2日目 6月2日(月曜日) 天岩戸神社・高千穂峡・心尽くしの料理神仙&竹田温泉の旅 
ツアーの集合は7時半にターミナルですが、目が覚めてしまい6時頃起床しました。早過ぎてそれ程食欲がなかったので、部屋のコーヒーとビスケットを食べることにしました。

一応620円のバイキングはどんな感じかチェックに行っておきました。雰囲気と品揃えは同じ瀬戸内航行の、おれんじ8と似ていました。

ツアーは下船して7時半にターミナル集合だったので、キャリーバッグ2つを預けて5分前にフネを降りました。
そのまま観光バス(日豊観光の日野セレガ)に案内されました。このツアーの最少催行人数は20名と書いてありましたが、参加者を数えてみると私達を含めて13名でした。
ベテランのバスガイドさんの案内で、バスはまず東洋のナイアガラとも呼ばれる「原尻の滝」に向かいました。大分を出るとあとはずっとのどかな田舎道です。
5月が終わったばかりだというのに、この収穫直前の作物は麦だそうです。この辺りではまず麦を収穫し、それから米を作る二毛作だそうです。世の中には知らないことがまだまだ沢山あります。
原尻の滝は田んぼの中に突然あるのが特徴です。港から1時間強のドライブで到着しました。まずは滝見橋を渡ってみることにします。

この橋は何人かで渡ると他の人の振動まで伝わって来るのでちょっとコワいです。
そして右を見ると確かに(実物を見たことはありませんが)ナイアガラの滝のように馬蹄形をしているのがわかります。幅は120m、高さは20mだそうですが、田植えシーズンで水量はいまいちとのことでした。まぁでも確かに平地に突然滝がありました。
橋を渡り切り、今度は滝の後方へ回ってみます。
すると道中こんな看板が。曰く(ここ)緒方町で栽培されている麦はビール大麦で、キリンビール(株)との契約栽培です。生産された大麦はビール・発泡酒の原料になります。キリンビールを愛飲しましょう!…言われるまでもなく夫婦で愛飲しています。

滝の落ち口のすぐ上流を渡れるようになっていました。滝の周り360度を気軽に見て回れるのは珍しいと思います。

この滝を作っている岩石は、9万年前の阿蘇山の噴火による火砕流が固まって出来たものだそうです。滝のそばには道の駅があり、集合時間までの20分の間におみやげ類を買う余裕もありました。
なお、滝の近くにはパっと見お蕎麦やさんのようなカフェがありました。
バスは次に天岩戸神社を目指しました。大分県から宮崎県に入り、高千穂峡が近付くと当地ゆかりの神々である天手力男命(アメノタヂカラノミコト)天売受女命(アメノウズメノミコト)の像がありました。前もってバスガイドさんが教えてくれます。
11時頃到着しました。天岩戸神社には西本宮と東本宮があり、天照大御神(アマテラスノオオミカミ)が隠れた天岩戸と呼ばれる洞窟を御神体としているのが西本宮です。一行は神職の案内でこの西本宮を参拝します。
天岩戸は撮影禁止なのですが、拝殿の奥に回り込むまでは問題ありません。拝殿脇にあるご神木は招霊(おがたま)木と言うそうです。なお天売受女命は岩屋の外で天照大御神の興味を引くために舞った神、天手力男命は少し開いた岩戸を力任せにこじ開けた神です。
拝殿の奥に遥拝殿があり、そこから岩戸川越しに「あの木々の奥が天岩戸」という場所を見ました。木々が生い茂っていたので、洞窟のようには見えませんでしたが、それでもここは日本有数のパワースポットと言えるでしょう。

ここからは徒歩でもう1つのパワースポット、天照大御神が天岩戸に隠れてしまった際、八百万の神々が集まって相談したとされる天安河原(あまのやすかわら) に向かいます。神社の裏手から川に向かって下って行きました。

岩戸川の清流とまわりの風景を楽しみながら歩くこと10分弱で到着しました。いかにも神々が集いそうな雰囲気です。
ここでは家内安全などの身近な小さいことより、日本国についてお祈りしました。
帰りも気持ちの良い緑の中を引き返しました。何となく蓼科大滝近辺の原生林と雰囲気が似ていると思いました。
天岩戸神社と天安河原の見学時間は合わせて50分程でした。お札と受験生の姪のために学業成就のお守りを購入しました。
そこからバスで15分程かかって、高千穂峡に到着しました。神橋(しんばし)を渡った所でバスを降り、五ヶ瀬川沿いの遊歩道を下って行きます。
槍飛橋の辺りが高千穂峡で一番川幅の狭い所だそうです。その名の通り、城を攻められて脱出した家来達が槍を川底に挿して飛び越えた故事があるそうです。
一番奥に見えるコンクリートの橋は神都高千穂大橋で2003(平成15)年架橋、バスの通っている橋が高千穂大橋で1955(昭和30)年、手前が先ほど通った大正時代築の神橋です。1つの渓谷に橋が3つも架かっているのは珍しいそうで、ガイドさんがいなかったら見落としていたかもしれません。
川の反対側を進むと段々と期待しているような風景になって来ました。
向こう側にマタタビの木があり、白い花を付けているのをガイドさんが教えてくれました。ネコにマタタビのあのマタタビは可愛らしい花なのでした。
この辺から見えるのが仙人の屏風岩と呼ばれる高さ70mの柱状節理です。毎度○○と似ている、と言ってもしょうがないのですが、北海道の層雲峡と同じ感じです。

奥の方に手漕ぎボートが見えています。夫は雰囲気が台無しだと言いますが、これはこれで日本的だと思います。

手前の河原にあるのは鬼八の力石(きはちのちからいし)で、鬼八という力自慢が、地元高千穂神社の祭神でもある御毛沼命(みけぬのみこと、日本書紀では三毛入命、みけいりのみこと)に対して放り投げた石だということです。
有名な真名井の滝は規模こそ大きくありませんが、日本の滝百選に選ばれています。滝と一緒に写真を写せるスポットは大混雑でした。
美しい柱状節理に別れを告げ、真名井の滝の水源の池の方に移動します。ここまで歩き始めてから30分弱でした。
水源のおのころ池には、おのころ島があります。イザナキノミコトとイザナミノミコトが天の沼矛(あめのぬぼこ)という剣で最初に作ったとされる島の名前です。

命名の由来はわかりませんが、その由緒正しき名を持つ池に、何故かチョウザメが沢山泳いでいました。

見学時間は40分と比較的ゆっくりだったので、たっぷりと楽しむことが出来ました。これから昼食会場である神仙という旅館のマイクロバスで現地に向かいます。
ということで、数分で老舗旅館に到着し遅い昼食となりました。さんふらわあトラベルでは通常の夜行便でも、曜日によって天岩戸神社と高千穂峡のツアーを催行していますが、今回のゴージャスな昼食会場と会席料理は昼便だけが特別に利用するようでした。この頃ぽつぽつと雨が降り始めました。

ツアーに付いている食事ということで、正直なところあまり期待はしていなかったのですが、繊細な料理に驚きました。山女の塩焼きが爽やかで美味しく丸ごと食べてしまいました。これは地元のかっぽ酒と一緒に食べたかった所ですが、前日一日中飲んでいたので我慢したのでした。

食事を終わり、まだ時間があったので駐車場の下の方にあるみやげ物店を覗きました。すると宮崎牛伝説の種雄牛「安平号」が。送り出した子牛は22万頭にもなるそうですが、2010年口蹄疫が大流行した折に残念ながら処分されてしまいました。
14時10分、神仙をあとにする頃には本格的に雨が降っていました。雨の中高千穂峡を歩くのは大変だったので、ギリギリもってラッキーでした。
最後のスポット、竹田温泉の日帰り温泉「花水月」には1時間半近くのドライブを経て15時半過ぎに到着しました。
1時間の自由時間があり、温泉を堪能しましたが、頭を洗って再化粧する気合はありません。時間が余ってしまったので、雨の中風情あるJR豊後竹田を見に行きました。
折りよく当駅止まりの赤い気動車がやって来ました。九州にやって来るとJR九州の車両の鮮やかな色彩に感銘を受けます。
集合時間が近くなったので、先ほどの花水月に戻り、観光センターの方を見ると軍神広瀬中佐が竹田市PRキャラの「たけおくん」として愛想を振りまいていました。
そこから1時間ちょっとで「さんふらわあ ごーるど」の待つ大分港に戻りました。