15日目 12月24日(木) オークランド 入港11:00 出港21:00 日出5:59 日没20:40
寄港地情報入国審査言語英語通貨港の位置ツアー発時シャトルバス
-英語-ニュージーランドドル客船ターミナル12:20 ~サービスなし
航海情報天候気温正午位置風向風速ジョギングデッキマシン陸上合計デッキ累計距離累計
曇り19.0℃36-51S 174-46E北東10m/s--10km10km199周111km
船内情報講演等イベント他船の揺れプール
--普通ノーマル
ダイニングランチ(6F)ランチ(11F) リド夕食ドレスコードディナーギャラクシーラウンジ(19:00)
親子丼洋食黒豚餃子セットカジュアル和洋折衷ローカルショー
今朝はオークランド入港と言うことで夫はかなり早朝に部屋を出て行きました。しかし5時半からスタンバイして8時までの間に僅か5枚の撮影でした。貴重な1枚はティリティリマタンギ島の灯台でした。
一方私は出足が悪く、8時過ぎにようやくゆるゆると起床しました。定点撮影でバルコニーに出ると今にも泣き出しそうな(というか一度泣いたような)雲行きでした。
その後一度ベッドに入り、パイロット船のブオーンブオーンと言う音で今度は本格的に起こされました。

ゆるゆると用意し、ワッチもあるしと言うことで朝食はパームコートで済ますことにしました。

朝食の時はカプチーノを飲むのが定番で、炭水化物はデニッシュ系にしました。終わってワッチ体制に入る前、昨晩夫が話した父のことを知っているというご夫妻と出会いました。海外の赴任先は父と同じ箇所もあったのですが、同じ時期ではなかったそうです。
9時過ぎから11Fオモテでワッチ体制に入りました。曇っていたのですが南半球の夏だしとつい半袖とサンダルで飛び出しました。
左に砦様のものが見えました。夫によるとニュージーランドの先住民族マオリの言葉では「パ」と言うそうです。MJサベージ・メモリアル・パークだと思われます。
大分オークランドの街が近付いて来ました。観光写真でよく見るスカイタワーが見えました。ラバウル、ヌーメアと寄港した後の高層ビルそびえる(比較的)大都会です。
見ているうちに少し寒くなってきたのですが、ちょうど掃除中で遠慮して上着を出せず、寒いまま通して皆に肌寒いのに半袖で頑張る元気な人と思われてしまいました。
結構狭いところに入船で予定より約1時間早い10時頃着岸しました。船長の到着案内放送があっても、スタッフキャプテン(副船長)はまだ係船の作業を継続中です。
寄港日の定例作業として、GPSデータロガーからのデータをPCに吸い出しました。吸い出すツールプログラムは古いのを騙し騙し使っているので、Windows8.1でも正しく動くかドキドキものでした。
下船準備が整い、ツアーの人達が出かけて行ったあと11時20分頃下船しました。私達の予約してあるツアー「ヨットセイリング体験」は14:50集合とかなり遅めです。
ニュジーランドは先進国なので緊張はしませんが、土地鑑はないので出張で何度か来たことのある夫を頼ることにしました。フネの付いた岸壁の反対側にはフェリーターミナルがありました。
降りてまっすぐ行った先の方が夫にはマグネットとビールを買いたいと伝えてあったのですが、相変わらず人の話を聞いていないのか(方向音痴なのか)、いきなり右折してバイアダクトハーバー(Viaduct Harbour)の方へ向かいました。私の勘では直進した方が店はありそうです。

結局目指す物はありませんでしたが、海事博物館とラグビーグッズの店がありました。海事博物館は海事というより海洋っぽかったのでパスし、ラグビーグッズはワールドカップで大活躍した日本代表のジャージは売り切れでした。

結局フネの方に戻り、近くのショッピングセンターで寄港地マグネットを買うことが出来、ついでにBBクリームを補充し、スナック菓子とチョコレートを買いました。今日はクリスマスイブですが、街は思ったほどクリスマス感がありませんでした。
ビールはまだ買っていませんが、お腹が空いたので昼食のメニューが好物だったこともあって、すぐそこにいる飛鳥Uに戻ることにしました。

御飯物 親子丼
冷菜 南瓜サラダ
汁物 春雨スープ仕立て
香の物
デザート 羊羹

順調にゴハンが出て来たため帰船してから20分ぐらいで食べ終わり、まだ時間がある、と今度はスーパーを目指して下船することにしました。ついに雨が降り出してしまいました。
港を出たらまたいきなり行く方角を見失った夫ですが、クイーン通り(Queen St)まっすぐ歩いて15分ちょっと歩いて地図で調べてあったスーパー(New World Metro)を見つけました。ただ外装工事中で入口はわかり辛かったです。
気になるサーロインステーキの値段は1kgあたり23.99ドルでした。80円とすると100gあたり192円で、やはり安いです。ワインとビールを慎重に吟味してレジに進みました。
船内のパック販売(30ドル2,730円)で買ったNZドルキャッシュを使い切り、残りはクレジットカードで支払うことにしました。しかし端末を全て自分で操作しなくてはならず、二度失敗し、結局昔ながらの署名方式でやっと決済することが出来ました。ホっとしたせいか利用控えをもらい損ねてしまいました。NZの5ドル紙幣はヒラリー卿で、今までイギリス人だろうと思っていました。
時刻は間もなく14時で、そろそろ船に帰ることにします。と、交差点の向こうにちょっと由緒ありそうな建物があったので夫を置いて見に行ってみると駅(Britomart Transport Centre)でした。中に入ると地下のプラットホームがあって列車が入線していました。
あとで調べたところ、建物は1911年に中央郵便局として建造されたもので、これを生かすために地下化したとのことでした。電光掲示板の行先は英語風のほか、パパクラ(Papakura)、マヌカウ(Manukau)、オネフンガ(Onehunga)と近郊のエギゾチック地名が表示されていて新鮮でした。

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時間があったら鉄道も体験してみたかったですが、そろそろ戻らないとツアーに間に合いません。近くのフェリーターミナルを眺めつつフネに戻りました。入港する時にも目立ったこの建物は1912年建造だそうです。

部屋に戻るとツアー集合時刻まであと15分ぐらいでした。荷物を置いてツアーに出ることにします。左が午前中に買ったもの、右が今スーパーで買って来た文字通り酒とサカナです。

飛鳥Uのツアーは皆出足が早いので、10分前に行っても最後の方になってしまいます。ツアーは16人×2ぐらいの2艇で行うようで、揃ったところで下船しました。雨が強くなってこちらが泣きそうです。ゾロゾロと朝一番に行ったバイアダクトハーバーの方に向かいました。ツアーには本船のアシスタントのほか、現地在住の日本人のガイドも一緒です。
桟橋近くで待機し、乗船証が渡されました。エクスプローラー・セイリングの「Courageous」(精神的にタフ)という50ft艇(15m)(会社のHPによる)みたいです。この会社は有名なアメリカズ・カップで走ったヨットも保有しているようでした。
ヨットは桟橋の一番端っこ付いていました。雨はいよいよ強くなり撮影するのもままなりませんが、折角なのでここは楽しむしかありません。
と、乗り込んですぐに階下のキャビンに案内されました。そしてまずはスナックと飲み物が出ると言うので、紅茶を注文しました。船長とクルーが一人ですが、彼らが手分けしてサーブしてくれました。
外は雨ですが、ヨットには雨合羽が用意されていたのでそれを着こんで外に出ました。港内はエンジンで走り、安全な所に出てから帆走を始めました。周りに何もいなくなったら「誰か操船したい人」と言われたので一番に手を上げました。
ペーパーとはいえここは小型船舶操縦者の免許を持っている者として、カッコ良く操船しなくては、とお立ち台をしばし独占しました。右端にいるのがキャプテンですが「スコシミギ」とか「ヒダリ」とか教えてくれるので安心です。「船の進路が正しいのはどうやってわかるんでしたっけ?」「舳先が目標物に対してブレていないかで」「あっ、そうそう、そうだった」
とハーバーフリッジ(Harbour Bridge)をくぐらせてもらいました。ヨットは大きさの割に高さがありますが、この橋のクリアランスは40mぐらいあるので全く問題なかったです。操船していなければ美しいトラス橋の写真を撮りまくったことでしょう。

【画像はクリックで拡大】
橋をくぐってすぐにキャプテンと交代し、ヨットは舳先を港に向けました。この後夫も操船させてもらい、1時間ほど経ったところで「まだ時間があるから飛鳥Uの方に行ってみようか?」とキャプテンがガイドさんに話しかけています。皆賛成したので艇は飛鳥Uのいるクイーンズ埠頭に向かいました。
段々と近付いてくる飛鳥Uですが、相変わらず雨も降っているのでカメラを守るのにも必死です。レンズの水滴も拭いきれません。
船尾の方から回り込み、左舷が見えた所でシャッターを押しまくりました。バンカーバージ(燃料補給船)の部分に水滴があったらしく、いい感じにぼやけました。
再び船尾の方を通り、船長の粋な計らいによるボーナスセイルは終わりました。惜しむらくは雨が降っていて背景が灰色だったことです。
ヨットは港を目指しました。操舵輪のある部分より前方の階段から下りた先のキャビンは意外と広いのですが、逆に甲板部分は狭かったので他の人が写りこまない様にするのに苦労しました。

跳ね橋をくぐって元いた場所に戻り、1時間半弱のヨットセイルは終了しました。

この間ポケットに入れてあったGPSロガーはきっちりログを取っていてくれたので、どういう風に移動したのか良くわかりました。飛鳥Uに乗船中は30秒毎に記録しますが、今回は時間も短いので10秒毎にしてありました。

ヨットを降りたらいつの間にか雨が止んでいました。元来た道を引き返し、あー今日は充実してて面白かった、とフネには17時前に戻りました。
と、思ったら一日はまだ全然終わっていませんでした。雨が止んだから走りに行こうと夫がその気になっています。今日の出港は21時と遅いため、確かに時間はたっぷりあります。ちょっと疲れて面倒でしたが、来て欲しそうなのを察知して覚悟を決め、その割にはノロノロと支度しました。
17時半になる前に再度下船し、今度は左の方の海沿いを走ることにしました。少し走るとあっと言う間に田舎っぽい雰囲気になりました。
あまり信号がないのでとても走りやすく、長袖シャツと短パンの気温も丁度良く、割と真剣に距離を踏むことになりました。
スマホしか持っていなかったので望遠で撮影出来ませんでしたが、オカフ湾(Okahu Bay)をぐっと回り込むとはるか彼方に飛鳥Uが見えました。後で測ったら直線距離で4.5kmもありました。
道中の街路樹で何とも言えない色の花はポフツワカ(ニュージーランド・クリスマスツリー)だそうで、オシベが道に落ちて赤い模様を作っていました。この時期ならではの光景のようです。
海沿いの道には線路が平行していて、時々電車が通ります。海外で見る列車はいつも新鮮で、ついつい沢山写真を撮りました。
線路は引き込み線がコンテナターミナルの方にも延びていました。目に付くのはP&O Nedlloyd、MAERSKとHamburg Südのコンテナでした。
その後ターミナル前で夫がダッシュを繰り返し、そろそろ帰りたいと思う私の心を知ってか知らずか、馴染みのオークランドを去りがたい夫はフネを通り越してまたバイアダクトハーバーに向かいました。
ディナークルーズにでも出ているのか、さっき乗ったヨットいませんでした。回転寿司屋を発見し、嬉しそうにメニューを撮影していると、中から人が出て来てパンフレットを渡してくれました。「Sushi Train」という店では唐揚げうどん($9.50)も出すみたいです。
岸壁に戻ると夫的にはまだ走り足りないのか、今度は飛鳥Uのトモ(船尾)の方まで走って行きました。折角なので本船を撮影し、18時50分にようやく帰船しました。ちょこっとだけ走るのかと思いきや1時間半も外に出ており、10kmも走るという本格的なジョギングになりました。
19時からのローカルショーまであと10分、少し見たいと思っていましたが時間がないと諦めていると、夫が部屋のシャワーを浴びて早く行けと背中を押してくれました。夫は過去に出張でこの類のショーは見たことがあるので今回は別に…というスタンスです。
最低限顔に何かを塗る時間も惜しく、素顔にメガネの禁じ手で10分過ぎにギャラクシー・ラウンジのスミっコに飛び込みました。歌と踊りと最後にハカがあり、コンパクトに本場の雰囲気を味わえて良かったです。
都合が良いことにショーが30分で終わったので、部屋のビアタイムに突入することが出来ました。ニューカレドニアの「Number One」と、先ほどスーパーで買った「MONTEITH'S Summer Ale 5%」です。ラベルにginger(生姜)と書いてあったので念のためフレーバービールではないかどうか確認したのですが、「違う」と言われたのにやはり味が付いてました。
普通のエールを買うつもりだったのにと思いつつ好みの味で美味しかったし、夏にしか売っていないみたいなので「期間限定もの」に弱い私としては良かったです。
19時50分頃食堂に下りたら、入口の所に地元ビール入荷のディスプレイがありました。既に一杯飲んでいますが、別銘柄は別腹(別肝臓)です。本日のメニューは「和洋折衷」です。
ラガータイプの「MAC'S GOLD 4%」ということで、炭酸もアルコールも低めなのかちょっとふぬけた感じがしました。

<先附> 冷製豆乳茶碗蒸し
<蒸し物> 鮑の酒蒸し

洋上で鮑も贅沢です。すかさずアスカサケを注文しました。
<冷菜> 鮪 鱸 帆立のサラダ
<メイン> メンチカツ

見た瞬間小さいと思い、その場でおかわりを注文しました。
<食事> 十五穀米和風リゾット いぶりがっことクリームチーズ あられ汁
<デザート>
卵を使わないクレームブリュレ

(別に使ってくれても良いのですが…)
満足して部屋に戻ると21時を少し過ぎており、フネは既に動き出していました。これはすぐに出港の儀だ、と夫は11Fオモテに向かいましたが、主婦にはやることがあります。
食事前にしかけた洗濯が終わっている筈なので、これを乾燥機に移す作業です。
その後夫とジョインすると、想像に反しオモテには私達以外誰もいませんでした。
同じ21時の出港でもニューヨークの時は沢山の人がいたのですが、今はとても静かです。
フネが針路を変え、段々遠ざかるオークランドの街が見渡せるようになりました。一日のうちに4度も下船したのは初めてでした。
昼間に自らヨットの舵を取ってくぐったハーバーブリッジも見えていました。
客船の出港時の、この先ほどまでいた街に別れを告げる感じはとても感傷的になります。天気だけは残念な一日でした。

【画像はクリックで拡大】
後ろではオークランドが見送ってくれていますが、前方は陸が離れて真っ暗になって来たので、ワッチを開きました。
その後新聞を読みに行った夫が全然帰って来ないと思ったら、先日知り合った飛鳥の元キャプテンに、某社の別のキャプテンを紹介されて盛り上がっていたそうです。洗濯は23時頃夫が回収してくれて助かりました。
寄港日でアクティブに過ごしましたが、明日から終日航海日が6日続いてくれるので、ゆっくり出来るとちょっとホっとしています。