にっぽん丸 新春の瀬戸内海・宮崎クルーズ乗船記 (2011年1月8日〜1月11日)

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1日目 神戸 出港18時
2010年3月の大改装直後に横浜港で開催された「ドルフィンズ・クラブ(にっぽん丸のリピーター会員)」の見学会に行った時、「是非新しいうちにご乗船ください」と言われたのをつい真に受けて、バルコニー付きキャビンが出来、船体下半分が藍色に塗り替えられて華麗に生まれ変わった「にっぽん丸」にはなるべく早く乗ってみたいと考えていました。(写真は横浜での見学会時)
とは言え、2011年は春から大きなクルーズが控えているため、流石に年が明けたらクルーズはやめておこうと思ってもいました。が、日程的に社会人として船に乗るのもこれが最後、これから先は差額攻撃も出来なくなる、やっぱり行ってしまおうと三連休にくっつけて1日だけ休暇を取れば行く事の出来る「新春の瀬戸内海・宮崎クルーズ」を選択しました。そしてキャビンも「最後の贅沢」とバルコニー付「デラックスベランダ」にしたのでした。(同)
出発日の1ヶ月前に送られて来た乗船券を見ると、ダイニングはオーシャンダイニング「春日」と書いてあったため大興奮。そう言えばデラックス以上は今回の改装で新設されたプレミアムダイニング「春日」での食事となるのをすっかり忘れていました。(同)
金曜日の夜から行って神戸に前泊する案もありましたが、桟橋が「オリエンタルホテル」脇にある中突堤ではないことがわかって急にテンションが下がり、結局当日に「のぞみ」で行くことになりました。昼時の新幹線にしたので、駅弁に何を買おうか力が入ります。今半の筍含め煮、魚久の西京焼き、青木の玉子焼きなど東京の老舗の名品の入った「東京弁当」(1,600円)を一度食べてみたいと狙いを定め、東京駅のGRANSTAにある駅弁屋「極」に行ったところ残念ながら売り切れでした。

結局「鳥麻」の「温玉焼鳥丼」(850円)を購入したのですが、東海道新幹線の乗り場入り口付近の駅弁屋で、諦めた「東京弁当」を売っているのを発見した時には力が抜けました。

「のぞみ」は新神戸には定刻に着きました。夫が新幹線が遅れるとまずい、と余裕を持ったスケジュールだったため、ビールと弁当を消化するため三宮まで歩くことにしました。「下る一方だから楽勝だ」と言う夫の言葉とは裏腹に一箇所どうしても歩道橋を渡らなければならない場所があり、恨めしく階段を見上げました。

三宮からはポートライナーで「ポートターミナル」駅に向かいます。2駅で料金は200円でした。ということでポートターミナルには16時15分頃着、東京の自宅を出てから約5時間の長旅でした。良く考えたら客船で東京港、横浜港以外の発着港までわざわざ乗りに来るのは日本船では初めてです。
私達が到着した頃ちょうど持ち込み手荷物の受付を開始したので一番乗りで預け、乗船受付開始まではまだ15分あったのでターミナルの探検と写真撮影のため、送迎デッキに出てみることにしました。
冬の柔らかな日差しの中「にっぽん丸」が佇んでいます。でもこのターミナルは古いせいか、フェリーの乗り場のようで、横浜の大桟橋の方が断然雰囲気があると思います。アクセスを考えるとこちらの方がいいのでしょうが、神戸ではもっと中突堤のターミナルを使えば良いのにと思います。
ほどなく16時半の乗船受付が始まり、新しくなった乗船カードを受け取りました。今回の改装でこれは非接触型の部屋のキーにもなりました。ターミナルでは3ドルフィンズが演奏しています。乗船すると勝手知ったる「にっぽん丸」…ということで、係の人が「エレベーターはすぐ来ます」というのを夫が振り切り、乗船した2Fから部屋のある5Fまで階段で上がることにしました。
今回は広島入港時のことを考え、夫が珍しく右舷を指定しています。部屋に着くとドアの所に手荷物は到着していて、係の人が部屋に入れてくれました。本船で初めての、バルコニー付きルームです。部屋は従前のデラックスと同じですが、大きな開放的な窓に変わっていました。部屋からすぐ外に出られるようになったのは画期的です。

感動のバルコニー大阪商船伝統の花毛布バス・トイレは従前のまま

アメニティーも新しい「にっぽん丸」のロゴ入りに変更になっていました。このマークは地球の青い海を思わせ、本船の7Fの丸窓を連想させ、更に日の丸を思わせるなかなかのデザインです。
今回は3泊4日の航海で、毎度のことながら予め荷物を送る余裕もなかったので、荷物は比較的少量になりました。あっと言う間にこれらを引き出しに収納して、先に出て行った夫を追って船内探検に出かけました。5Fより上の方が随分と変わっていたので、外に出る道筋がわからずかなり迷ってからスポーツバーのところで捕まえました。神戸の街が段々夕暮れていきました。
改装後の「にっぽん丸」は、2010年3月の見学会の時に一通りチェックしたのですが、その時には見つからず、なくなってしまったと思った和室「吉野」は茶室となり7F「ホライズンラウンジ」の隅に移動していました。
主に上層階を一回りしてから部屋に戻りました。6Fの真ん中よりやや前方にある、スイート船室通路への入口があったのですが、これはスイートの鍵がないと入れない仕組みになっているようです。ここを通らないとブリッジに行けないような気がするのですが、ブリッジ見学の時はどうするのだろう、と余計な心配をしてみました。
冷蔵庫に入っていたサービスのビールで乾杯することにしました。今回のクルーズは初めて客船で瀬戸内海を通るのでワクワクです。

出港の18時は出港パーティーがあるので、その少し前に4F「プロムナードデッキ」に下りて行きました。ついつい配られていたスパークリングワインをおかわりしてしまいました。出港のドラが鳴り、本船はするすると離岸を始めました。

土曜日の午後6時だと言うのに、真っ暗なせいか見送りの人はほとんどおらず、何となく寂しい出港でした。ただこのポートターミナルからの夜の出港は、本船の姿が電気のついていない部分の窓に映り込んでいて、それがゆっくりと動くのがとても美しかったです。
入船左舷付けだった本船は岸壁から十分離れた所で回頭し、神戸の街から離れて行きました。真冬の夜の出港ワッチは寒くて15分ぐらいが限界でした。
食事は出港直後の18時から可能ですが、19時までに行けば良いと書いてありました。部屋に戻ってから着替えて18時半に6F「春日」に行きました。今日はウェルカムディナーです。
「春日」では「春日」専用のメニューと2Fメインダイニング「瑞穂」と同じメニュー、それからヘルシーメニューの3種から選択可能です。また、肉料理はロースト・ビーフと、デザートはフルーツの焼き春巻きと差し替え可能でした。

どちらか一方が「瑞穂」のメニューを選択して「春日」と較べるのも一興ですが、折角の「春日」なので二人とも専用メニューを選択しました。

鮑の海藻蒸し 若布入り肝ソース平目のムース うにソース 焼き平目添えフレッシュ伊勢海老・アメリカン
日向夏のグラニテ黒毛和牛テンダーロインステーキ
赤ワインソース
フルーツトマト&
クリスタルリーフのサラダ
にっぽん丸特製パン 特選バター
小豆島のバージンオリーブオイルと共に
アールスメロンと苺
ガトーショコラ ココナッツパイン
アイスクリーム添え
フルーツの焼き春巻
デザート変更

流石「食のにっぽん丸」と呼ばれるだけあって、そのスペシャルダイニング「春日」の料理は素晴らしい出来栄えでした。
食事がほぼ終わりかけた19時50分頃、「にっぽん丸」は明石海峡大橋を通過しました。寒かったのですが、終わってからそのままの格好で外に見に行きました。
食事の後は20時半から船長主催のカクテル・パーティーとメインショーでした。4Fの「ドルフィンホール」は改装で2F席が増えました。
無料のカクテルが振舞われたので、例によって一番アルコール度数の高いものを注文しました。ショーはリン&ジョン&4ドルフィンズによる歌でしたが、「ラブ・ボート」のテーマソングが演奏されたのが良かったです。選曲はスタンダードで安心出来ました。
21時45分から同じ場所でダンスタイムが始まりました。夫は踊らないとは決めていないようだったので、事前に部屋でステップの確認をしてから二人で乗り込みました。案の定本船のダンス会場は相変わらず敷居が高く感じましたが、「ブルース」「ジルバ」「チャチャチャ」(レジェンド・オブ・ザ・シーズで習った簡易版)と続けて三曲踊り、終わった瞬間に逃げるように部屋に戻りました。
それにしても、初めて客船でダンスを習ったのは本船2005年8月の「道東と平泉クルーズ」ですが、それから約5年、他船のダンス教室も含めすべて船で教わったステップですが、嫌がっていた夫がダンスフロアに出るようになったのは大変な出世です。
その後5F「eカフェ&ライブラリー」を覗きました。明朝には広島港なので、ここでわざわざネット接続をする必要はないのですが、無線LAN設備が新設されたので興味がありました。が、値段設定は終日接続料金で1日5,000円、2日目4,000円、3日目3,000円ということで断念しました。
国内のショートクルーズの時は、本船ではあまり接続は勧めていないようでした。お試し料金2,000円程度のものがあれば、繋いでみて速さをチェックしてみたかったのですが残念でした。記念に、持ち込んだバソコンでログイン画面だけ開いてみました。
23時50分頃、備讃瀬戸大橋を通過しました。橋は全くライトアップしていなかったので、写真にほとんど写りませんでした。
バスアメニティーは、以前デラックスに乗船した時はモルトン・ブラウンでフレグランスがとても気に入っていたのですが、今回はタルゴのものに変更になっていました。