パシフィック・ドーン 南太平洋クルーズ乗船記 (2010年2月17日)

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5日目 ポート・ビラ/バヌアツ(リフーから204nm) 入港8時 出港17時
今日も朝7時半に目覚ましをかけていたところ、それより早く7時前に夫が目覚めバヌアツ共和国のエファテ島にある、首都ポート・ビラへの入港を眺めていました。
沢山の小型ボートがひっきりなしに沢山の人と荷物を載せて、ポート・ビラに向かっているようです。
ポート・ビラの岸壁は特に建物もなく、資材置き場の延長のような場所にありました。予定通り着岸し、8時15分頃にはオプショナルツアーの人達がぱらぱらと下船していました。
朝食はいつも12Fの「カフェ・デル・ソル」でしたが、昨晩の船長主催のパーティを無難にこなしたことで気が大きくなり、1回ぐらいは7F「パーム・コート(メインダイニング)」で食べてみようと、勇躍二人で乗り込みました。大きいテーブルに二人だけ案内されたので「ラッキー」と思っていたら、あっと言う間にフルに埋まってしまいました。でも朝はさほど会話をしなくても何とかなりそうでした。
ひととおり注文したら、いきなり夫が隣の男性に話しかけたので驚きました。少ししたら私の隣の男性が私に話しかけてきました。「どこから来たの」「東京」「今はオーストラリアに住んでるの」「東京」「あ、向かいに座っているカップルの二人の息子が日本に住んでいるんだって」みたいな感じの会話をしました。今度は夫がまた参戦し、新たな話題の提供をするので驚きました。

夫は目玉焼きを、私は二品ある日替わりメニューのうち「south pacific sunrise」fresh pineapple boat filled with tropical fruit salad with honey yoghurt dressingを食べました。

メインダイニングからの帰りに、どうしてわざわざ英語でしゃべり出したのか聞くと「仕事と同じでつい気を使ってしまう。だから外人と一緒は嫌なんだ」「…」

7Fのプロムナード・デッキから見ると地面が近いのですが、岸壁の所の水路に係留してあるボートの影が海底に出来ているのが見えていました。
10時過ぎに下船しました。下船したところに現地のコスチューム(腰ミノ)を着た男性が二人いて、記念撮影をしてもらいました。
とりあえず皆が船首方向に向かって歩いているので、付いて行くと港の出口がありました。
港を出た所道の両側に沢山みやげ物屋が出店していました。とりあえず一回りしてみましたが特に買いたいものはありませんでした。それにしても日差しが強く、太陽が肌に突き刺さります。南緯17度44分ですから無理もありません。
この港は今まさに整備してターミナルを作っている所で、日本のODAにより整備されている所でした(平成20年度予算、17億円)。五洋建設が監督しており、東洋人が何人か現地の人を指導しつつ現場監督をしていました。こういう所で国旗を見るのは誇らしいですし、バツアツの人々が将来日本に感謝してくれるのであれば意味のある援助だと思います。
時間はまだあるので、乗り合いタクシー(一人US3ドル)で町まで行ってみることにしました。ガイドブックに詳しい地図が出ていたので、感じをつかむことが出きましたが、とりあえずDUTY FREEと書かれた店に入ると「クレジットカード持ってないよ」「エッ」何か買う予定があったわけではありませんが、現地通貨も持たず、カードも持っていないとなると何もできない感じです。仕方なく見学に徹し、公営のマーケットに行きました。

1カゴ約440円〜550円焼き魚や蒸し芋等の料理もヤシガニ?7,000円弱と高額

市場はやはり当地の食文化の一端を見ることが出来るので面白いです。フードコートのような場所もあり、ここで調理しています。食べるのにはちょっと勇気が必要かも。
まだ11時前だったので、メインストリート沿いにもうちょっと先まで歩いてみることにしました。

右側に財務省(Ministry of Finance)が入っている政府の合同庁舎と思われる建物がありました。

バヌアツは船籍登録誘致に力を入れており、秋の「ぱしびい」クルーズで見かけた佐藤汽船の「RUBIN PEARL」も船籍港はここ「ポート・ビラ」です。

露店が連なる場所を抜けるとちょうど本船が見渡せる場所があり、ミニ三脚を使って年賀状用に記念撮影をしました。本船の左手には「イリリキ・アイランド・リゾート&スパ」があり、水上にせり出したコテージも見えました。それにしてもこの海の色は素晴らしいです。
再び市場の辺りまで戻り、船まで戻りそうなバンをみつけて12時頃港に戻りました。暑い中コンクリートを流し込む作業をしていましたが、工期は2009年4月から2010年6月までとあったので、4ヶ月後に完成予定です。
メインマストのバヌアツ国旗が青空に映えてとても綺麗でした。
2時間あまりのポート・ビラ滞在を終え、涼しい船内に戻って来ました。外国船は帰船すると必ずセキュリティー・ゲートがあって手荷物をチェックされます。

戻ってすぐにジョギングしてしまうことにしました。走り終わった後、わざわざ歩いてもう1周し、先ほど見上げたバヌアツ国旗や、本船のP&O旗、それから船尾の英国商船旗などを撮影しました。そこから見える海はこの世のものとは思えない美しさでした。

12F「カフェ・デル・ソル」は24時間オープンではなく朝は5時半〜11時、昼は11時〜14時半、夜は17時半から22時の営業となっています。ポート・ビラで沢山歩いたので、ランチを食べることにしました。
昼にここに来るのは乗船日以来となります。サラダと焼き野菜などを中心に、ツナサンドなども取って来ました。手前はフルーツカクテルでデザートがわりです。
食事の後はプールサイドで読書をすることにしました。ギンギンの日差しが肌につき刺さってきたので、途中から日陰に避難しました。この辺りは「リド・カフェ」から飲み物のサービスを受けられるのですが、ここにいるインド人のウェイターの物腰が、何となくですが本船がイギリスの船であることを再認識させてくれます。
シャワーを浴びさっぱりするとビールモードに。今日は夫が禁酒すると張り切っていたので、自分で買いに行きました。まわりのオージー達が瓶で飲んでいてちょっと気になった銘柄「PURE BLONDE」を買ってみました。水分をギリギリまで我慢した喉に染み渡ります。

出港は予定通り17時で、バルコニーから見守りました。本船の汽笛3声はじっくりと長く鳴らし、なかなか深いいい音です。ゆっくりとブイの間を抜け、外海に出るとスピードを増しました。遠ざかる島を見ているとなんだか寂しい気持ちになりますが、この別れを惜しむ時間が流れるのが船旅の醍醐味です。

本日のドレスコードは「スマート・カジュアル」ですが、「トロピカル(Island Attire)」と副題が与えられています。P&Oオーストラリアの7泊以上のクルーズにある「テーマ・ナイト」です。日によってカントリー&ウェスタン(昨日)、太平洋の海賊、アイランド・ナイト(デッキパーティー)、ロックン・ロール、等の種類があるようですが、今晩は服装がトロピカルと明記されていました。
デッキパーティーがあるせいか、メインダイニングのメニューは今ひとつだったので、予約もしておらず、18時半頃12Fのデッキに出掛けて行くとプールサイドにビュッフェ台が出ていたので、ホットドッグとハンバーガーを食べることにしました。
外の方が賑やかなのですが、あまり多くはないテーブルと椅子は既に満席だったので、「カフェ・デル・ソル」の中に持って来ました。夫の禁酒の誓いは崩れ、「TOOHEYS NEW」をいうビールを注文しました。
私達の席は通常のビュッフェなのですが、少し向こうは有料レストラン「シーフード&ステーキハウス」なので、テーブルクロスがかかっています。

ホットドッグだけでは足りないと、夫は足し野菜などを、私はデザート類を追加で取って来ました。

ドレスコードに従って、私達もハワイで仕入れたお揃いの柄のアロハシャツと袖なしのドレスを着ているのですが、「リド・プール・バー」近辺では何と腰ミノやココナツブラジャーをつけたオージー達が楽しんでいました。ポート・ビラの港のそばの露天で腰ミノやココナツブラを売っていて、誰が買っていつ着るのだろう、と思った謎が今解けました。
14F「サン・デッキ」に上るとプール近辺の雰囲気が良くわかります。南国風に葉が飾られ、トロピカルな照明になっています。
ところで、私達のお揃いのアロハは思いのほか好評で、あちこちで同世代やもうちょっと上の人達から「お揃いなのね!(Oh, you are matching.)」「ステキ(How cute.)」と声がかかりました。また、声がかからなくとも「見て見て、ハニー、あの二人お揃いよ!」と妻が夫に声をかけていたり、立ち止まってこちらを見ていたりと、かつて今までこれだけ注目を浴びたことがあっただろうか、いやない、という手ごたえです。
すっかり気をよくして予定外にポートレート写真を撮影しに行ってしまいました。最近気になる目尻のシワが出ないよう、目は笑わないように気をつけていたら、凄味のある恐ろしい顔になってしまいました。
部屋に戻る途中7F「ベンガル・バー」を覗いてみると、こちらもすっかりトロピカルな雰囲気になっていました。
注目を浴びる快感をもう少し味わいたいと、もうちょっとだけ練り歩くことにしました。12Fのデッキに行くと見事な腰ミノ姿の男性がハンバーガーを盛り付けているところでした。西洋人は胸板が厚いので、こういう姿がバッチリ決まっています。
「リド・プール・バー」もますますの盛り上がりです。昨日話した三等航海士のショーンは、本船はイギリス本国のクルーズと大分雰囲気が違うと言っていましたが、こういう明るいノリはダウン・アンダー(オーストラリアのこと)独特のものかもしれません。
部屋に戻ると洗濯物が洗い上がって届いている横に、明日の船長主催「キャプテンズ・クラブのカクテルパーティー」の招待状が届いていました。そういえば、キャプテンズ・クラブ(P&Oリピーター)又はキャプテンズ・サークル(プリンセル・クルーズ乗船者のリピーター会員)のメンバーであることを知らせてくれれば招待します、みたいな案内があったので夫の名前を書いて出してありました。
夜遅く8Fの「インターネット・カフェ」に行ってネット接続し、日本の情報を仕入れました。部屋で出来れば便利なのですが、残念ながらここまで来ないと繋がりません。