2日目 6月2日(月曜日) 大分 出港19時15分(日没19:18) 翌朝 神戸 入港6時35分(日出4:50) 
18時頃ツアーから大分港フェリーターミナルに戻り、乗船券等の受け取りは夫に任せて本船の撮影に出掛けました。残念ながら雨が降っているのであまり綺麗には撮れなさそうですが、こればかりは仕方ありません。
出港を1時間後に控えているため、乗用車がオモテのランプウェイにどんどん吸い込まれています。

本船の左舷を見渡せそうな岸壁まで遠征し、無事全景を撮影することが出来ました。

5分強でターミナルに戻り、乗船券をゲットしておいてくれた夫の許に戻りました。
フェリーターミナルの売店では、おつまみからお土産まで品揃えが充実しているので便利です。
ですが、おつまみなら中でも買えるので何も買わず、18時20分「さんふらわあ ごーるど」に再乗船しました。大分港では右舷船首寄りの乗船口を使っています。
船の一室に預けてあった荷物を無事引き取り、元いた7007号室に戻りました。一度引き払ったとは言え、やはり戻って来るとホっとするのは船ならではの感覚です。
珍しく夫が船内の売店に自ら赴き、赤ワインをゲットしてきてくれました。
出港の10分位前からトモに出かけ、スタンバイを開始しました。小雨が降っているせいか、ほとんど見物客がいませんでした。
3基あるスターンスラスターが海水を掻き回し、ほぼ定刻の19時15分過ぎに離岸しました。
岸から十分に離れ、ここで自分で回って出て行くようです。

猿の餌付けで有名な高崎山とその向こうに別府の夜景が見えていました。

回頭している最中にエンジンが始動し、10分弱で回り終えました。出港の汽笛を録音しようとICレコーダーを構えていたら不発に終わり、代わりにブロワ音が録音出来ました。

偶然録音したブロワ音(897KB)

出港が日没時刻とほぼ同時だったので、どんどん暗くなっていきました。大分と、遠くに見える別府に別れを告げて本船は神戸を目指します。19時半過ぎにワッチを終えました。
昼食にしっかりと会席料理を堪能したものの、夕食も本船のバイキングできっちり食べるつもりでいた所、先ほど売店で買ったワインをレストランに持ち込めないことが判明し、急遽自販機食に切り替えることになりました。
レストランの入口には確かに持ち込み禁止とあり、船の言い分はよくわかりますが、それにしてもこのさんふらわあワインは例外として認めてくれてもいいのじゃないかと思いました。バイキング代1,540円×2を払うつもりだったのが、結局ホットドッグとたこ焼き(各360円)とどん兵衛(200円ぐらい)で済んでしまいました。
食事時間を思い切り短縮してしまったので、このままではツマラナイとマッサージを予約することにしました。
21時からなら二人同時に施術してもらえるとのことだったので、夫と二人30分の足裏コースをやってもらいました。この位の料金体系で客船でもやってもらえたらいいのにと思います。クルーズ客船スパとやらは高い上にマッサージが弱過ぎです。
戻るなり夫は気絶してしまったので、片付け物などをした後、22時過ぎに5Fにネット接続をしに行きました。
昨日は日中の航行とあって華やいだ雰囲気がありましたが、22時半には消灯もされ、いかにも夜行といった雰囲気になりました。
22時半過ぎ、本船は松山沖を航行しているところです。このあと23時40分に来島海峡大橋、1時50分に瀬戸大橋、5時20分に明石海峡大橋を通過しますが、すべて諦めることにしようと思います。

翌朝になった感じのBGM 

5時半の目覚ましで起床すると、既に明石海峡大橋は後方でした。
ケープサイズのバルカー「LONDON SPIRIT」がすぐそばに停泊していました。このクルーズで一番のこの大物は、ギリシャの船主と船会社が運航しています。フネ自体はユニバーサル造船の2007年出来でした。日本の船主だったらもうちょっと綺麗に使っているのでは、と思ってしまいます。
早朝過ぎて食欲がないため、昨日と同じく部屋に備え付けのドリップコーヒーとビスケットで簡易朝食にします。用意するあいだ夫はワッチに出かけると言うので、いいフネがいたらしっかりと撮影するよう頼みました。
そこで唯一撮影したのが別府から大阪南港に向かう「さんふらわあ こばると」です。何枚か撮影すれば当たりも出るのに、トモが切れてしまった絵は残念なことこの上ありません。

2013年はこのフネでも昼のクルーズをやっているのですが、1998年出来で設備が古くなってきているのがマイナスポイントです。
このフネとは2008年の2月にオレンジフェリーのワンナイトクルーズで南港に戻って来た時以来ですが、当時は経営統合前でファンネルは関西汽船の塗装でした。また船腹の太陽マークも現在より明るかったみたいです。
もう1枚、マストの国際信号旗を撮影して来てくれました。旗が巻きついていてわかりづらいのですが、神戸港入港マニュアルによると「第3区の六甲アイランド北側の係留施設に向かって航行する」場合の第2代表旗とR旗です。
朝のコーヒーが身体に染み渡りました。このカップは取っ手がなく、コーヒー・紅茶のほか日本茶にも使える優れものでした。
最後のトモワッチに出かけます。阪神・沖縄航路に就航するマルエーフェリーの「琉球エクスプレス」が到着していました。船籍港は奄美大島の名瀬と書いてありました。

琉球エクスプレスを見ながら六甲アイランドの北東の角を回ると、さんふらわあのターミナルはすぐそこです。

そのまま船尾を右に振って右舷に後進着岸していきます。ルーティーンの軽やかな操船です。
「あと5m」が「あと50cm」になり「あと10cm」のあと予定通り6時半過ぎに着岸しました。

よく見るとダイヤモンドフェリー時代のペイント跡が残る、オレンジ色のファンネルともお別れです(右の写真は2008年2月大阪南港の「さんふらわあ こがね」)。
6Fトモから7Fへ、見慣れた景色を通って部屋に戻ります。
6時40分頃部屋を引き払いました。昼間のクルーズと夜間の定期運航は全くの別物だと思いました。
受付に向かう階段は混んでいましたが、それでも数分で下船口に到達出来ました。
ターミナルから主要駅までバスが出ています。私達はこれから元町の方に向かうので、阪神電車の御影駅まで行くことにします。アイランド北口までなら無料なのですが、御影駅までは大人ひとり230円かかります。
このあと元町にある古いビルの古いタイプの喫茶店でモーニングを食べ、今回の旅行のもう1つの目的であるタグボート見学に向かいました。
見学、乗船したタグボート「布引丸」です。2012年に就航したまだピカピカで、総トン数208トン、全長34m、幅9.8mの堂々たる姿でした。

「働くタグボートの世界:神戸”布引丸”(2014年6月11日)」
いつか動くタグボートに乗ってみたいと思っていたので、その機会が得られたのは幸せなことでした。
帰りの新幹線のぞみ134号も、残念ながら改造版N700Aでした。新大阪でホンモノのN700A(勝手にスペシャルAと命名)とすれ違いました。

駅弁は15分近く売り場をウロウロして長考した結果、これしかないと新神戸駅実演販売限定の「神戸牛すきやき弁当(1,330円)」をセレクトしました。

一度乗船してみたいクルーズは、期待に違わぬ素晴らしいものでした。やはり昼の明るい時間に瀬戸内を航行し、三大架橋を一気に見られるのは凄いコンテンツです。
クルーズ自体も昨年までに合計11回催行されていることから、運営がこなれてきた(さんふらわあトラベルの人談)ようですし、認知度も高まっているようです。フネもそこそこ新しいので居心地が良く、トモに展望デッキがあって自由に出入り出来るのはフェリーとしては秀逸だと思います。

「昼の瀬戸内感動クルーズ(完)(2014年6月15日)」
また船内でのイベントもよくオーガナイズされており、整理券の配布などによって一度に大勢が殺到しないよう工夫されていました。以前は姉妹船との行き交いの時、電気が消されペンライトを振るイベントがあったようですが、残念ながら今回はありませんでした(写真は特設ルーレットコーナー)。
その日の天気は運任せですが、黄砂や水蒸気で霞みやすいが明るい時間の長い春季のクルーズと、空気は澄んでいても日没が早い秋季のクルーズのどちらを選ぶかは難しいところです。【2014年7月記】