セレブリティ・マーキュリー アラスカクルーズ乗船記(2008年7月17日)

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5日目 ジュノー 入港8時 出港18時
7時過ぎにゴソゴソする音で起こされると、ジュノーへの入港シーンを撮影すると言って夫が張り切って上階のデッキに出かけていきました。
夫によると、HAL「ザーンダム」、「アイランド・プリンセス」、RCI「セレナーデ・オブ・ザ・シーズ」が揃っているとのことでした。本船は「ザーンダム」と「アイランド・プリンセス」の間に着岸しました。
9時頃朝食を食べにいつもの11F「パームスプリングス・カフェ」に行きましたが、連日のディナーに胃腸が慣れてきたのか、今朝は朝食に対して攻撃的になっており、粥にしようと言う夫を尻目にスモークサーモンとワッフルをモリモリ食べてしまいました。

ワッフルはその場で焼いてくれる方式で、トッピングは自分で取り放題です。ホイップバターとホイップクリーム、ストロベリーソースにチョコレートソースとトランス状態でお皿に盛ってしまいました。

ジュノーでも特に予定はありませんでしたが、ロバーツ山にはロープウェイで登ってみたいと思っていた所、本船の目の前に乗り場がありました。本船はケチカンでも真ん中に停泊していましたが、ここジュノーでも一番便利な場所を陣取っていました。写真の右下にある赤い建物がロープウェイ乗り場です。
と、言う訳で10時過ぎに下船することにしました。入港時は大粒の雨でしたが、この時間には止んでいて助かりました。
下船すると色々な旅行業者がブースを構えて「メンデンホール氷河へのシャトル便片道7ドル」やら「鯨ウォッチング」「犬ぞり体験」等を用意しており、一瞬メンデンホール氷河に惹かれたのですが、例によって夫に却下されました。
ロープウェイは一日乗り放題ですが24.95ドルもしました。本船のオプショナルツアーで同じチケットの手配があったのですが、価格は変わりませんでした。
トラムで上って行くと、帰りの各客船別の最終便の案内が掲示してありました。大型客船のほか、クルーズウエスト社の「スピリット・オブ・エンデバー」(約65m、定員100名)も停泊しているようでした。流石アラスカクルーズのメッカ、きめ細かなサービスです。
保護された、ハクトウワシのメスが展示されていました。まだ若いそうですが、眼光は鋭く、流石アメリカ合衆国の国鳥です。

この山の周りにはトレッキングトレイルが整備されており、町まで歩いて下りれないかとネイチャー好きの夫が一瞬考えたようですが、「泥んこだし、滑るし、危ない箇所もあるし、ハイキングシューズと水とたっぷりの時間がないと行っちゃダメ」と書いてあったので、あっさり諦めました。

ロープウェイの発着所を起点に上に登りつつ周遊するコースがあるようなので、それを一回りしてみることにしました。朝雨が降ったため、泥は危険な感じで湿っていました。二人ともスニーカーを履いていたので良かったですが、ちょっと洒落っ気を出してサンダルなど履いていたらロープウェイ乗り場で待つことになっていたでしょう。
山の中の方に入って行くと、所々に雪渓があり、また雲かガスかが低くかかっていてちょっとした登山気分でした。

海の見える側に回ると、所々雲がかかって見えにくい場所もありましたが、ガスティノー海峡とその向こうのダグラス島が眼下に広がり素晴らしい光景でした。

その先に見晴らしの良い展望台があり、「セレナーデ・オブ・ザ・シーズ」も「アイランド・プリンセス」もこの角度からだとプラモデルの様に見えました。

それからさらに上に行ってみようとしたら雪渓を越えないと先に進めない場所がありました。ループトレイルをいうのを歩いて来たのでぐるりと一周して元に戻るだろうから、帰りはここを下る必要はない筈だし、と慎重に上って行くことにしました。が、雪渓を越えた後の普通の道の先にはもっと長い雪渓が横たわっていたため、これはもう無理、と来た道を引き返すことになりました。その長い雪渓をスタスタ上っていったスニーカーの外人夫妻がいましたが、なかなか勇気があります。
上りより下りの方がコワかったのですが、万が一滑り落ちたとしてもあそこで止まれるな、という箇所をチェックしつつ一歩一歩慎重に下りて行きました。
無事雪渓から生還すると、まだお昼前でしたが、ロープウェイ乗り場まで戻ることにしました。帰り道にあった行先案内板を再度確認すると、さっきの道はやはり一回りするトレイルだったようでした。雪渓なければ一周出来たのにちょっと残念でした。

この案内板の所で何を思ったか夫が崖側に後ずさりしし、スローモーションのように足を踏み外しました。必死の形相でしたが、ズボンを泥で汚した程度で済みました。後で聞くと別に命の危険は感じなかったとのことですが、近くにいた外人から「Oh, oh, Be careful !」と思わず声がかかりました。右の写真の中心部の窪んだあたりです。

帰り道の脇に7月11日の黒熊の糞がありました。1週間近く前のものですが、アラスカは湿っているせいかみずみずしい感じでした。

乗り場近くに「ネイチャー・センター」がありました。そろそろ職場へのみやげ物をゲットしたい所ですが、ここはみやげ物屋ではなくこの辺りのインフォメーションセンターのようでした。

このプチトレッキングは、高緯度ならではの高山植物を手軽に見ることが出来、登山気分も、雪渓の危険も、プラモデルのような客船もまとめて効率的に楽しむことが出来たので、天気が良ければまた挑戦したいと思いました。

ロープウェイ乗り場にあるみやげ物を一通りチェックした後、特に収穫はなく町に戻ることにしました。下りの一番前から客船を写したかったのですが、既に結構な人が並んでいたので、もう一台待とうといいたい所を、どうせ反対されるだろうと一番早い便で下りることにしました。が、乗り込む時、私より頭ひとつ以上大きい外人のオジさんの前のスペースがちょっとだけ空いているのが見えたため、咄嗟の判断で、別の扉から乗ろうとしていた夫を放置してそこに行き、「ここに立ってもいいですか?」「全然イイヨ!」ということで、かぶりつきの特等席で何枚も写真を撮りました。
「セレブリティ・マーキュリー」右が「ザーンダム」奥が「スピリット・オブ・エンデバー」

大分近づきました特徴的な「X」のファンネル乗り場と比べると本船の大きさが

再び町に戻ってぶらぶら散策することにしましたが、どうしてもフネの見える所をまずチェックしたくなります。山の上からはあまり見えなかった「ザーンダム」のオモテの方に回ることにしました。

←ボリュームある「セレブリティ・マーキュリー」の後ろ姿
セレブリティとホーランド・アメリカは共に濃紺を基調としていますが、近寄って細部を見ると印象は大分異なります。
ザーンダムの後姿→

大分歩きましたが、「ザーンダム」の前に回りこみ、「セレブリティ・マーキュリー」と「アイランド・プリンセンス」の縦列着岸を撮影することが出来ました。アイランド・プリンセスは全長はかなり長い290mなのに、幅がパナマ運河を通れる様32mのせいか随分細く見えました。
船までの帰り道、メインロードから山に向かって細い階段の通路がいくつもありました。好奇心から上っていくと普通の道のように両側に家がありました。
その後ぶらぶらと商店街を歩いたりしているうちにあっという間に14時を回り、段々夫が飽きてきたためフネに戻ることにしました。夫は例のジャケットを買おうか迷った挙句、次港シトカでも欲しかったら買う、ということになりました。私は氷河の沈泥から作ったというアラスカ産の石鹸を、おみやげにいくつか購入しました。
船に戻るその前に、本船の美しいクリッパー・バウを撮影しようと今度はオモテに回りました。船は長くて歩くのが大変です。
本船を撮影した場所のすぐ近くに「Wild Alaskan Seafood」というシーフードレストランがあったのですが、そこの裏に獲ってきた魚を水揚げしている場所がありました。ドボドボとアラスカ・サーモンが流れていました。
最語に私達のキャビンの箇所をチェックしました。左隣はスイートなのでちょっと造りが違いますが、私達の部屋とその右隣がスカイスイートで、その横のコンシェルジュ・クラスより若干スパンが広いのがわかりました。
結局14時半頃に帰船しました。乗船口は4Fでしたが、この場所は飾る必要がないためか通路はフェリーのようでした。何年か前に、アメリカの旅行ガイドの読者投票で大型船ベスト10のうちセレブリティ・クルーズのフリートが7船入った時のポスターが誇らしげに貼ってありました。

This year the readers of Condé Nast Traveler voted all 7 of our large ships among the 10 best in the world.
Call it a sweep.
No.1 Constellation No.2 Summit No.4 Century No.5 Infinity
No.6 Mercury No.7 Galaxy No.9 Millenium
歩き疲れていましたが、ジョギングトラックを40周の6kmを走り抜きました。この最中15時に「セレナーデ・オブ・ザ・シーズ」が出港していきました。
部屋に戻ると熱いお風呂につかりたくなり、日本から持参した「有馬温泉の湯」の素を投入しました。アラスカにいながら、有馬とは本当にクルーズは贅沢な旅の方法だと思います。
お風呂に入るとやはり条件反射でビールがビールが飲みたくなり、冷蔵庫に入っているハイネケンとメキシコのDos Equis XXを飲むことにしました。スイート以上はこの冷蔵庫のアルコールがタダという所がポイントでした。ツマミは走っている間にハーマンが届けてくれた、サンドイッチ類で、バルコニーに出て楽しみました。

ビールがこれでは足りず、メインダイニングのメニューをチェックしがてら急遽買出しに行くことにしました。6F「ランデブー・スクエア」で地ビール「アラスカン」とオランダの「グローシュ」をゲットして意気揚々と部屋に戻った所、夫がミニボトルのジンを空けていて目が点になりました。

16時半過ぎにハーマンがカナッペを持って来てくれましたが、緑茶を置いていきましょうか、と勧めてくれました。緑茶、砂糖なし、という好みを覚えてくれたみたいです。

緑茶は酔い覚ましに飲むとして、バルコニーからジュノーの街並みを眺めつつ、とりあえず残りのビールを楽しみました。

アラスカの漁船は日本の和船型とは異なり、クルーザーみたいで、しかも色がホーランド・アメリカの客船ぽくてカッコいいです。
事前チェックしたメニューには「どうしても食べてみたい」ものがなかったので、今日はビュッフェにしようかと思いましたが、この時間はフルラインアップでないことがわかった夫が「じゃぁメインに行こう」と言ったので、結局メインダイニングに行きました。いや、実はセンターカットNYステーキという魅力的なメインディッシュがあったのですが、ビールの飲み過ぎで挑む気分にならなかったのでした。

Appetizers

  • Chilled Seafood Terrine, Lemon Aioli and Marinated Cucumber


  • Shrimp Cocktail with Traditional Cocktail Sauce(Classic Dinner Favorites)
Soups and Salads
  • Market Vegetable Minestrone★


  • Crisp Garden Greens, Red Cabbage, Cucumber, Raddish and Chow-Mein Noodlesの写真は撮り忘れました。代わりにいつも美味しいパン類
Entreés

  • Pappardelle con Funghi
    Wide Ribbon Noodles, Wild Mushrooms, Shaved Parmesan Cheese


  • Grilled Fillet of Salmon with Herb Butter(Classic Dinner Favorites)
Desserts

  • chocolate Marbled Cheese Cake★


  • Almond Biscuit with Lychee and Raspberries, Green Tea Diplomat

ウェイターのスダルノの写真を撮らせてもらいました。彼が待ってるかも、と思うから自然に足がメインダイニングに向かうのかもしれません。
こちらはフィリピン人のソムリエ、勧め上手の彼です。彼がボトルワインをキープしてくれるので、効率的に飲むことが出来る上、「ワインが残っているから今日も行こうか」とダイニングに行ってしまうのかもしれません。
食事のスタート時刻に本船も予定通り出港し、終わるころには湖畔のような美しい景色の中を航行していました。

部屋に戻ると次港、シトカのテンダー優先乗船券が置いてありました。さすがスイート、サービスが違います。
夫は例によって戻るなり沈没してしまいましたが、美しい景色が続いていました。手前の岬に民家、その奥に緑濃い山、その更に奥に雪を頂いた山がまるで映画のワンシーンのように流れて行きました。
今度はその岬を回りました。絵ハガキみたいでした。
今晩の21時からのメインショーは、「ジャマイカのNo.1コメディエンヌ、マチルダとパトリック・マレー」でしたが、コメディーを楽しむには英語力が足りないな、ということで部屋でゆっくり過ごすことにしました。
これだけの綺麗な景色なのに、夫は眠りこけていて全く見ることがありませんでした。