牽引機関車
カシオペアを札幌から函館まで牽引するDD51ディーゼル機関車の二重連。18mの機関車が連なる姿は迫力があります。室蘭本線の東室蘭から五稜郭までが非電化区間です。
函館から青森までを牽引するED79交流用電気機関車です。青函トンネルを通行するための装備(ATC、防湿等)を備えています。
青森〜上野間を牽引するEF510交直両用電気機関車です。この日はたまたま北斗星色の513号機が割り当てられていました(右は同日に上野に到着した北斗星の514号機)。

E26系客車
札幌発車時に機関車の真後ろにあるのが1号車で、ここに展望スイートがあります。上りではほとんどの区間で機関車を見続けることになりますが、函館から青森間ではエンドが変わるため、最後尾で青函トンネルを楽しむことが出来ます。
なお「CASSIOPEIA」の文字はこの1号車と12号車(電源車兼ラウンジカー)にのみ記されています。
1号車1番の展望スイート(カシオペアスイート・展望タイプ)はこの列車で一番の設備で11.5uを誇ります。この日の予約は始発駅の札幌からではなかったようで、入口から撮影することが出来ました。
1号車と2号車にそれぞれ3室ずつあるのがメゾネットスイート(カシオペアスイート・メゾネットタイプ)です。2Fが広々とした座席の居間、1Fが寝室になっていて、合わせて11.7uあります。
トイレとシャワーユニットは2Fの居間の内側に付いていました。GPS画面もその横に設置してあるので、寝ころがって見るという訳にはいかないようです。1Fは駅を出ると明るい雰囲気になりました。
2号車1番が私達の「カシオペア・デラックス」です。8.2uにベッド、ソファベッド、座席2つが効率よくレイアウトされています。
以上の8室には洗面台、トイレ、シャワーユニットが付いていて、ウェルカムドリンクのバーセットも振る舞われます。
また、男女共用のアメニティキットも部屋に置いてあります。
以上の1、2号車の隣の3号車は食堂車です。2F部分に4人席が3卓、2人席が8席で合計28人が同時に食事可能です。夕食は17時15分(懐石御膳のみ)、18時半(懐石御膳とフレンチ)、20時10分(同)の3回制で事前予約が必要です。

1回目の食事案内放送(1.05MB)
1F部分は通路ですが、一旦階段を下りる必要があります。
4号車から11号車までそれぞれ4室ずつあるのが「カシオペアツイン(2F/4.3u)」です。東海道線のグリーン車の2F席のような展望ですが、天井が低く(180cmぐらい)やや圧迫感がありました。
同じく1Fの「カシオペアツイン(1F/4.4u)」です。やや低い位置からの目線になりますが、上方で窄まっていないため2Fよりは広く感じました。
ツインにはすべて洗面台とトイレがあります。自室で全て完結するのがカシオペアの凄いところです。
7号車から11号車に1室ずつ計5室の車端のツイン(1番)は、補助ベッドがあり3人で利用可能です。広さは4.9uで天井が高く全体的に広い印象を受けました。
もう1つの車端ツイン(2番)は4号車から11号車までの計8室で4.3uです。車端タイプの天井高は210cmぐらいです。
5号車と9号車にはミニロビーがあって、4人で座れるようになっています。すべて個室のこの列車のどういうシチュエーションで使うのかなと思っていたら、例えば4人組の仲間などがここに出て来て心置きなく話に花を咲かせているようでした。
ミニロビーの向かいには自動販売機があります。ソフトドリンクだけでアルコール類はありませんでした。
6号車と10号車には共用のシャワー室があります。カシオペアツインは部屋にシャワー設備がないため、入りたい場合はこれを利用する必要があります。30分単位の予約制でお湯は6分間出るそうです。食堂車と同じく、キャパシティーの問題から全員が利用出来る訳ではありません。
左が脱衣所で、右がシャワー室です。6分と聞くと短か過ぎるような印象を受けますが、ボタンを押して小まめにお湯を止めれば頭を洗ってリンスをしても6分は必要ありませんでした。
上りでは最後尾の12号車がラウンジカー(兼電源車)です。列車端のこの施設が北斗星やトワイライトエクスプレスとは一味違います。
上り列車の場合、函館〜青森間を除くかなり長い間後方展望を楽しむことが出来ます。逆に札幌行きの下り列車の場合、ほとんどの時間をEF510やらDD51が牽引する姿を眺めることになります。

翌朝に行ったらモーツアルトのオペラの序曲が優雅に流れていました。
とは言えやはり所詮後方は後方、電車の運転席かぶりつき席程は興奮しません。自分には(展望スイートも)向かないと思いました。それより電源車の運転音が聞えるのは良かったです。
ラウンジカーの入口付近には「カシオペア思い出ノート」が置いてあって、自由に書き込めるようになっています。同じ所にブルーリボン賞受賞記念プレート(2000年)が貼ってあります。Y2K対応騒ぎは遠い昔になりました。
カシオペアの客車のボディーはステンレスの地肌に5色のラインが入っています。5本はおそらくカシオペア座を構成する5つの星を表しているものと思われます。

 カシオペア・デラックスの詳細
カシオペアではどの部屋も個室の鍵は暗証番号式で、施錠する時も毎回番号を入れなければなりません。ドアを開けると正面が洗面室です。
部屋の中に入るとすぐ左にクローゼットがあります。下には3人目用の寝具が置いてあったので、キャリーバッグを入れることは出来ませんでしたが、上着などは架けられるので部屋がスッキリします。
最初に部屋に入ると、左にあるソファはベッド状態にしてセットしてあります。シーツを外してソファ状態にするとスペースが広くなります。また、窓際の座席を展開すると、3人目用の補助ベッドになるそう(試さなかった)です。
時計や液晶、インターホンが集中していることから、入って左がの線路方向の物がマスターベットだと思われます。ソファから展開しているため、やや固めなのと真ん中に溝があります。
奥の枕木方向のベッドはいい感じの閉塞感がある、コージーコーナー(居心地の良い空間)でした。ベッドの向きはL字配置になっている訳ですが、揺れ方はどっちもどっちだと思います。慣れていなければ熟睡はムリかもしれません。
液晶ではGPS画面のほか、NHKのBS放送も視聴可能です。個室の電気を落とし夜の車窓を楽しむ時には、窓に映りこんでジャマでした。またGPSは導入当初は画期的だったでしょうが、現在では一昔前のカーナビな感じで通過駅すらわからないのは残念です。
インターホンで食堂車を呼び出すことが出来ます。パブタイムにはこれでルームサービスを頼むことが出来るそうです。

私達はウェルカムドリンクセットをすべて飲み干した後、そのセット一式を片付けて欲しいという連絡と、朝食時にそろそろコーヒーをというお願いをした時に利用しました。
食堂車は夕食を食べに行き雰囲気がわかったので、朝食はルームサービスにしたのですが、混雑が関係ない上顔を作る必要がないのでとてもラクです。これはスイートとデラックスの嬉しい特典です。
ウェルカムドリンクのバーセットも飲み助にはかなり嬉しい特典でした。
シャワーの給湯はボタン式なので、出したり止めたりが簡単に操作出来ます。家でもこの位小まめにお湯を止められれば良いのにと思います。
開閉式のシンクの上にある鏡の中には歯磨き用の紙コップと、石鹸が置いてありました。ドライヤーがあるので便利ですが、(海外のホテルに備え付けであるような物のような感じで)少々パワー不足でした。