にっぽん丸 ウィークエンド新宮・館山クルーズ 乗船記 (2009年6月27日)

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2日目 新宮 入港8時 出港17時
朝、姪が起きた気配で目が覚めましたがまだ6時半でした。もうちょっと粘りたいところでしたが、午前中のオプショナル・ツアーの予約を入れていたので、一文の得かも、と眠い目をこすりつつ起床しました。窓の外には梅雨の晴れ間の穏やかな海が広がっていました。
夫はまだ寝ていたので7時から6F「スポーツ・デッキ」の「おはよう体操」を見に行きました。乗船中こんなに早く起きたことはなかったので初めて見ました。姪も興味を持ったので、参加することにしましたが10分も経たないうちに「他へ行こう」と言い出しました。小学一年生の興味持続時間というのは10分ぐらいだったでしょうか。そんなことはすっかり忘却の彼方です。
デッキの後方にいたので、そのまま4F「プロムナード・デッキ」まで階段を下りて行きました。日本のフネならではの船尾日の丸がイイ感じです。その後デッキを1周して部屋に戻って夫を起こし、朝食に出かけました。

最初に乗船した5年前には洋食派でしたが、この5年で年をとったのかすっかり和食派になりました。でも本船のパンはやはり食べなくては、それから干物は鰈、東京ご当地食材として東京揚げの含め煮がありました。

8時20分頃食事を終わると、9時入港予定の新宮港にそろそろと近づいている所でした。姪には「ちびっこタグボート(Little Toot, H Gramatky)」という絵本を買って予習させてあったので、今度は飽きることなく着岸プロセスを眺めていました。
姪でなくとも小さなタグが大きな客船の補助をしている所はワクワクします。タグのスクリューの仕組みなどは掘り下げてみたい分野です。
8時半過ぎにほとんど着岸し間もなく下船が始まりました。熊野詣の市女笠姿の女性達が記念撮影に応じていました。
私達は「熊野那智大社と那智の滝」半日のオプショナルツアーに申し込んであり、その集合時刻は岸壁のバスに9時20分でしたが、日本船ではツアー客は時間よりもかなり前に集まってしまうことが多いので、早めの9時に下船しました。
9時10分から入港歓迎セレモニーが行われました。歓迎挨拶に続き、船長もお礼の挨拶をしなくてはならないのは大変だと思いました。
岸壁にいた熊野交通のバスは日野セレガの新車だったので、バス好きの夫は思わずドライバーに話しかけていました。直列6気筒、などという単語が聞こえましたが後で何を聞いたの、と尋ねたら「日野のセレガ」と「いすずガーラ」は違いがあるのか、だそうです。マニアック過ぎてよくわかりませんでしたが、これらは共通のボディーを使用しているので見た目だけしか変わらないそうです。
バスはまず岸壁から30分程の那智大滝に向かいました。日本の三大瀑布に数えられていて、その落差133mは日本一だそうです。飛瀧神社のご神体でもあります。
その後、滝からバスで10分程の場所から参道の石段を登って熊野那智大社を目指しました。
暑い中、両脇にみやげ物屋が軒を連ねる参道を10分程必死で上ると鳥居が見えて来ました。あとちょっとでゴール、と姪と自分を励まします。ツアーではタクシーで上まで上るオプションもあるようでした。

ようやくたどり着くと神武天皇ゆかりの大社がありました。写真は拝殿と横から見えた本殿です。

境内にあるクスノキ。護摩木に願い事を書いて穴をくぐると願いがかなうそうですが、かなり狭そうなので止めておきました。
右手には青岸渡寺があります。普段あまり意識しませんが、日本では古来から神社に寺が併設されてきたのでした。日本の宗教の歴史も奥が深いです。

関連する夫のブログ「日本のタリバン」(2009年6月29日)

遠く那智の大滝が望めました。飛瀧神社からはよく見えませんでしたが、ここから望遠だと別名「三筋の滝」だということがよくわかります。

バスを降りてから1時間ほどでまたバスに戻りました。これで本日のオプショナルツアーは終了で、12時過ぎに本船に戻りました。途中夫と二人でかき氷を食べたりしたため姪も飽きることなく、半日で熊野古道のダイジェスト版を味わうことが出来ました。
普段休みの日は昼食を摂りませんが、姪がいるとなると話は別です。この間に夫をジョギングに出し、姪と二人で2F「瑞穂」でビュッフェ・ランチを楽しみました。姪が食べてる間ほとんど見ているだけのつもりでしたが、美味しそうだったのでコロッケ、スモークサーモン、グラタン、サンドイッチを取って来てしまいました。
そしてデザートは別腹ということで、4種類取って来て二人で分けました。小学生にケーキを好きなだけ食べても良い、というのは猫にマタタビのような感じでしょうが、彼女はこの後夫とプールに行く約束をしているのでそちらが気になったのかそれ程欲しがりませんでした。本船のビュッフェ・ランチは初体験でしたがさすが「食のにっぽん丸」、美味しかったです。

それにしてもクルーが姪に頻繁に話しかけてくれるのは嬉しいことです。
戻ってきた夫に姪を託し、今度は私がジョギングに出かけました。本船の全体像を写せないかと別の岸壁の方に回りこんでみました。3倍のコンパクト・デジカメしか持っていなかったので、ぼんやりした本船しか撮影できませんでした。

この後国道42号に沿って新宮市の方を目指し、紀勢本線の線路を越えたりしましたが、20分程走った所で引き返すことにしました。

帰りは黒潮公園の中を走りましたが、捕鯨の基地だけあって鯨の遊具が置いてありました。鯨というと、小学校の給食で出て来た竜田揚げは大好物でした。
戻って夫と姪をプールから上がらせ、大浴場でさっぱりした後はお待ちかねのビアタイムです。15時半頃から自動販売機で買って6F「スポーツデッキ」で飲みました。この間姪はアイスクリームを食べました。
その後洗い物を洗濯機に仕込み、下船して岸壁に新宮市と那智勝浦町の観光協会が出店しているテントを覗きに行きました。渋くも姪は両親へのおみやげとして「鯨の大和煮」を購入しました。何となく感じるものがあったのかもしれません。
オプショナルツアーのバスが1台遅れていたため、それを待って17時頃から出港セレモニーが始まり、熊野太鼓の演奏がありました。その演奏の中銅鑼が鳴り、予定より約30分送れで本船は汽笛を鳴らしながら離岸しました。
岸壁には地元の人たちが大勢見送りに来ていました。子供たちの「また来てね〜」という声が心に残りました。そしてやはりフネの出港と言えばテープでしょう。

港からゆっくり遠ざかるフネのこの速度感は、楽しかった寄港地の余韻に浸ることが出来ます。
約30分でこんなに離れました。遠く新宮市にある紀州製紙の煙突が白い煙を吐いていました。
19時過ぎには綺麗な夕焼けを見ることが出来ました。梅雨のシーズンでしたが、一日晴れていたのは幸運でした。

本日のドレスコードはカジュアル、料理は和食でした。ビールと日本酒を楽しみつつ食べました。姪はしっかりと正しく箸を使いました。
(前菜)手長海老の甘露煮、千葉産枝豆、雲丹しんじょ
(吸い物)蜆の赤出汁 三つ葉、小柚子
(お造り)本鮪の刺身 妻一式
(焼き物)鮎の 焼き 蓼酢、酢取り茗荷
(揚げ物)万願寺獅子唐の海老すり身揚げ
(煮物)黒豚はらみの柔らか煮 オクラ、ほうれん草
(小鉢)くらげの胡麻酢和え むらめ
(香の物)からし菜、赤蕪
(御飯)黒豆御飯
デザートはゴールデン・パイナップルとわらび餅でした。すっかり満足して部屋に戻りました。
今晩もショーはパスしてしまいましたが、姪を寝かせた後ちょっとだけ22時45分からのダンスタイムを4F「ドルフィン・ホール」に見に行きました。場合によっては踊っても…、と思っていたのですがやはり本船のダンスフロアは敷居が高く感じ、二人ですごすごと引き揚げました。
23時半頃の本船の位置です。遠州灘を順調に航行しているようでした。