1日目 6月1日(日曜日) 神戸 出港10時40分 大分 入港22時(日没19:14) | ||
<-- 乗船するまで | ||
フェリーターミナルまでのシャトルバスは、ホテルから六甲ライナーで1駅のアイランド北口から出ています。このバスは阪神御影駅、JR住吉駅からだと230円ですがアイランド北口からなら無料です。9時35分のバスで行くことにし、バス乗り場に向かいました。 | ||
バスは5分程でターミナルに到着し、乗船手続きを行います。と言っても私達はツアーなのでこの発券窓口ではなく、この右手に設けられたツアー専用テーブルで手続きを済ませました。またそのすぐそばのテーブルで船内イベントの整理券を配っていたので、ブリッジ見学4回目(13時〜)、宝塚レビューショー2回目(14時〜)、夕食時間予約券(18:50)をゲットしました。 | ||
10時の乗船開始までは15分以上あるため、夫に荷物を預けて写真撮影のためターミナルの外に出かけました。まずは隣にいた阪急フェリーの「フェリーすおう」で、神戸と新門司を12時間半で結んでいます。 | ||
それから本船「さんふらわあ ごーるど」です。シンボルマークの太陽部分に防舷材がジャストミートしているのが残念です。 | ||
先ほどはシャトルバスから降りた瞬間にターミナル建物に入ってしまったため、少し引いて撮影しました。 | ||
10時過ぎに乗船案内がありました。最初に優先乗船があり、その後は適当にという感じだったので、少し人がいなくなるまで待つことにしました。今回のクルーズは日曜から月曜にかかるため、平均年齢は客船並に高めです。 | ||
ということで結局10時20分頃乗船すると、ウェルカムドリンクのサービスがありました。ソフトドリンクには目もくれず、スパークリングワインをもらいました。 | ||
そして奥に目を移すとクラシック音楽の生演奏が流れています。客船顔負けの演出でイイ感じです。 | ||
そして先ほどのツアー受付時に案内されたキャビン「7007」に向かいます。事前に数まではチェックしていなかったのですが、デラックスは左右に4つずつしかない、希少性の高い部屋でした。 | ||
いつもの左舷をリクエストはしてあったのですが、確約は出来ないと言われていたので部屋の前に来るまでどちらの舷かわかりませんでした。「なんだ右舷だな」と言う夫に「今トモに向かってるから右にあるのは左舷でしょ」ということでラッキーなことに左舷部屋でした。 | ||
部屋は入ると手前に大きなソファーベットが、奥には心地良さそうな空間が広がっていました。 | ||
そしてデラックス自慢のバルコニーはウッドデッキが敷いてあり広々としていました。でもフネの中心部に位置しているため、海からはかなりセットバックした位置にあり、目の前は立ち入り禁止の勿体ない空間が広がっていました。 | ||
バスユニットも船が比較的新しい分綺麗です。アメニティーキット一式と、さんふらわあのロゴが入った手ぬぐいタオルが置いてありました。 | ||
などとチェックしているうちに、出港時刻がじわりと迫っていました。慌ててGPSデータロガーを窓際にセットし、テープセレモニーのある5Fデッキに下りて行きました。エントランスから右舷のデッキに出るやいなや紙テープを2巻きもらってやる気マンマンです。 | ||
横浜大桟橋からの出港で鍛えたテープ投げですが、見送る方の岸壁との角度が急過ぎて、ただポトッと投げ落とす感じになりました。 | ||
オレンジ色が鮮やかなファンネルから黒煙が吐き出され、フネが岸壁をスルスルと離れていきます。本船は(オモテの)バウスラスター1基の他、トモにスターンスラスターを3基備えているので、軽やかです。 | ||
ブラスバンドの演奏に見送られ、六甲ターミナルの岸壁をあとにします。昼間の出港はやはりいいものです。 さんふらわあ ごーるど神戸港出港の汽笛 | ||
本船よりも前の位置にいた「フェリーすおう」を追い抜かして行きます。「フェリーすおう」は本船より一回り大きい189mで、客船「ぱしふぃっくびいなす」と同じぐらいです。瀬戸内航路をに就航するフネは200m未満でないと夜間に航行出来ません。 | ||
本船は六甲アイランドを抜けるとあっと言う間に増速し、力強い航跡を描き始めました。 | ||
出港直後のこの雰囲気を味わうため、しばし6Fトモの展望デッキをウロウロしました。この昼間のクルーズだけ特別に双眼鏡が置いてあります。 | ||
6Fトモの左舷の階段で5Fに下りられるようになっていて、ここからだと引き波を比較的近くに感じることができました。 | ||
6Fトモからは7Fにも直接上がれるようになっており、視点は高くなりますがウェーキを見るには広い展望デッキが少々邪魔になってしまいました。 | ||
一旦部屋に戻り、このクルーズに付いているお弁当をレストランに取りに行ったりしているうちに、段々明石海峡大橋が近付いて来ました。とりあえず7Fトモの部分に行くと手前のこの時点では右舷から橋が良く見えているので混雑しています。 | ||
今は右に見えていても、橋をくぐる時は同じに見える筈ということで、空いている左舷に回りました。左舷ならすぐそこに見えている自室のバルコニーでもいい気もしますが、やはり乗り物には前面展望が必須です。でも今日は晴れてはいるものの、忌々しい黄砂の影響で視程がいまひとつでした。 | ||
橋はあっと言う間に近付いて、11時40分頃通過しました。クリアランスは65mもあり、世界最大級の客船、クイーン・メリー2も通航出来る高さです。以前明るい時間に2回通過しているので、流石にテンションはそれ程には上がりませんでした。 | ||
橋はくぐり終わってからもシャッターチャンスがあります。3分程待って本船が左に舵を切ったあとに全体を撮影しました。中央支間長1,991mは吊橋として世界一の長さです。 | ||
その直後に日本標準時の子午線、明石天文台を通過します。明石海峡大橋と明石の天文台はセットで見逃すことは出来ません。 | ||
もうちょっと離れて撮影したいところですが今日のぼんやりとした視程ではあまりハッキリ写すことが出来ません。雨よりはずっと恵まれていますが、それにしても忌々しい黄砂です。 | ||
この後の予定として、13時からはブリッジ見学が控えているのでそろそろランチタイムにします。夫から「ビールを手に入れよ」と指令が飛び、いそいそと5Fの売店に買いに行きました。 | ||
そして「なだ万」のお弁当と共にバルコニーで至福のひとときです。が、バルコニーのトモ側に位置するこの場所は風がきつく、何もかも飛んで行きそうだったため、慌ててオモテ側の部屋との仕切りの床に避難しました。ウッドデッキに直接座って食べる日本の味は、それはそれでいいカンジでした。 | ||
食べ終わってまったりしていると、そろそろブリッジ見学の集合時刻です。指定された5Fエントランス付近に集まり、全員が揃ったあとオモテに移動し、そこから2Fぶん階段を登ってブリッジに到達しました。 | ||
見学者は20人ぐらいだったと思いますが、最初に航海機器に関する簡単な説明がありました。説明が終わると自由に見て回ることが出来ます。 | ||
ブリッジと言えばやはりエンジンテレグラフは必見です。現在「NF(Navigation Full:航海速力)」の位置にあり、播磨灘を20.9ノットで順調に航行中です。 | ||
そして自慢のスラスター群、船首(バウ)1基、船尾(スターン)3基のコントローラーが目を引きました。 | ||
汽笛タイムコントローラーは、例えば霧笛などを2分に一度自動的に吹鳴する装置です。もちろんまん中の「汽笛」と書かれた部分の緑のボタンを押せば手動で鳴る筈です。スイッチで「エアー」と「ピストン」を切り替えられるようになっていたのですが、エアーは圧縮空気を使う吹鳴方式、ピストンの方はメーカー(伊吹工業)のHPを見てもどういう理屈で鳴っているのか理解出来ませんでした。 | ||
海図台には播磨灘の海図で、本船は左から右に向かって進んでいます。右に見えるのは小豆島です。 | ||
その後ろにはお馴染みの金比羅様です。神棚は何となくユニット家具的で現代風です。 | ||
右舷にはこのような生活臭漂う空間がありました。インスタントコーヒーやお茶の缶がきれいに整頓して置いてありました。 | ||
左舷を振り返ると、すごく遠くに私達のキャビンがあります。ファンネルの付け根にあるように見える白い部分にデラックスルームが4室連なっています。 | ||
名残惜しかったのですが見学時間は僅か20分、当直の航海士やクォーターマスター(操舵手)にお礼を言ってブリッジを後にしました。 | ||
本船は13時20分頃から小豆島に差し掛かり、20分ぐらいかけて横切りました。瀬戸内海では二番目に大きい島で、面積は153ku(と言ってもピンときませんが)だそうです。 | ||
5F展望通路では「歴代船舶の紹介とポスター展」が開催されていて、レトロなポスターや往時のフリートの写真が展示してありました。 | ||
14時からは整理券イベントである宝塚ローズ倶楽部(歌劇団のOG組織)のレビューショーです。子供の頃に宝塚ファミリーランドや大劇場には何度か行ったことがあったので、まぁどんなもんかな位の軽い気持ちだったのですが、会場の構造上一度入ったら中途退席は難しい状況になってしまいました。 | ||
ショーは30分ぐらいで、途中宝塚市の観光大使が出て来たりしていました。終わったあと出演した英マキ(男役)と梢真奈美(女役)両名と記念撮影をすることも出来ました。 | ||
ショーを見ている間に本船は塩飽(しわく)諸島を抜け、14時40分頃大槌島を右に見ました。 | ||
15時過ぎには瀬戸大橋を通航予定なので、一旦部屋に戻り態勢を整えることにします。目の前の鉄板が本当に邪魔です。 | ||
綺麗なスモール・ハンディ(バルクキャリアー)と行き交いました。パナマ船籍の「MARTIN ISLAND」は呉の神田造船所で建造され、この春に就航したピカピカの新造船です。ファンネルマークは飯野海運でした。 | ||
15時10分前にトモのスペースに出て瀬戸大橋ワッチモードに突入しました。 西航と東航で一度づつくぐっている橋ですが、そのスケールの大きさ(高架部を含め13kmは鉄道併用橋として世界一)からやはりテンションが上がってしまいます。 | ||
右舷には岡山県玉野の日比共同精錬所の煙突が見えています。 | ||
その先には斜張橋2つと下津井瀬戸大橋が広がっています。本船は西に向かうので備讃瀬戸北航路を通航しています。 | ||
左舷に移動すると坂出と丸亀にまたがる標高422mの山、讃岐富士とも呼ばれる飯野山が見えました。 | ||
前方左には四国側の南備讃瀬戸大橋が見えています。中央支間は1,100mあり、これからくぐる北備讃瀬戸大橋の990mを上回っています。 | ||
折りよく列車が四国に向かって行くのが見えました。時刻表によると特急しおかぜ15号でした。岡山から松山までは営業キロが214km、3時間弱かかります。 | ||
中央支間が1km近い吊橋が2つ連なっているのはやはり迫力があります。黄砂のせいでクッキリ見えないのが残念ですが、この時間帯のこの向きのアプローチはどうしても逆光気味になってしまいます。 | ||
15時10分頃北備讃瀬戸大橋をくぐりました。 | ||
いつの間にか小さな内航船を追い抜かしていました。フェリーは客船と違って眺望を遮られるのが残念ですが、映り込む船体構造物はそれはそれで味があると思うことにします。 | ||
トラス橋の与島橋、2連の斜張橋(岩黒島橋、櫃石島橋)が綺麗に見えました。 | ||
パノラマ加工をしてみましたが、やはりこの目で見た実物の迫力には到底及びません。 | ||
15時18分、丸亀市の牛島を左舷正横に見たところでワッチを開きました。ひょっこりひょうたん島に似た感じのこの島の人口は20人未満だそうです。 | ||
これから先来島海峡大橋までしばらく大きな見所はありません。部屋にお風呂はありますが、この時間に展望風呂に行くことにします。 | ||
写真はもっと早い誰もいない時間帯に撮影したものですが、この時間も入った時に一人いた人が途中出て、自分が出るまで誰も来なかったのでほぼ独占状態でした。 | ||
夫の命によりビールを調達に行くと、5Fのロビーで「船長との撮影会」が開催されていました。クルーズ船を意識したサービスですが、キャプテンは慣れない業務に大変そうです。 | ||
ビールは自販機でも買えますが、ツマミ類もとなると売店に行かなくてはなりません。おみやげ類はさんふらわあグッズなど充実の品揃えです。 | ||
さんふらわあストラップなどの他、悩んだ末にジョギング時に着られそうなさんふらわあシャツを買いました。クルーと書いてある通り、後ほどレストランで男性スタッフが着用していました。 | ||
16時半頃からバルコニーで本日二度目のビアタイムになりました。旭タンカーの「聖誓」を追い越しました。 | ||
17時頃、トモに出て来島海峡大橋ワッチスタンバイに入りました。10分過ぎ大島の南端の向こうから来島海峡大橋が姿を現しました。今回は無線受信機を持って国際VHFを傍受しています。年配の男性でしたが、同じ機種を持った同好の士を見つけました。 | ||
陸路では訪れたことのある橋を、こうして船から眺めるのはまた格別です。 しまなみ海道(2004年3月) | ||
瀬戸大橋に続き、EXCELとペイントで作った図です。航路は西水道と中水道なのですが、「順中逆西」の原則により航行する規則となっています。 | ||
これは潮流が本船の進行方向と同じ順潮の時には中水道を、逆潮の時には西水道を通るという航行方式です。 左舷には今治が見えていて、一番高い建物は今治国際ホテルです。 | ||
この時間は順潮のようで、本船は中水道の航路にいるようです。この来島海峡の潮流は最大で10ノット(18km/h)もある上、大きく屈曲しているので古くから航海の難所でした。 | ||
17時20分頃、来島海峡第二大橋をくぐりました。 | ||
本船の馬蹄形の航跡が、この航路の難しさを語っています。大島の長瀬ノ鼻を回り地蔵鼻で橋に対して針路が真っ直ぐになります。今は明るいですが、普段は真っ暗な中を20ノットですり抜けるのは大変なスキルなのだろうと思います。 | ||
振り返る方が順光で綺麗です。左端、大島にかかる第一大橋が一番小さく、ほかの2つは中央支間が1,000m超であるのに対し、こちらは東京のレインボーブリッジぐらいの600mです。 | ||
右に津島の潮流信号所が見えており「N」「2」「」という表示だったので、意外とゆっくりだなと思ったのですが、帰って調べたら最後の矢印が「転流まで1時間以内」という意味でした。 | ||
「イマゾーが見えてるぞ」という夫の声に振り返ると左舷後方に今治造船の本社工場のクレーン群が見えていました。17時半頃ワッチ態勢を終了しました。 | ||
17時40分頃、北海道の実習船「若竹丸」と行き交いました。ファンネルには北海道の道章が入っています。 | ||
見慣れた二引きのファンネルは日本郵船のタンカーで船名は「高鈴」(たかすず)でした。VLCC(Very Large Crude Carrier)は遠目でも迫力があります。夫によると、このフネは水島での荷役をここで待っているのだろうとのことでした。 | ||
18時半頃ふと外を見ると小さなフェリーが本船の後ろを横切ろうとしているのが目に入りました。慌ててトモに見に行くと本船が細かく転舵していた様子がわかりました。石崎汽船の翔洋丸は松山、呉、広島を結んでいて呉には20時に到着予定です。 | ||
ずっとぼんやりしていた太陽ですが、夕日になり少しだけ存在感が増しました。 | ||
今度はRORO船「日清丸」と行き交いました。何の変哲もないように見えたのですが、帰って調べたら2013年出来のエコシップで、甲板には太陽光パネルが設置してあるそうです。こういうのが見たくて左舷にしたのですが、日曜日のせいか期待した程行き交いませんでした。 | ||
フネを見たり、船内を探検したりしているうちにようやく夕食予約時間(整理券をもらった)である18時50分になったので、5Fのレストランに下りて行きました。この予約時刻が本日最終だったので、比較的スムースでしたが、早い時間帯は入れ替えがスムースにいかず混雑していたようでした。ビュッフェ方式で料金は大人一人1,540円です。 豊後鶏の塩唐揚げや、奥豊後豚の冷しゃぶなど美味しそうです。 | ||
ビールは二回も飲んだので、夕食はワインと共に食べることにしました。さんふらわあワインは1,540円とリーズナブルです。入口の所で買ってグラスをもらって席につく時「エッ、ここでワインなんか飲むの」という様な感じの視線を感じたような気がしました。 | ||
まず軽くツマミっぽく | ごまだしうどんとおかわりのカツオ | 夫が〆に食べたカレー |
チョコレートファウンテンもあるデザートと、コーヒーも飲んで満足したディナーでした。 | ||
入口のところにメニューが書いてあったのですが、やはりこの中では豊後鶏、奥豊後豚などのご当地メニューと、カツオのたたきがベスト3でした。 | ||
本船では無線LANサービスを無料で受けることが出来るので、試しに接続してみることにしました。部屋では繋がらないので、5Fのエントランス付近まで遠征しました。するとその最中、20時半頃に「ただ今本船は姉妹船さんふらわあ ぱーると交差しました」と事後アナウンスが入りました。 | ||
ええっ!と部屋に駆け戻り後方を見やりましたがかなり遠くに行っていてよくわかりませんでした。「このあとさんふらわあ あいぼりと交差いたします」と言ったので今度は逃さない様にします。 | ||
今度は近付いて来る様子がわかり、20時38半頃行き交いました。同社船と行き交いがある場合は事前に教えてくれると思ったので、油断してしました。 このタイミングで部屋のお風呂を使ってみました。窓はあるのですが、海までが遠すぎていまいちでした。 | ||
21時40分過ぎ、左舷に新日鐵住金の高炉が見えました。ここの2基の高炉は日本はもちろん、世界最大級なのだそうです。 | ||
と、言うことはもうほとんど大分です。暗い中の着岸はいまひとつテンションが上がりませんが、トモワッチに出かけました。 | ||
本船は港内入ってからそのままするすると入船右舷付けで、定刻の22時に大分港に着岸しました。 スピーカーから流れ出した「さんふらわ〜 さんふらわ〜 太陽にまも〜られて〜 航こう〜」というメロディーが頭から離れなくなりました。 | ||
本船はこのままホテルシップとなり、朝まで部屋にいることが可能です。明日の夜、同じ部屋で神戸に戻るのですが、オプショナルツアーに出ている間は一旦部屋を空けなくてはならないためパッキングをしておく必要があります。 | ||
部屋に備え付けの船雑誌を読んだり、「昼の瀬戸内感動クルーズ」のアンケートを記入してから就寝しました。 |