大沢館 【新潟県南魚沼郡】 (2003年1月3日〜4日)

所在地:新潟県南魚沼郡塩沢町大字大沢山 電話:025-783-3773
東京から上越新幹線で越後湯沢までおよそ1時間半、そこからローカル線で2駅先の「大沢」にその「秘湯の宿:大沢館」はありました。「秘湯の宿」とは朝日旅行会が主催する「日本秘湯を守る会」の会員であるということです。「秘湯」を名乗るにはそれなりに審査基準があるらしいのですが、「日本の秘湯」ガイドブックを買っていないので詳細はわかりません。秘湯な上に所在地が新潟県南魚沼郡、コシヒカリの産地中の産地ということでかなりの期待度を持って臨みました。

1月3日、東京はお正月としては何十年ぶりかに雪になりましたが積もるまでには至りませんでした。新幹線に乗りトンネルを越えると一面の雪景色に。大丸で調達したお弁当を食べたりしていたら越後湯沢まではあっと言う間です。あと数分で到着の車内アナウンスがある、という時に妹が熱々のホットコーヒーを注文しそうになり焦りました。
そこから乗った長岡行きのローカル線はドアが手動(寒さ対策のため必要なドアだけ開閉する)、3両位の編成でした。一面真っ白な中をトコトコ走って大沢駅に到着しました。プラットフォームの降雪が凍結しない様、張り巡らしたチューブから水が流れていました。雪国に来たぞと実感します。到着時刻を伝えてあったので、大沢館のご主人がバンで迎えに来てくれていました。そこから約10分、大沢館に到着しました。私達は関越道の渋滞と雪道のリスクを避け新幹線を選びましたが駐車場はほとんど満杯でした。
一面の雪景色

ホームの水
これが大沢館の雰囲気です。これは玄関脇の階段を上って2階から玄関を見下ろした写真です。
大沢館はご主人の食い意地がはっている(仲居さん談)とかで、建物の色々な場所に「ご自由にどうぞ」と食べ物が置いてあります。
まず門と玄関の間の所(雪装束をとく場所?)に焼き芋がありました。
玄関には冷たい水に浮かんだみかんとりんごがあります。毎朝近所の農家から新鮮な果物を仕入れているのだそうです。
それから露天風呂に行く渡り廊下への出口の所に甘酒と味噌田楽が置いてありました。ホコホコの焼き芋、喉が渇いたら果物、露天風呂の帰りに味噌田楽といつでも自由に食べられるので得した気分になります。
あと玄関の脇に囲炉裏の間があり、ここで三種類の餅とおにぎりを自由に焼いて食べることが出来ます。どの場所も後で見ると使い終わった食器はさり気なく片付けてありました。
温泉は男湯、女湯それぞれに内湯と露天風呂があり(と、いうことが秘湯の条件だったと聞いた様な気がします)露天風呂へは本館から渡り廊下を通って行きます。屋根はありますが完全に外なのでかなり寒いです。お風呂に近い方に小さな池があり、板の橋がかかっていました。言葉でうまく描写出来ませんがまっすぐじゃないので飲み過ぎていると池に落ちます。お風呂からの帰り、廊下を渡りながら湯気が立っているであろう自分の姿を想像し、思わず「湯上り美人・・」などという言葉を頭に浮かべてしまいました。図々しいにもほどがあるのは重々承知しつつ、フレーズが気に入ってしまったので風呂上りに廊下を渡る度呟いておりました。
←露天風呂に通ずる「湯上り美人の渡り廊下」。この風情。


これは内湯→
食事は大広間に用意してありました。結構なボリュームでしかも美味。こう言っては失礼かもしれませんが、田舎にしては味も濃過ぎず板さんなかなかやるな、という感じです。ハイライトの竃炊きコシヒカリは炊き立てのアツアツよりちょっと冷めてからの方が美味しく感じました。
ご当地「八海山」もほとんど一人で堪能しました。
結局温泉は内湯に2回と露天に3回の合計5回入りました。暗い中ぼんやりと浮かぶ積もった雪を見ながらもいいですが、やはり明るくなってからの方が遠く八海山を眺められる分風流でしょう。(って言うかもっと早く行けばいいのですが)しかしお湯に入るまでは半端じゃなく寒かったです。夜は雪の予報でしたが雨が降ったので、当地としては暖かい部類に入ったのだろうと思いますが、それでも5℃いくかいかないかだからやはり寒い。露天にもちゃんとした洗い場はありますが、いきなりそこで洗い始めると湯船に入るまでに風邪をひきそうなので、内湯の方で洗って少し温まってから露天に流れるのがいいと思いました。
帰りは越後湯沢での乗り継ぎ時間が長かったので、駅でブラブラしていたのですが奥の方に「ぽんしゅ館」というのがありなかなかのスポットでした。越後の日本酒博物館みたいな物で、日本酒を使ったケーキだとか饅頭だとか、あと日本酒ストラップだとか、それから日本酒そのものもかなりの種類を販売していました。また奥の方に利き酒コーナーというのがあり百種類位(多分)の中から500円で5種類を飲むことが出来たのですが、つまみもないし朝から酒臭くなるのは如何なものかと思い断念しました。
一面の日本酒
ということで秘湯+コシヒカリ+日本酒という「日本人に生まれて良かった」アイテムをいっぺんに三種も味わうことが出来、とても効率の良い楽しい旅でした。そしてすっかり秘湯のファンになりました。【2003年2月】
宿泊料金宿泊人数食事洗面所トイレ露天特記事項
\13,000大人4名食事処共同共同男女別ヘチマと軽石つき