75日目 6月16日(木) コスメル 入港9時半 出港22時 日出6:06 日没19:29
寄港地情報入国審査言語英語通貨港の位置ツアー発時シャトルバス
船側で一括スペイン語多少は通じるメキシコペソ(一部米ドル可)中心部7:35〜運行なし
航海情報天候気温正午位置風向風速船の揺れジョギングデッキマシン陸上合計デッキ累計距離累計
晴れ33℃20-31N 086-57W東6m/s- ---0km598周405km
船内情報講演等イベントメインショードレスコード食事情報ランチ(6F)ランチ(11F)ディナー
--ローカルショーカジュアル卸し蕎麦洋食和食
目覚ましが6時半に鳴りましたが、まだ眠くて全然起きられません。夫は張り切って先にワッチに出かけてしまいました。

きょう本船は10時にコスメルに入港予定ですが、その前に一旦ユカタン半島のプラヤ・デル・カルメンに近寄って、マヤ文明のチチェンイツァ遺跡や、カンクン観光のオプショナルツアー客を沖で通船に降ろす手筈です。
右舷には既に通船が来ていて、本船はバウ・スラスターをフル活用して船位を保っているようです。
漸く起き上がって7時半に7Fの「プロムナード・デッキ」に見に行くと、ちょうど乗り込み作業をしている所でした。
まだ出発しそうになかったので、朝食を取る事にしました。かなりの人数がツアーに出たのか、いつもよりかなり閑散とした雰囲気でした。最近温野菜を取ってから、一旦サラダコーナーに引き返してドレッシングをかけるのが定番となっています。
と、食事中の7時55分頃、通船が一旦後進して離れていきました。マヤ文明のピラミッドに興味がない訳ではないのですが、登頂出来ないと聞いて「ならいいや」と思ってしまいました。
今いるあたりからユカタン半島とは反対側に1時間ほど行ったところにコスメル島があり、通船が去ると本船もすぐに走り出しました。早速オモテの定位置にワッチに出かけます。双眼鏡を覗いている夫によると、コスメルには既にかなり大きいロイヤル・カリビアン(RCI)船が停泊しているようです。
また右舷には本船と同じようにコスメルに向かうカーニバル船「CARNIVAL INSPIRATION」も見えています。
すると9時頃に船長のアナウンスがあり、ロイヤル・カリビアン船は2009年に就航した世界最大の客船「オアシス・オブ・ザ・シーズ(OASYS OF THE SEAS)」とのことでした。本船もその近くに行くのかと思ったのですが、違う場所に着くようです。
近付くにつれ、段々とその姿が鮮明になってきました。「ででででか!」そんじょそこらのビルよりも大きく威圧感があります。「いち、にい・・・」とバルコニーのあるキャビンがいくつあるか数えると8層もありました。このフネの中には吹き抜けで公園があったり、5,400人も乗る船だから当然のサイズなのかもしれません。カーニバル船はオアシスの方に流れて行きました。
本船が着く町の中心部に近い桟橋が近づくにつれ、ちょっと信じられないような海の色になりました。コバルトブルーと言えば良いのか、とにかく綺麗な色で驚きました。
10時の予定より早く、9時半頃サンミゲル(San Miguel)という町のダウンタウンにあるプンタ・ランゴスタ(Punta Langosta)桟橋に着桟しました。
カーニバル船はオアシスの後ろに隠れて行き、そのあたりで着岸したようです。全長260m、70,000トンのカーニバル船ですが、360m、225,000トンの前ではまるで大人と子供のようでした。

「オアシス・オブ・ザ・シーズ(2011年6月21日)」
10時15分頃下船して、カメラクルーに遠くのオアシスを背景に写真を撮ってもらいました。コスメルでは特に予定もなく、事前に配られた地図を見て中央市場ぐらいは行こうかと思っています。桟橋を歩いていると空が青く、振り返ると本船がとても綺麗です。
桟橋の向こうにはちょっとしゃれた感じのショッピング・モールがあり、みやげ物も充実しているようだったので、どんな物をいくらで売っているのかちょっとチェックをしてみました。北欧の法外な物価高が身に染みた身にとっては、メキシコの物価はその3分の1ぐらいの印象でした。

海岸通りを歩くと、本船の絶好撮影ポイントがあったので2箇所で撮影しました。三脚を用いて自分達も一緒に撮影し、その写真はめでたく年賀状に採用となりました。

それから市場に行く前に、ロイヤル・カリビアン船を歩いて見に行けるかどうか聞くため、地図にあった観光案内所を目指すことにしました。が海沿いの道を少し歩くだけで「あっつ!」猛烈に暑いです。すぐに汗だくになり化粧も何もあったもんじゃありません。
時々土産物店を冷やかしながら、11時半頃観光案内所に到着しました。本船でもらったものより広域の地図をもらい、「オアシス・オブ・ザ・シーズ」の位置を教えてもらいました。ここから3マイル(約5km)あるとのことで難しいところです。
観光案内所を出てから約15分で中央市場(Mercado Municipal)に到着しました。
海外の市場で見る魚類は、日本のものに比べてぬめっとしていていまひとつ美味しそうではありません。日本が世界に誇る鮮魚処理法、活け締めにはしていないのでしょうか。

思ったより小さい規模の市場でしたが、メインは魚より肉類のようです。相変わらず冷蔵もせず無造作に売られているため、ムっとする獣臭がありました。

食品の他、雑貨店もありました。所狭しと色々なものが置いてありました。
今晩の食事は外でと決めてあります。海沿いの道に出るまでにいい所はないかチェックしていたところ、「La Mission」というシーフード料理店が目に入りました。店先に飾ってある伊勢海老と大海老が美味しそうです。同じ道に「VIVA MEXICO」という店があり「夜に戻って来てネ」と店の住所を書いたカードを渡してくれました。
とりあえずフネの方に戻ってみることにします。
「TANZANITE」はクルーズの寄港地でよくみかける宝飾店で、わざとらしく「本日50%オフ」などと書いてあります。歓迎「カーニバル・インスピレーション」「オアシス・オブ・ザ・シーズ」に挟まれて手書きの船名は我らが「飛鳥U」です。スペルがスペイン語風に「AZUKA」となっていたので、本船の乗船客は見落としてしまったかもしれません。
「飛鳥U」のいる桟橋のあたりに戻って来たところ、まだ時刻は12時半ぐらいだったので他にすることもないと「オアシス(・オブ・ザ・シーズ)」の方を目指すことになりました。それにしても暑いです。気温は32度ぐらいでも、北緯20度の日差しの強さが強烈に照りつけてきました。
5分ぐらい歩くと道の右側の海沿いにいくつかレストランがありました。バケツビール(氷水の入ったバケツにビールのボトルが冷やしてあるもの)5本、ナチョス付きで11米ドルなどという看板は「では今すぐにでもいただきましょう」と言いたくなります。

ピーカンの太陽とそれを反映したサファイヤブルーの海が美しく、この辺りはとても雰囲気があり、どこにカメラを向けても旅行のパンフレットにあるような、南国のイメージ写真のようになりました。

振り返ると「飛鳥U」も見えていました。流れる汗をふきつつ、あの中は涼しいんだろうなとパームコートのアイスコーヒーが頭に浮かんだりしました。
本船のあたりから15分程行った所に「ドルフィナリス(Dolphinarius)」という施設があり、手軽にイルカ触りを出来そうだったのですが、水着は必須アイテムです。徒歩圏内にあったので、知っていたら持って来たのに残念でした。
イルカとの触れ合い体験ツアーは、バハマからのオプショナルツアーがあったのですが、最小催行人数(20名)にならなかったらしくキャンセルになっていました。イルカが特に好きということもないですが、やはり得難い体験だろうと言うことでいつかは触ってみたいと思います。
この先にオアシスを撮影出来るポイントがないかと、その後200mほど先に進んだのですが、この辺りの海岸線は個人所有が続いているようでいつまで経っても海に出られません。ということで、ここらで諦めて引き返すことにしました。
帰りはスーパーマーケットに寄ることにします。行きには気付かなかったのですが、スーパーの手前に広場があり、その奥に市役所(Palacio Municupal)がありました。
スーパー「MEGA」は「飛鳥U」まであと5分位まで迫ったところにあります。北欧で抑制されていた購買欲を一気に解き放つことにしました。

スーパーでは汗が流れた顔にも身体にもエアコンが沁みました。まずはカラフルなビール類をチェックしました。コロナは本船がニューヨークで仕入れていて数回飲んだので、それ以外を見繕いました。

ツマミ類のほかに、カップーラーメンも買って帰ることにしました。東洋水産のマルちゃんと日清食品のカップノードルの両方を売っているのですが、メキシコでは「マルチャン」と言えばカップ麺のことを指すぐらいにマルちゃんが大人気です。

ということでテカテ(TECATE)6本、パシフィコ(PACIFICO)1本、ソル(SOL)1本、ツマミ(ポテトチップスやオイルサーディン、チョコ類など)、カップ麺(マルちゃんのクイックパスタ、カップヌードル激辛エビと激辛チキン)を手に入れました。こんなに買っても30米ドルかと感激しながら帰途につきました。

桟橋のある建物には2階からしか入れないので、一旦階段を上って歩道橋で道を渡りました。
港に入ってからちょっと判りにくそうな場合には、要所要所に日本語で本船への道筋が案内されています。木目の細かい対応です。
桟橋では午前中に出発した時よりも雲が減って、海の色が更に綺麗になっていました。暑くて汗だくになりましたが、戦利品を抱えて14時半頃帰船しました。

その戦利品を部屋に置き、お腹が空いていたのでティータイムのクッキー類食べに11F「パーム・コート」に行きました。外の暑さとは対照的に、快適でゆったりした時間が流れ出しました。

部屋に戻るときに外を覗いたらプールがとても気持ち良さそうだったので、15時過ぎから15分ほど泳ぎました。海域によって本船のプールの水の色も変わるのですが、いかも南国といった色でした。
シャワーしてさっぱりした後、16時半頃に再度下船しました。桟橋には本船が来たことを示すペイントが描かれていました。初寄港したホニングスボーグ版と異なり、「2011(年)」が入っていません。
どこに食べに行くのかは決まっていませんでしたが、私の第一希望であったシーフード店は却下され、夫がいくつかもらったチラシの中から「ここのハッピーアワーが一番おトク」と17時頃海岸通り沿いの「ビバ・メヒコ(VIVA MEXICO)」に入りました。
すると席からはしっかり「飛鳥U」が見えるという絶好のロケーションでした。着席して本船を見ていると「あのフネなの?時間は大丈夫?」「22時出港だから」「なんだ、じゃあたっぷり時間あるね」ということで、まずはメキシコビールを注文しました。夫はドスエキス(XX)、私はスペリオール(Superior)です。
もらったチラシに「ハッピーアワー(Hora Feliz)4時〜7時、1×2(1本の値段で2本を)」ということで、半額になるのかと思ったら2本ずつ持ってきたため、テーブルの上にはいきなり4本の小瓶が並びました。本来1本35ペソ(US$3.20)でも十分安いのに、それが半額の1.60ドル(円高マジックで130円)とは夢のようです。
同じビール2本は飽きるので、1本は夫と交換しご当地流のライムを絞って喉に流し込みます。「くぅ〜〜」炎天下を市場を覗いたりオアシス目指して1kmを往復した(万歩計は1万6,000歩)ので、身体の隅々まで沁み渡りました。
チキンウィングはハニー味とハバネロ味のコンボです。本船にはない、身体に悪そうな濃い味で、しかもハバネロは容赦ない辛さでした(80ペソ、7.30ドル)。
メキシカンプラターには、「メキシコ料理」と言われたら頭に浮かぶものがいくつか載っかっていました(80ペソ、7.30ドル)。
ビール2本を飲み終わったので、カクテル(フローズンマルガリータとストロベリーダイキリ)を注文するとまたも2ハイずつでした。この店のシステムからしたら当たり前なのですが、1つずつ頼むという知恵がありませんでした。量の多さにびっくりしましたが、飲み切りました(本来1杯が90ペソ。ハッピーアワー価格で1杯あたり45ペソ、4.10ドル、円高割で330円)。
18時を過ぎた頃、夫が目ざとく地元船と「飛鳥U」の間をそろそろと動く「オアシス・オブ・ザ・シーズ」をみつけました。
食事をしながら「飛鳥U」を見ることが出来たのでとても良かった上、世界最大の客船が動くところまで見られてラッキーでした。
船尾が夕陽に照らされて綺麗です。そう言えばこの店に入る直前に、家族連れのアメリカ人の男性が奥さんに向かって怒りながら「もうほとんど(出港時刻の)6時じゃないか!」「だってあそこの…」というやりとりが聞こえました。あの時点ですぐにタクシーに乗れば十分間に合っただろうとは思いますが、このフネだったのでしょうか。
すっかり酔っ払って18時半頃チェックアウトしました。これだけ飲み食いしても410ペソ、37米ドルということでメキシコは天国のようです。
店の1Fにある売店で、寄った勢いで「メキシカン・サバイバルキット」を購入しました。メキシカンなハットとマラカス、ラムの小瓶、ラム用ショットグラス、ラグが付いて10ドルでした。この「COZUMEL」と書いてあるメキシカンハットは夫のお気に入りになりました。
最終帰船の21時までは2時間近くあります。真っ直ぐ帰るのも勿体無いので、ふらふらと裏道に入ったりしました。
この店(Señor Frogs)はバハマのナッソーにもありました。ワーゲンの所で皆が記念撮影しているので、私達も道行く人に撮影してもらいました。
19時過ぎに船の近くまで戻ると、カーニバル船が出て行くのが見えました。
ターミナルに入り船の方に向かいますが、段々と暮れていく風情にもう少しだけここにいてもいいかも、という気分になります。
免税品は何を売っていたのか、最後にチェックしてみたかったのですが流石に店仕舞いしていました。

昼間に白く輝く客船は綺麗ですが、夕方に段々と照明が浮かび上がる姿は何とも言えません。暗い時の方が我家感があります。

三脚を使って自分達も本船を背景に何枚か撮影をし、19時45分に帰船しました。
丁度2回目の食事開始時刻だったので、ナマナが演奏をしていました。食べた量は多くなかったですが、沢山飲んでしまったのでもう1回食べる元気はありません。
21時を過ぎ、コスメルはすっかり暗くなりました。
左舷のバルコニーからは、桟橋の向こうについ先程までいたサン・ミゲルの町が見えています。暗くなった中、まだ走り始めていない本船のプロムナード・デッキを歩くのも一興かと思い、下りて行きました。

サン・ミゲルの町の上に月が出て、それが町越しに海を照らしています。この出港までの時間は町と船がお互いに名残を惜しんでいるように思えました。

遅い時間なのでボン・ヴォヤージ等はなく、予定通り22時に静かに離岸しました。出港の長声3発は町に響きわたりました。
後進のまま町の中心部の方に進み、岸から十分に離れてからパイロットを降ろして前に進み始めました。
バルコニーでしばらく出港シーンを眺めていましたが、炎天下を沢山歩いた疲れとハッピーアワードリンクの相乗効果で、部屋に戻るなり文字通り「バタンキュー」でした。