PORTS OF CALL
2011飛鳥U世界一周クルーズ乗船記>まとめ編>寄港地4/4(印象に残る入出港)
印象に残る入出港
船のスピードでその国を代表する都市に海路で入って行くのはとても贅沢な時間です。特に長い終日航海のあとは「やっと着いた」という思いも合わさり、感慨深いものがあります。また天候にも左右され、やはり綺麗に晴れている方があらゆるものが美しく見えて格別です。入出港でそれぞれ印象深かったもの3つ(プラスα)挙げてみました。
入港ベスト 3
リスボン(ポルトガル)
長かった喜望峰回りの航海を終え、漸く到達したヨーロッパの西の玄関口は天候にも恵まれ素晴らしい入港でした。テージョ川を遡るとベレンの塔や発見のモニュメントが次々に現れ、4月25日橋をくぐってアルファマ地区にあるクルーズ岸壁に着岸しました。目の前はサンタ・アポローニア駅で、まさしくリスボンの表玄関というロケーションでした。
ルーアン(フランス)
セーヌ川河口から直線距離で70kmほど内陸にあるルーアンは、蛇行するセーヌ川を130km遡った先にあります。のどかな田園風景がゆっくりと流れていき、右に左に小さな町が現れます。印象派の絵画の中に入ったかのような、ゆったりとした入港シーンでした。
ニューヨーク(アメリカ合衆国)
早朝に到着したニューヨークはベラザノ・ナローズ・ブリッジをくぐった所から始まり、偶然同じ日に別のターミナルに入港したQM2を見つつ、自由の女神に迎えられ朝もやの中をマンハッタン島を右に見ながらハドソン川を上りました。そしてマンハッタンの中心部の1つであるミッドタウンのピア88に入船左舷着岸したのでした。こんな特等席にいきなり到着して良いものか、びっくりする程良いロケーションでした。
ストックホルム(スウェーデン)
ルーアンと甲乙付け難かったのですが、小島の間の水路を縫って入ったストックホルムが次点でした。フェリーや客船とこれでもかと行き交わったのも楽しかったです。
ホノルル(ハワイ)
ハワイ諸島を抜けた後、ダイヤモンドヘッドを回ってからのホノルル入港も素晴らしかったのですが、見慣れている景色だったので残念ながらベスト3には入りませんでした。
こうして見ると、海からいきなり岸壁に到着するよりも、川や水路などワンクッションあった方が感慨が増すようです。
出港ベスト 3
アムステルダム(オランダ) 〜アマデア船上から見た「飛鳥U」の出港〜
私達は「アマデア」に乗船しており、後ろにいた「飛鳥U」がまだ係留していた「アマデア」を右舷から交わして出港して行きました。私達はこの時トモにいて「飛鳥U」がじわじわと迫って来るのを見ていましたが、ふと私達のキャビンが右舷であることを思い出し、これなら客室からも見えると走って移動してバルコニーから見送ったのでした。「飛鳥U」のプロムナードデッキはほんの10mぐらい先にあり、船上の皆の顔が見えて、お互いに呼びかけあった感動の出港シーンでした。
コスメル(メキシコ)
夜すっかり日が暮れてからの出港だったのですが、月の綺麗な夜で、コスメルの町を後ろから月が照らしている中の出港でした。桟橋は中心部にあったので、さっきまでそこに居た場所をゆっくりと去る時間が印象的でした。
レイキャビク(アイスランド)
翌日診療所に駆け込む程最悪の体調だったのですが、明るい中先程までいた場所を去る感じが印象に残りました。クルーズターミナルの人たちが国旗を持って手を振ってくれていて、数時間前までその場所でおみやげを買ったり税金の還付を受けたり、ヨーロッパの小銭を処分したりしていたので、つい涙ぐむほど暖かい出港でした。
ナッソー(バハマ)
5ハイの巨大客船に見送られる出港もそう経験出来ることではないと思い、感動的と言うよりは珍しい出港シーンということで、次点に入れました。客船は左から以下の通りです。
「CARNIVAL FASCINATION」
「CARNIVAL FANTASY」
「DISNEY DREAM」
「CARNIVAL SENSATION」
「MAJESTY OF THE SEAS」
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出港は入港時のワクワク感とは違い、何時間か過ごした場所を去る寂しさが募ります。飛行機や列車ではあっと言う間に離れてしまいますが、離岸時は舫と解いたり場合によってはフネを回したりするので別れを告げる時間がたっぷりあります。出港の汽笛の吹鳴がその町に響き渡る時、楽しい時間を過ごさせてくれたその町に対して「ありがとう」という気持ちが湧いてきます。