43日目 5月15日(日) ルーアン 入港--時 出港17時 日出6:16 日没21:36
寄港地情報入国審査言語英語通貨港の位置ツアー発時シャトルバス
船側で一括英語ほか通じるユーロ中心部から3km5:30〜ピュセル広場近く
航海情報天候気温正午位置風向風速船の揺れジョギングデッキマシン陸上合計デッキ累計距離累計
曇り13.5℃49-27N 001-03E北西5m/sなし --7km7km399周230km
船内情報講演等イベントメインショードレスコード食事情報ランチ(6F)ランチ(11F)ディナー
-ボン・ヴォヤージ栗コーダーカルテットカジュアル冷やし稲庭うどん洋食和食
昨晩夫から「朝一番に走るぞ」と言われていたので、朝一番と言うには微妙な時間の7時40分に目覚ましをかけて、結局8時過ぎに起床しました。モンサンミシェル観光やパリ観光などのツアーは既に出発し、岸壁には「美しい村リヨン・ラ・フォレ散策」「オンフルール散策」のような短いツアー用のバスが残っていました。
準備を整えて8時40分に下船すると、割と暖かい日差しでした。午前中であれば「飛鳥U」が順光で綺麗に見えるだろうと思い、近くにある高い橋(ギュスターヴ・フロベール橋、Pont Gustave Flaubert)まで行ってみることにしました。
橋までは500mぐらいなのであっと言う間に着き、歩行者用の階段を上ると太陽が背になるのでいい感じです。橋を対岸に向かって進み、色々な場所から「飛鳥U」の写真を撮影することにしました。
それにしてもこの橋は最初ただのデザインかと思ったら、橋の部分が上に持ち上がるようになっている珍しい可動橋でした。この橋をくぐってもその先には低い橋があり、1km先で結局行き止まりになるので不思議に思って調べたところ、ルーアンでは5年に一度帆船の祭典があり帆船を少しでも町の中心部に停泊させるための仕掛けなのかもしれないと思いました。
写真撮影で立ち止まると日陰は寒いため夫がイライラしています。橋も「飛鳥U」もいい写真が撮れましたが、これ以上引っ張るのは無理だったのでこの写真を撮影したところで引き返しました。
再び橋を本船のいる岸まで戻ると、とっくに階段を下りた夫(時計台のかなり手前の白い点)が頭から湯気を出してイライラと待っています。
夫と合流し、次のウィリアム征服王橋まで走り、そこで折り返しです。日曜朝のためか、川岸はジョギングする人がそこそこいたのですが、男性が二人という組み合わせもとても多かったです。
ちょうどギュスターヴ・フロベール橋に差し掛かった時、「DUNCAN」という名の河川用のタンカーがセーヌ川を上っていきました。
「飛鳥U」の所まで戻った所夫がちょっと足りないと思ったらしく、そのまま通り越して岸壁の端まで行くと、「AKAR PAZAR」というイスタンブール(トルコ)船籍の小さい貨物船が停泊していました。
最後に本船の後姿を撮影してから、戻ることにしました。出発してから50分ぐらいかかり、岸壁に戻ると9時半近くになっていました。
岸壁の旗は奥からEU旗、フランス国旗、ノルマンディー旗、ルーアン(観光用)旗、ルーアン港、日章旗が並んでいて綺麗です。
シャワーをすると10時近くになり、この時間に何か食べられるのは6F「ザ・ビストロ」しかありません。好物のホワイトチョコをコーティングしたドーナツは在庫がなくてちょっと残念でした。
ルーアン中心部へのシャトルバスは出発済みの9時半発と10時半発だったので、これに間に合うように食事をして、再び町に繰り出しました。バスはピュセル広場(Place de la Pucelle d'Orléans)近くのサンテロワ教会(Église Saint Eloi)の前まででした。広場に面したホテル・ブールトルルドゥ(Hotel de Bourgtheroulde)に飛鳥デスクが置かれています。
今回は特にどこに行くというアテもなく、とりあえずまた旧市場広場まで足を運び、昨晩行ったレストラン、「La Couronne」の建物をチェックしに行きました。

そして飽きもせず再び市場に行きました。家禽類の充実度合と生々しさは西欧ならではで、ホロホロ鳥をこうして普通に販売しています。魚介類も美しいディスプレイで流石グルメの国フランスでした。

チーズに対する思い入れの違いでしょうか、ディスプレイがとてもお洒落だったので撮影しました。
この後、本船でもらった簡易地図に載っていた「ジャンヌ・ダルクの塔」(Tour Jeanne d'Arc)に行ってみることにしました。すると道中こんなに怪しい日本食屋がありました。寿司の寿の字がちょっと違う感じなので、日本人の経営ではないのだろうと思います。

何とも趣きのある家並みが続いています。

ジャンヌ・ダルクの塔は13世紀にフランス国王フィリップ・オーギュストによって建てられた城郭の一部です。もともとは7つの塔があり、そのうちのひとつにジャンヌ・ダルクが幽閉されていたのだそうです。
ジャンヌ・ダルクの塔からフランス国鉄(SNCF、Société Nationale des Chemins de fer Français)のルーアン駅が意外と近かったので、リスボンで鉄分が活性化されたこともあって行ってみることにしました。この駅は正式名をルーアン・リブ・ドロワ駅(Gare de Rouen-Rive-Droite)と言い、アール・ヌーヴォー様式の駅舎は1928年に完成したそうです。
早速ホームに下りて行くことにします。エスカレーターの所にルーアンから50kmほど離れたジヴェルニー(Giverny)の印象派美術館の大きな吊り広告があってオシャレです。ボナール展(Bonnard en Normandie、2011年4月1日〜7月3日)のことが書いてありました。
エルブフ(Elbeuf)・サントーバン(Saint Aubin)行きのter(地域急行列車)です。ほぼ定刻に出発して行きました。
ホームのゴミ箱は一応分別するようになっているのすが、覆いがなくいきなりビニール袋が付けられていました。
パリ サンラザール駅(Paris-Saint-Lazare)行きのインターシティー(Intercitrés)は電車の形が違ってちょっとごつい感じでした。停車する位置が急遽変わったらしく、アナウンスの後大きな荷物を持った人達がゾロゾロとホームを移動していました。フランス語のみで私達には全くわからなかったため、やはり列車旅行はハードルが高いと思いました。

色々写真を撮影していたせいか、カッコいい運転手さんが振り返ってこちらを見ています。この列車も定刻に発車して行きました。最後まで見送ったら電車だと思ってたものは最後尾に機関車が連結されてるプッシュ・プル方式客車列車でした。

結局駅では30分ぐらい粘り、12時過ぎに出て行きました。ヨーロッパの駅は日本と違って切符がなくてもホームまで行けるのがポイントです。
駅を出て、ちょっと歩いた横断歩道の前で奇声という程ではありませんが、変な声を出して近づい来た男性がいました。ちょっと警戒しながらすれ違った瞬間、前にいた女性が急に踵を返したので割と強くぶつかりました。謝られましたが、その女性と男性はグルで、多分スリだったのだろうと思います。幸い被害はありませんでしたが、リスボンに引き続きまたも狙われました。
30分ほどかけてぶらぶらとまた何となく旧市場広場に戻りました。今まで気付きませんでしたが、昨日食べたレストランの右隣に「ジャンヌ・ダルク博物館」がありました。
帰りのバスの時間がわからなかったのと、スーパーマーケットの場所を聞きに行こうと飛鳥デスクのあるホテルに戻ってみました。すると昼休み中で誰も人がおらず、使えません。
再び旧市場広場の方に歩いていくと偶然本船のクルーをみつけ、スーパーの袋を持っていたので尋ねると大体の方向を教えてくれたのでスーパーマーケット「Marché U」に行くことが出来ました。

チーズ、バター類が豊富で安い魚の缶詰類も種類が多いジャム・マーマレードも安い

フランスは農業大国だけあって、食料品はかなり安価でした。ワインとオープナー、フォアグラのパテ、アスパラガススープの素、チョコやビールのツマミ類を仕入れました。
13時過ぎにホテル前に戻り、バスの時間を確認すると14時半でした。歩き回って疲れていたので、とりあえず近くのカフェでお茶をすることにしました。
夫は「飛鳥U」のパームコートでもよくエスプレッソを頼むつもりで「カプチーノ」と言い間違えるのですが、ここでも思い切り間違えたようです。私は普通のコーヒーが小さいサイズだった筈、と正しく注文することが出来ました。
それにしても、客船ではるばるヨーロッパまでやって来て、日曜の昼にフランスのルーアンでコーヒーを飲んでいるなんてなかなか信じられないシチュエーションです。
コーヒーを飲み終わってもバスの時間までまだ1時間近くあったので、結局歩いて戻ることにしました。昨日に2回、今朝もウィリアム征服王橋まで来ているのでセーヌ川岸を「飛鳥U」まで歩いて戻るのも4度目です。
本船が停泊している岸壁の近くには海事博物館(Musee Maritime)があって、必見ポイントだったのですが、たまたま改装中で休館していました。
本船のメインマストに再びP旗「本船は出港する」が掲揚されています。そろそろルーアンともお別れです。
「ルーアン港の飛鳥U」と名残惜しく記念撮影をし、15時10分前にフネに戻りました。写真は逆光なのでいまいちでした。
冷蔵庫マグネットのコレクションも無事1つ増えました。リスボンはアズレージョ風のもの、ここルーアンでは大聖堂をかたどったタイプでどちらもいい感じです。
朝食後ほとんど何も食べていないので、「パームコート」にケーキ類を食べに行きました。一日中船内のどこかに行けば何かを食べられるのはやはり客船の素晴らしさです。
最終帰船時間の16時まではあと30分ぐらいです。オプショナルツアーの観光バスが帰って来ているようです。

メインマストに掲揚されている寄港地の旗を撮影しに一番上まで行くと、昨日見てきたルーアン大聖堂のほか、その奥にあるサン・トゥーアン教会(Abbaye Saint-Ouen de Rouen)も見えているのがわかりました。

16時45分からボン・ボヤージュがあるのでプールサイドに行きましたが、河川での出港は珍しいのでワッチに専念することにしました。
岸壁にはいつの間にか人が集まっています。本船は昨日セーヌ川を上ってそのまま着岸していたので、後進離岸をしていきます。
今朝トルコの貨物船がいたあたりに向かってゆっくりと後進で過ぎていきます。やはり見送られるのは気分が良いものです。
トルコの貨物船「AKAR PAZAR」です。本船はその後方に背中合わせで停泊していました。

貨物船を完全に交わし、今朝ジョギングで走りに来た埠頭を後にします。

岸壁から1.5kmほど後進したところがターニング・ベイスン(操船円状水域、別に円状ではなかったですが)で、ここでタグ2ハイの力を借りて左回頭を始めました。風もある中CPAは最小で20mぐらいだったので、結構大変だっただろうと思います。
10分以上かかって回頭し、ようやく本船は前進モードになりました。時刻は17時半を過ぎたので、私達も出港ワッチを開くことにします。
大浴場に行った後は恒例のビアタイムです。異国の風景が流れる中、アサヒの缶ビールを飲む贅沢に気持ちよく酔いしれます。
ルーアンの近くは工業地帯っぽかったセーヌ左岸ですが、少し離れると牧草地帯と綺麗な町並みが続いていました。18時40分頃はラブイユ(La Bouille)を通過しましたが、本船が通るのを皆知っているのか、クルマから降りて手を振ってくれたりしています。
走行中の車は派手にクラクションを鳴らしていきます。セーヌ川にはなかなか200mを超える客船は入って来ないようなので、きっと見栄えがするのでしょう。
19時から「栗コーダーカルテット」の2回目のコンサートだったのですが、洗濯機を仕掛けていたらちょっと遅刻してしまいました。もともと「ピタゴラスイッチ」が好きだったこともあり、コンサート後に彼らCD「15周年ベスト」を購入しました。その場でサインを書いてもらえるのがクルーズのいいところです。何度もコンサート後のCD販売という場面はありましたが、実際に購入したのはこれが初めてです。
一旦部屋に戻り、ランドリールームをチェックしに行きました。コンサート前に仕掛けた洗濯物は出来ていたのですが、乾燥機がすべて埋まっていたので詰め替えられませんでした。
コンサートがちょっと長引いたこともあり、食事は20時頃からになりました。
先附
浅利と分葱のぬた和え

造り
鮪の山掛け
煮物
芋、蛸、南京 炊き合わせ

蒸し物
茶碗蒸し
揚げ物
タラバ蟹、海老 天麩羅盛り合わせ 天つゆ、灯台卸し
汁物
鰤酒粕汁 人参、薄揚げ、蒟蒻、大根

白御飯

香の物
果物
フランス産チェリー
食事は1時間程で終わり、まだ明るい21時頃はキャンプ場の前を通過しました。ラ・マイユレイユ・シュール・セーヌ(La mailleraye-sur-Seine)という村のようです。
部屋に戻ってバルコニーからセーヌ川ワッチです。21時過ぎに「MISTRAL」というタンカーと行き交いました。
その直後、今度は「TROY」という100m近いケミカルタンカーと行き交いました。川幅は限られているので、ギリギリな感じがします。行き交いは左舷ならではの楽しみです。
ブロトンヌ橋を過ぎたあたりで「EMILIE BULKER」と行き交いました。デンマークのローリッツェン(Lauritzen Bulkers)のフネで、2010年出来の材木船でした。長さは180mもあるので迫力があります。
後ろ姿を撮影すると、船籍港は「DOUGLAS」でした。ダグラスはどこの国なのだろうと思ったら、英国のマン島でした。
21時12時分、パイロット船が近づいて来ました。

今度は「KALLIROI K」という3万トンぐらいのドライバルク船と行き交いました。このフネも180m近く、大きく感じますが本船はそれよりもまだ60m近く長いのです。

2011年7月Youtubeにアップロードされていたブロトンンヌ橋からみた本船の様子

30分ぐらいの間に橋と貨物船と撮影に大忙しでした。ちょうど21:36の日没を過ぎ、太陽は進行方向にあるのでテレビの船首カメラでチェックしてみました。
緯度が高いところでは夏はゆっくりと日が暮れていますが、さすがに少しずつ暗くなってきました。フランスの田園風景もそろそろ見納めです。
夏の間牛は牛舎に入らないのでしょうか。22時近いのに休む感じではなく、しっかりと草を食んでいました。
暗くて船名は読めなくなりましたが、小さい貨物船が上って行きました。翌日のドーバー寄港に備えてそろそろ休みたいですが、乾燥機がまだ終わらないのでもうちょっと起きていることにします。携帯が繋がるのでツイートしたり出来ますが、速度はかなり遅くてイライラします。
乾燥は90分で仕上がるので、22時半頃取りに行ってアイロンをかけました。これでやっと眠れます。
23時半頃、タンカルヴィル橋を通過しました。セーヌ川で本船は10ノットそこそこで走っていましたが、次のノルマンディー橋を越して海に出れば巡航速度になるのでしょう。