーギャンとは反対側になってしまいました。
予定より早く17時半ぐらいに本船は着岸しました。このクルーズ初のオーバーナイトということで、ゆったりとした気分です。それにしても憧れのポール・ゴーギャンを(ちょっと)見下ろすとは、贅沢な船旅です。
乗船3日目のフォーマルナイトで声を掛けられ、その後何度か顔を合わすうちに親しくなったご夫妻と今晩は一緒に食べることにしています。ので、とりあえずこのままゴハンかなと思っていたら「フネを見に降りよう」と夫が言うので面倒に思いつつも18時半頃下船しました。

暮れゆくパペーテの街と照明で徐々に輝いていく飛鳥Uがとてもキレイです。

飛鳥Uがパペーテに来たのは初めてではないですが、ポール・ゴーギャンの2ショットはかなり珍しいと思います。
ローカルショーを見たかったので、19時頃フネに戻りました。雰囲気のある客船の様子が見られたので、降りて良かったです。

ローカルショーは見ごたえあり、ハワイアンに比べて腰振りが激しいと思いました。

約束したご夫妻とはメインダイニングの前で待ち合わせ、19時50分頃席に着きました。
先附 鱈白子ポン酢

造り 帆立 北寄貝 盛り合わせ
焼き物 鰆柚庵焼き
煮物 牛肉の時雨煮(肉じゃが?)
食事 白御飯、香の物
さつま芋と青菜の味噌汁

又は

冷やし梅蕎麦、香の物
甘味物 桃アイス

ご夫妻は夫と同世代ということもあり話が弾んで面白かったのですが、ゴハンは足りませんでした。かと言っておかわりしたい品がなく、こういう日はとても困ります。
21半頃お開きにして、ランドリーをチェックすると、終わって洗濯物を収穫していないマシンがあったので、電話して空けてもらいました。
40分後にその洗濯物を乾燥機に詰め替え、再び下船することにしました。今度は夜の客船撮影ということで、ポータブル三脚も持って行きます。本船と同じ桟橋の向こう側にはヘンテコな形のクルーザーが停泊していました。
22時40分頃下船しました。ついポール・ゴーギャンに目がいってしまいますが、船としては飛鳥Uの方が美しいと思います。
まず飛鳥Uの左舷の方に行き、年賀状用候補写真を何枚か撮影しました。夜の客船はとてもキレイです。
ファンネルの二引きのマークも美しく、異国の地でJALの鶴丸を見た時のような頼もしさでした。ファンネルのすぐ下はジム、その前は大浴場、1つ下の階はリドカフェです。
次に本船の美しいスターン(船尾)を眺めつつ、右舷に回り込みました。
イヤー、キレイです。日本では大晦日ですが、当地は1日遅れ、南国の生暖かい夜の風が心地よいです。夫がこの瞬間は二度と来ないと言うので「そうだな」と思い、つい長居してしまいました。
フネ達の後方に屋台レストランがあったので、どんな様子か冷やかしに行きました。すると本船のフィリピン人クルー達が楽しく盛り上がっていました。お互いに「オー」「ハブ・ファン(have fun)」みたいに声を掛け合いました。

では我が家のあたり(反対舷ですが)を見上げながらフネに戻ることにします。23時半になっていました。

モーレア島のアクティブツアーに始まった長い一日が終わろうとしています。スケジュールは部屋係のジェーンさんを意識して、たまたまですが(カッコつけて)英語で書いてました。
と、夫が今度はポール・ゴーギャンの出港を見送ろうと言っています。出港予定は24時、飛鳥Uの船上から見る機会はそうはないと思い、従うことにしました。
時間になったので7階に下りて行きましたが、船が出る気配がありません。じりじりと待ちました。
パペーテ着の飛行機が遅れたのか、20分過ぎにようやく岸を離れ始めました。
入船だったポール・ゴーギャンが後進し、右回頭を始めました。夜に動く客船も綺麗です。
実に軽やかに回って行きました。回り終わって前進し始めたので、今度は二人で走ってオモテに移動しました。
先ほどから賑やかな音楽が聞こえてきて、華やかな出港でした。
一方の飛鳥Uはデッキにいるのは私達二人だけと静まりかえっていて対照的でした。
結局ポール・ゴーギャンが少し右に舵を切った0時半過ぎまで見送りました。
帰りに乾燥したであろう洗濯物を回収に行ったら、すでに乾燥機から取り出されていました。やはり今日のランドリーは終日混んでいたようでした。
テレビでは紅白歌合戦が始まったばかり(当地はハワイと同じく日本との時差は19時間で、0時半は日本の19時半)でした。
視るとはなしに日本の年の瀬を感じつつ、気付いたら1時半になっていました。
明日(もう今日ですが)はパペーテ観光をするので、効率的に体力を回復しなくてはなりません。