1日目 4月29日(祝) 横浜 出港15時
2013年GWの企画は前年の11月に届いた旅行代理店からのダイレクトメールからでした。その会社がHISと共同で、一度乗船してみたいと思っていたコスタ船をチャーターして6泊7日の日本発着クルーズをやると言う案内です。済州島に寄るのは仕方ないとして、寄港地的にまあまあだったのと、コスタ船には一度乗ってみたかったので、デッキプランを調べまくってミニスイート(バルコニー付)に狙いを定め、メールで空き状況を問い合わせました。
本船はバルコニー付の部屋も多いのに、何故かミニ・スイート以上の上級船室ではバルコニーが少数派で、希望しているカテゴリーは僅か4部屋しかありません。が幸い残りあともう一部屋だった所を押さえてくれたとメール返信が来たので、すぐに電話して確定してもらいました。

偶然担当者は2010年にホーランドアメリカの船に乗った時に手配してくれた人だったので、「コスタはカジュアル船なのでプレミアム船とは大分雰囲気が違いますが(大丈夫か)」と尋ねてくれましたが、「いくつか乗っていて大体わかるから大丈夫です」と答えておきました(画像は11F船首部分)。
乗船手続きは12時からなので、10時半を目標に出発準備を整えました。これはかなり余裕のある出発時刻だったので、予定より10分程過ぎましたが夫からのお咎めはなしでした。ただ首都高は順調だったのですが、大桟橋前の最後の交差点が大渋滞で、ここを抜けるのに30分ぐらいかかってしまいました。
漸く大桟橋駐車場の入口に到達しましたが、前のクルマが全く前に進みません。乗船客は優先的に駐車出来る筈であるものの、10分程待っても状況が好転しなかったため、夫がゲートの前まで見に行きました。係員に尋ねた所、待っていたのは乗船客ではなく空きを待って並ぶ普通の車だったのでした。ということで、そのクルマ群を抜かし、ゲートにいた係員に印籠のごとく乗船券を掲示し、やっと中に入れました。通常は長々と駐車の儀がありますが、今回は空きスペースが限られていたため場所を選べずにするりと駐車しました
通常だとまず桟橋に出て乗船するフネの写真を撮影するのですが、駐車に予定外に時間をくって12時半になってしまっていたため割愛します。まずスーツケースを預けてから駐車場のクルーズ割引の処理をしてもらって、CIQコントロールに向かいました。ここにはスイート・ミニスイート客の通る優先ラインがありました。
日本を出国したものの乗船券はまだ手元にあり、乗船カードももらっていなままフネの横に出てしまい、そこでも列が出来ていました。結局ここで乗船券を渡して顔写真を撮られ、パスポートを預けて最後に、健康チェックの問診票を渡すという(よくある乗船手続きパターンとは異なる)手順でした。不慣れなせいかあまりオーガナイズされていない印象で、夫は問診票を渡さないまま乗船してしまうところでした。

など、多少の混乱はあったもののの、これから乗船するフネをこうして見るとやはり高揚感が勝ります。長さ250mの7万トンはバランスの良い船型に見えます。

ボーディングゲートを通って乗船した場所はオモテに近い吹き抜けスペース(プラネタリウム・アトリウム)だったので、近くのエレベーターに乗ってキャビンのある11Fに上りました。
そこから予約した部屋番号「11115」に向かいます。エレベーターと階段のあるホールの音が聞こえないよう、ガラス戸で仕切られていたのはちょっとフェリーみたいでした。
予約段階で右舷・左舷の指定は出来ませんでしたが、運良く希望していた左舷の部屋が割り当てられています。この通路の先にはミニ・スイートとスイートしかありません。通路入口にバトラーと客室係が待ち構えていて、部屋に案内してくれました。鍵は乗船カードとは別で1つがドアに刺さっていました。期待と共にキャビンのドアを開けます。

部屋に入ると右側にベッドが、左手にはリビングコーナーが広がっていました。かなり広くてイイ感じです。

ベッドの上に船内紙やら食事の案内等とともに、乗船カード「コスタカード」が置いてありました。それから避難訓練時に提出するカードも置いてありました。フネによって色々手順が異なります。

バルコニーもかなり広いです。入船右舷付けの左舷バルコニーからは山下公園と氷川丸が見えました。

次に客室に入ってすぐ左側の小部屋をチェックしました。このキャビンは4名泊れる部屋で、3人目、4人目のプルマン2段ベッドは収納した状態なので、広々としたウォークインクローゼットのように使えそうです。
この部屋の3人目は10万円、18才未満の子供はカテゴリーに関わらず2万円だったので、余らすのはもったいないと末の妹と姪を誘ったのですが、残念ながら日程が合いませんでした。
この小部屋の反対側に広々としたバスルームがあります。外国船なので当然とはいえウォシュレットは付いていませんでした。
アメニティー類はちょっとした高級ホテルのような感じに置いてありました。
リビングのテーブルの上にはウェルカムスパークリングとカナッペ、果物類が置いてありました。毎度乗れる訳ではありませんが、上級船室はやはり気分が良いものです。
一通り見終わった13時過ぎに、宅配便で出したスーツケースが到着しました。空腹を訴える夫を少々待たせ、荷解きをしてスッキリしてから食事に出かけました。とりあえず同じフロアのトモ(船尾)にあるビュッフェ方式のボレロ・レストランに行くことにしました。

他船に乗船した際寄港先でよく見かけた黄色い垂直に立ったファンネルが間近にあって、コスタ船に乗船していることを実感します。

流石イタリア船、美味しそうなサラミやブルスケッタが置いてあり、もともと高かった期待値が更に上昇しました。
そして外に出るとオリーブオイルのいい香りがしていて、パスタサービスをやっていました。
まずトマトソースのパスタを作ってもらいました。外国船のパスタは「食べない方が良い」というのが持論ですが、本船はイタリア船の面目躍如、しっかりと歯ごたえのあるアルデンテでした。
是非クリームソースの方も食べてみたいと思い、別のブースに並びました。こちらのクルーはイタリア語で「元気?」と聞いて来たので「とても元気」と答えてみたところ「オー、イタリア語話すんだねー」「いやいや、ちょっとだけ」と「イタリア語が少しわかる人」の気分に浸ってみました。

ボンジョルノ等の挨拶の他、コメ(how)、ボーノ(good)、ベーネ(well)、グラーツェ(thank you)、プレーゴ(not at all)、ポコ(little)ぐらいの装備です。
出来上がったパスタは意外とガーリックが効いていて、大変美味しかったです。これはディナーもかなり期待出来るのではないでしょうか。
ここのバーで「オール・インクルージブ・エクストラ」という定額飲み放題システムを紹介されました。身体に悪そうで少々迷ったのですが、折角のクルーズをとことん楽しもうということで申し込みました。1日(22.6ドル+15%)の26ドル×6(泊数)=156ドルでプレミアムもの(高級ワインや高級ジンなど)以外が何でも飲み放題になります。
避難訓練は出港30分前の14時半から、指定された左舷の集合場所に出向くと始まる気配がありません。またクルーズ船初乗船が多いのか乗船客の集まりも悪く、漫然とただ待ち続けていたのですが、フネ側がどういう手順で何をやりたいのか要領を得ないままあろうことか、出港時刻の15時を過ぎてしまいました。私達は大桟橋と反対舷にいるため全く様子がわかりません。
カードを渡した上に点呼もありましたが、その後特に船長の放送もないまま流れ解散になり、15時15分過ぎに慌てて右舷に行くと本船は既に岸壁から離れていました。大桟橋の近所に住む飛鳥Uワールドの時の船友ご夫妻が見送りに来てくれていたのですが、お互いに姿がわかりませんでした。
充分後進した後フネを回してオモテがベイブリッジに向いた頃、歓送放水がありました。橋をくぐるのを間近で見るため、一番上のプールデッキに上がりました。
15時40分頃、横浜ベイフリッジをくぐりました。75,000トンクラスの船だと5m以上余裕がある筈ですが、結構ギリギリな感じにも見えます。

無事くぐったのを見届けてから、出港パーティにまざってノリのいいエンターテインメントスタッフ(本船ではアニメーション・スタッフと呼ばれている)と共に激しく5曲ぐらい踊りました。

その後は部屋に戻り引き続き出港の儀を執り行います。16時半頃、第二海堡を左に見ました。
航路図と切り替わって出てくる航海情報によると、本船はほぼ真南(180.2°)に針路を取っているようです。

16時50分頃東京港の有明と那覇を結ぶ貨物RORO船「たかちほ」と、17時10分頃伊豆大島航路の高速ジェット船セブンアイランド「夢」(2014年9月に引退)と行き交いました。

1回目の食事は17時半とそろそろ開始ですが、私達の2回目は20時からでまだまだ時間があります。ということで、船内探検に出掛けました。この船体やや前方にあるプラネタリウム・アトリウムは5Fから14Fまでの吹き抜けで、昼間は陽光が差し込んで船の中と思えない明るさです。
アトリウムの一番下の部分にゲスト・サービス(フロント)があって、チャーター主であるHISやクルーズプラネットの人達が待機していました。
1つ上がって6Fの一番トモにフェスティバル・シアターがあります。2回目の食事の人達用に17時45分からプロダクションショーが始まっていました。1回目の人達は食後の20時からショーを見ることになります。
シアターは2層吹き抜けで、上層の7Fの脇には立派なチャペルがありました。やはりローマンカトリックな造りに見えます。
この7Fをオモテの方に向かって歩くと、モンテカルロ・カジノを避けずには通れません。

一番オモテには4層吹き抜けのコンコルド・プラザ・アトリウムがあり、ダンスはここで踊るような感じです。皆まだ荷解きの最中なのかあまり人が見当たりませんでした。

床が鋼板むき出しなのは残念ですが、6Fは全通のプロムナードデッキになっていて気分良く走れそうです。1周450mは飛鳥Uより10m程長いです。
トモでは力強くスクリューが回っているのが伺い知れました。本船は明日まる1日走って、翌々日に済州島に寄港します。
中に入り、同じフロアのオルフェウスバーでジントニックを飲むことにしました。飲み放題のパッケージでなかったら、このタイミングで飲むことはなかったでしょう。注文すると金額がゼロの伝票を持ってきてサインする方式でした。
アルコールが入って気が大きくなり、7Fオモテのコンコルド・プラザを再度覗きに行くとムーディーな照明に変わっていて、割とうまい人達が踊っていました。そんな中軽く3曲ほど踊るような積極性が出たのは、9年間のクルーズ(のダンス教室)経験の賜物です。
食事の時間が近づいたので、一旦部屋に戻って着替えをしてから予め指定されたレストラン、5Fのシンフォニアに向かいました 。が入口が長蛇の列だったので、一旦上のバーに引き揚げて時間をつぶすことにしました。飲み放題の弊害としてフローズンマルガリータを頼んでしまいました。
結局20時半頃レストランに入りました。本船のメインダイニングはシンフォニアの他に、厨房を挟んで前方にファンタジアがありますが、出る物は同じです。

メニューは英語と日本語で記されており、イタリアンシェフと日本人シェフの料理が別々に書いてありました。私達はイタリアンにしましたが、日本人シェフの方のメインは豚肉の生姜焼きです。

Appetizers

  • Seafood salad with celery, tomatoes and olives★


  • Italian Anti Pasti with Grissini's
厨房はまだ混乱しているのか、注文した白ワインがやや遅れて到着しました。
Soup

Onion soup with cheese crouton

この微妙な形状のボウルは味噌汁と兼用だからでしょうか。
Pasta

  • Gratinated lasagna "Portfino" with pesta, green beans and potatoes


  • Conchiglie pasta with artichoke and lamb sauce★
Main Courses

  • Salmon with herb crust butter★


  • Grilled beef cubes with herbed extra virgin olive oil, Sautéed artichokes
赤ワインに突入しました。バターが容器入りなのはカジュアル船では仕方のないところです。
Desserts

あっと言う間にデザートメニューを持って行ってしまったので、名前はわかりません。
食事は悪くないですが、昼間に期待した程ではありませんでした。特にメインの串焼きは肉が少なくて硬くていま一つでした。また着席してから最初の料理が出るのに30分、最初のワインがそこから更に15分かかったのはいくら何でも遅いと思いました。

トータルで2時間かかった食事を終えて6Fに上り、オモテの方に歩くとフォトエリアに写真が飾ってありました。今回はまだ撮影してもらっていないのでノーチェックです。
部屋に戻るとターンダウンがしてあり、タオル地のスリッパも置いてありました。また、船内紙は日本語版の他、例によって英語版も入れるよう部屋係にお願いしてあったのですが、ちゃんと置いてありました。
食事がゆっくりだったので、23時近くになりましたがまだ眠る気にはならず、とりあえず部屋から一番近いバー(シレーナ・バー)に行ってコーヒーを注文し、それからミネラルウォーターを購入しました。すべて飲み放題でカバーされるのがポイントです。
コーヒーを飲み終わってもまだ何となく部屋に戻らず、結局7Fオモテのコンコルド・プラザに舞い戻って数曲踊りました。そして〆にウィスキーの水割りを飲んでしまいました。初日から箍が外れ、明らかに飛ばし過ぎました。