2日目 5月13日(月曜日) 志布志 出港17時55分(日没19:02) 大阪 入港翌朝7時40分(日出4:56) 
17時15分頃フネに戻り、慣れた感じでエスカレーターを使って部屋に戻ります。がその前に部屋のタオルやアメニティーの配布に関してちょっとしたトラブルがありました。今回部屋に荷物を置いていくことが出来たのは良かったのですが、鍵をかけて誰も出入り出来ないようにする方式(つまり掃除の人が入らない)だったので、部屋に戻る前に替えのタオル等を配布してもらう必要があったのです。
しかし本船さんふらわあでは必要な数のアメニティをダンボールに入れただけで、部屋ごとに必要なものを分別はしていなかったため、その部分は同時にフネに戻ったさんふらあわあトラベルの人がやることになりました。が、仕分けにとても時間がかかりアトリウムで無駄に待たされたため、結局あとでもらうことにして17時半頃部屋に戻りました。
役割分担が明確でないとこういうことは起こりがちですが、想像力があれば乗り越えられることも多いと思います。

窓の外には帝国倉庫や鹿児島共同倉庫のサイロが見えています。
サイロと言えばフランスのルーアンと朝にも思いましたが、その時(ルーアン入港2011年5月14日14時頃)の写真を発掘して見たら、思っていたほどには似ていませんでした。

出港時刻の少し前、フネが左に傾いたような感覚を覚えました。今までのフェリーでは気付きませんでしたが、ランプウェイを収納する時に傾斜していたのでした。

ここぞとばかりに、スマホに入れてある無料アプリのクリノメーターで見てみたところ、一番きつい時で約3度でした。
外に出ると舫(もやい)が解かれ、さんふらわあ関係者の人々から見送られて出港するところでした。

定期運航の本船は、往航ではあった紙テープのセレモニーもなく軽やかにあっさりと離岸していきました。少し前に電源を入れたGPSロガーも順調に電波を捕捉しているようです。

左舷(only)入船着岸だった本船は岸から十分に離れた後左回頭して向きを変えました。志布志サイロの所では「ALPHA LOYALTY」というパナマックスバルカーが待機しているのが見えました。
ファンネルから黒い煙を吐き、本船に行き足が付き始めました。
大隅半島の付け根部分に広がる高隈山地が遠くに見えました。雲で見えませんが一番高い大箆柄岳(おおのがらだけ)は1,236mもあり桜島よりも高い半島最高峰だそうです。
志布志港の防波堤を越えると本船は左に舵を切り、志布志を後にしました。このハードポートの航跡に思わず萌えてしまいました(GIF動画)。
出港して30分、都井岬までは少し時間があくので、一旦ワッチを開きました。ブリッジのキャプテンからの放送によると、本船の速力は現在23ノット、この先夜間にかけて右斜め前から1.5mの波が来続けるので多少の揺れが予想されるとのことで少し嬉しいです。
そして売店でビールを調達し、先ほどターミナルで買ったご当地かっぱえびせん「九州しょうゆ味」をツマミにしてゴールデンタイムに突入しました。

18時50分頃、都井岬に差し掛かりました。振り返ると志布志湾はすっかり見えなくなっていました。都井岬は日本在来馬の御崎馬(みさきうま)で有名で、いつか訪れたい場所です。

一番高い所に都井岬灯台、南面に南灯台があってどちらも見えましたが、日没時刻を過ぎて辺りがどんどん暗くなって光量が足りないのか、望遠ではうまく撮影出来ませんでした。岬をかわって外海に出ると揺れが出るのでご注意下さい、と船内放送がありました。
往航の早朝に見過ごした都井岬を見てすっかり満足したところで、夕食に行くことにしました。定期便のバイキングでは財布に優しいシルバー料金1,650円(65歳以上)が設定されていてラッキーです。通常の大人料金は2,000円でした。


ピーマンの肉詰めと中津風からあげ

色とりどりのオードブル類

フライドチキンや高菜シューマイ

カンパチのお刺身、肉じゃがをアペタイザーにし、ローストビーフ、豚ロースのマリネ、唐揚げ、グリルチキン(旨辛タレ)ピーマンの肉詰めをメイン、付け合わせは野菜のごま和えにしました。

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昼からビールを飲んでしまったのでレストランでは止めようと思っていたものの、これだけのご馳走を前にやはりアルコールがないのは寂しいので、リカーカウンターで調達することにしました。
その名も「櫻正宗 特別純米酒 宮水の華」です。良心的な510円という価格に感激しつつ、カンパイしました。この櫻正宗は飛鳥Uで愛飲しているアスカサケを作っている酒造でした。
アスカサケも864円ではなく500円ぐらいだったら良いのにねぇとか何とか言いながら、おでんの大根と日本酒は良く合いました。

ちょこちょことオカワリをして、そろそろ〆に入ろうと思います。炭水化物は控えてお味噌汁だけの後、デザートで控えた炭水化物分を埋めました。

バイキング形式でお酒を飲むと、おつまみを何度も取りに行くので意外と時間がかかります。ゆったりと1時間20分かけたディナーにとても満足しました。もうすぐ営業終了の20時半なので大分人が少ないです(昼間の特別便は18時〜、19時〜、20時〜から1時間の入れ替え制)。
昨日は23時まで特別営業をしていた売店も、今日は21時に閉まります。朝食用のパンを仕入れるか迷いましたが、早朝はそんなに食べたくならないので止めておきました。
部屋に戻ってバルコニーに出てみました。予想されていた揺れですが、期待した程には大きくならず波高1.5mならこの程度でも仕方ないか、というレベルでした。夫婦揃って「船はやはり多少は揺れた方が良い」と思う派なので物足りなさは否めません。
部屋の広さ22.9uは外から見てもいかにもゆったりしています。このサイズは設計時にラグジュアリー船のキャビンサイズを意識したものだそうでした。

寝るには少し早いので、定期フェリーの夜のパブリックスペースの様子をチェックしに出かけました。22時を過ぎたためか流石に人が少ないです。

部屋のある8Fのソファーの所では何人かが談笑していました。部屋に向かう通路のところには自動ドアがあるため、外の音は全く気になりません。

アトリウムの部分はかなり立派な造りで、夫が「にっぽん丸もこのぐらいやれよなー」とウルサイです。
寝る前に本船と姉妹船のさんふらわあ さつまに初導入された、SSQ(SunFlower Smart Quest)をチェックしておきます。HPに「船内でのイベント情報、船内wi-fi、船室検索、観光情報などお手持ちのスマートフォンやタブレット端末でご覧いただける様になりました」と説明が書いてありました。

ネット接続が出来るそうですが、不安定で繋がりませんでした。映画はそこそこのラインナップ、船内の案内図も手元で見られるのは便利です。


迷子にならないように自分の部屋がデッキプラン上どこなのかも見ることが出来ます。また寄港地情報や天気予報は便利そうです。他にもにっぽん丸の情報などが得られたそうですが見落としました。
フェリーの朝は早いため、夜更かしせずに寝ることにします。この時点で本船がいまどのあたりなのかわかりませんでしたが、あとからGPSロガーのデータを見たら足摺岬に近寄っている所でした。右斜め前からの波を受け、部屋がギシギシと音を立てているのが船らしくて大変結構です。
翌朝になった感じのBGM
フェリーの朝は早く、6時に容赦なく「レストランがオープンしました」と放送が入りました。まだサクっと起床する気にはなれません。
朝早い時間なので友ヶ島水道ワッチは多分ムリだろう、と思っていたらやはりムリで10分ぐらい前に一番狭いところを通過済でした。
夫は手早く着替えるや「ちょっと外見て来る」と出て行ってしまいました。この時期の瀬戸内海で盛んな二双曳漁のイカナゴ漁を撮影したかったそうです。漁船が優先のため操業時間帯に航路を塞がれてしまうことがあり、一日に数百万円の傭船料が発生している大型貨物船が通航出来ず、待機を余儀なくされることがあるそうです。
【画像はクリックで拡大】

いかなご漁について(第五管区海上保安本部のページ)
外に出るには着替えて顔を作らなくてはならないため、私の方は不精を決め込みました。ちょうどバルコニーから商船三井のカッコいいパナマックス(バルクキャリアー)が同航しているのが見えました。このパナマ船籍の「KAGARA」というフネは豪州から原料炭を運んでいます。
と、今度は私達が「イモト(井本商運)のヘンなコンテナ船」と呼んでいる内航船「ながら」と反航しました。コンテナ船として世界初の丸っこい船首を持ち、ブリッジも前面にある独特の船型は環境負荷低減に貢献しています。本船は一番船「なとり」の同型船で昨年の8月に就航した670TEUの新造船です。先進的なのでしょうが、古い頭では付いて行けず「ヘンなの〜」と思ってしまいます。

【画像はクリックで拡大】
夫が帰って来たので、部屋に付いていたドリップコーヒーと、さんふらわあサブレで軽い朝食を取ることにします。ようやく7時になったところなので、身体が全然目覚めていません。
7時15分頃、南港の防波堤をかわりました。あと30分も立たずに到着してしまいます。
しかし、起きた時から喉がマズい感じだったので、急遽部屋のお風呂に入って身体を温めることにしました。エアコンの温度調節が難しかったです。
左舷付け着岸(only)の本船はするすると志布志港と同様入船着岸をします。
外に見に行くとあっという間に係船し、またも左に傾きながらあっという間にランプウェイが出ていきました。作業がスムース過ぎてワッチや撮影が追い付きませんでした。
7時50分頃徒歩の人は下船可能になりました。多くの人は着岸するかしないかでアトリウムにスタンばっていたので、すぐに降りて行きました。
折角のフネなのに勿体ない、とばかりに部屋に戻って悠然と外を眺めたりしていたらパーサーの人が「下船が可能になりました」と言いに来ました。客船と違いお客も荷物も素早く降ろす、流石フェリーです。

ということで名残惜しくも素早く別れを告げて、2泊した我が家を後にしました。

エレベーターで下船口のある5デッキに直接下りました。着岸から僅か20分、あっという間の下船でした。
舷門で前方を見た時のさんふらわあマークの赤をしっかりと写真に収めました。
振り返って眺めるとよくわかります。これで一旦ターミナルビルに入り、すぐに出ます。
すると出口の目の前にさんふらわあバスが待っているので、乗り込みました。
素早い下船だったつもりでも、他の人の出足の速さにはかなわず実は最後の方だったのでバスはガラガラでした。
バスはフネから直角に離れて遠い所にあるルートを取ったため、最後に本船さんふらわあ きりしまが良く見えました。
それから別府航路のさんふらわあ こばるとを見つつ、ターミナルビルに戻りました。今朝は曇っていて灰色の空で白いフネが映えず残念でした。
帰りは港最寄りのトレードセンター前から1駅ニュートラムに乗り、地下鉄中央線で本町に行って御堂筋線に乗り換えるルートです。ラッシュアワー中の本町乗り換えが遠くて大変でした。

9時過ぎに新大阪駅に到着し、まずは帰りの切符を確保しました。JR大人の休日倶楽部のジパング割引はのぞみでは使えないので昔ながらのひかり号で帰ります。

10分後の9時16分に出るのがありましたが、せわしないのでその1時間後のにして軽く朝食を食べることにしました。ここまで来れば家に着いたも同然です。
食べ終わった後は買い物嫌いの夫と別行動になって、大阪みやげを厳選しました。早めにホームに上がるとひかり516号は既に入線していました。
定刻の13時10分に無事東京駅に到着しました。グリーン車は贅沢過ぎると思いますが、それなりに歳を取っているのでヨシとします。
それにしてもジパング倶楽部の30%割引の破壊力は凄まじいものがあります。初年度は他社線の場合4回目以降から30%割引になるため、私はまだ20%割引でしたがそれでも大きかったです。

ちなみに新大阪駅駅では551HORAIが並ばないで買えたので、豚饅と焼売をゲットしました。そしてスイーツは近畿地方に来たら外せない定番の赤福をゲットしました。

東京駅の南通路の丸の内側にある「PRESS BUTTER SAND」で、焼きたてのバターサンドをほぼ並ばずに買えそうだったので、初ゲットしました。焼きたて(写真右の4つ)は1個170円で、東京駅限定のレアものだったのですが、通常の箱入り(写真左、5個入り1,000円)の方が味が馴染んでいて美味しいと思いました(個人の感想です)。こうしてみると意外に値段に差があってびっくりしました。

最後に、Twitter用に短い動画を撮ったのを繋いでムービーを作りました。動画世代ではないので苦労しましたが、瀬戸内海に愛を込めて作成しました。

インターネットエクスプローラー等で下の動画がうまく表示されない場合