レジェンド・オブ・ザ・シーズ 上海・韓国クルーズ乗船記 (2010年5月8日)

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7日目 釜山 入港8時 出港18時
ゆっくりした夜だったにもかかわらず就寝は1時過ぎていたので、夫がゴソゴソと起き出した7時にはまだ目が開きませんでした。夫は11Fのジョギングトラックまで入港ワッチに行って、何枚か写真を撮影して来ました。
写真の撮影時刻によると、7時半にはほとんど着岸していたようです。釜山港は何となく日本の港に雰囲気が似ています。
食事は8時20分過ぎに5Fの「ロミオとジュリエット」レストラン(スイート客用)で静かに採ることにしました。相席になる確率が低いので、落ち着いて食べることが出来ます。今頃気付きましたが、この5F部分のデザインはシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」のバルコニーをイメージしているようです。

今日も二人とも目玉焼きを食べました。夫はサニーサイド・アップ。
私はターン・オーバーを。今日は焼きがレアでした。後でわかったのですが、この焼き方も色々指定出来て、柔らかい順に「over easy」「over midium」「over hard」と言うようです。

朝食の帰りに、ちょうど燃料補給船が近付いているのが見えたので、プロムナードデッキに出てみることにしました。
地元韓国のフネがじわじわと本船の左舷に近づいて来るのを見ていましたが、作業している人達全体に対する指示なのか、スピーカーで怒鳴るような声が聞こえていました。そのうち船尾部分もしっかりと繋がれたため、部屋に戻りました。
上陸する支度を整えて、さて出かけようと夫がセーフティーボックスを閉じると、何やらおかしな動きと音がしました。これは前回上海で上陸するときに閉めようとしたら無反応になり、ロック出来なくなった前科があります。その時は貴重品をトランクに閉まって出かけ、帰船してから直してもらったのですが、今回は逆のパターンです。別に閉まっているんだから帰ってから直してもらえばいいのですが、夫の性分からしてそのまま出かけると気になって気になって、釜山散策の時間を短縮されかねません。ということで、ここは「直してもらってから出かける」ことにしました。
ところがタイミングの悪いことに、クルーの避難訓練中で、サービスマンの来るのを延々と待たされるハメになり、結局下船は10時半になりました。上海でも済州島でも現地通貨を持っていなかったのですが、今回は韓国ウォンを80ドル分ぐらい交換することにしました。フネでも交換してくれるのですが売り切れで、降りた所に両替所がありました。
両替所のほか、観光案内所と観光協会のみやげ物屋が並んでいるのも日本そっくりです。そしてご当地「顔出しパネル」までありました。港からは市の中心部にあるフェニックスホテルまで無料のシャトルバスがあるので、それに乗り込みました。
途中バスはいきなり坂を上り始めたので、何かと思ったら釜山タワーに寄ったのでした。ここは観光名所らしく、何人かの乗客が降りて行きました。
結局40分ぐらいかかって、中心部に到着しました。私は初めての釜山ですが、夫は出張で何度か来たことがあるため、多少土地勘があるのは頼もしい限りです。
まず「国際市場」と呼ばれるあたりを案内してくれました。この一角は道の真ん中にも露店が出ていて、エリアごとにアクセサリー、子供服、女性用、男性用、靴、時計などざっくりカテゴリーが分かれているようでした。
20代の頃なら安い怪しい色々なモノに目を輝かせたでしょうが、40代も半ばを過ぎて流石に鷹揚になったのか、いまひとつ購入意欲が沸きませんでした。夫はタキシード用に皮バンドの時計を1万8千ウォンで購入しました。大体の店はカタコトの日本語をしゃべってくれるようです。

唯一心惹かれたのが、アニマルのかぶり物です。マラソンのレースの時に目立っていいと思ったのですが、真冬でもない限り蒸れてしまうと断念しました。
それにしても、商店の店先の雰囲気は日本と良く似ています。アイスクリームのケースと言い、商品の陳列ポリシーが似ているのでしょう。
地下にもショッピングエリアがあって、地上よりも洗練されているんじゃないかと夫が言うので下りて行きましたが、あまり雰囲気は変わりませんでした。いわゆる地下街だったのですが、薄暗いこともあってあまり購入意欲が沸きませんでした。
その後、海岸沿いにあるチャガルチ魚市場に行きました。これはまさしく八戸にある「八食センター」と言った雰囲気の、獲れたての新鮮な魚介類を売っている場所でした。


あまり見慣れない魚(ボラ?)のほか、鯖、鯛、貝類など基本的に生簀で売っているのは圧巻でした。珍しそうに眺めながら歩いているとあちこちから「サシミ?食べない?」と声がかかりました。「アワビ、タイ、1万ウォン」と言われ「それは安い!」と唸りましたがここで刺身を持たされてもどうしようもありません。
と、この建物を外から眺めた時、2Fはそれを食べさせてくれる場所のように見えたので早速上がってみました。すると日本と同じような、観光地によくある大きな空間のお座敷でお刺身や海鮮鍋を食べている人たちがいました。
先ほどの値段からするとここで食べてもそうはかからないと思い、新鮮な魚介類に五感を刺激された私は「食べて行きたい」と夫に申し出ましたが、夫は全くその気がありませんでした。韓国ではメインディッシュ(この場合刺身)のほかにキムチやらナムルやら沢山の付け合せが所狭しと配膳されるので、ちょっと軽く刺身だけという感じにならないから、とのことでした。丁度お昼時だったのにとても残念でした。
バスの発着所に戻る途中に海産物店では、ホヤとナマコともう1つ見慣れないグロテスクな物を売っていました。ここにあるということは食用なのだと思いますが、かなりの勇気がいりそうです。(このグロテスクな物はユムシという無脊椎動物で、日本でも食べる地域があるそうです。奥が深い…)
13時頃バスの発着所に戻るとちょうどシャトルバスが止まっていたので、待つことなくそのバスに乗って13時半過ぎに港に戻りました。往復の時間を除くと2時間弱の釜山観光は終わりました。
港ではフネを撮影しなくては、とまず本船の船首方向に戻って撮影を、それから一旦港を出て釣り人達がたくさんいた場所に写真を撮りに行きました。夫がじりじりと待っているので心苦しいのですが、こればかりは譲れません。年賀状候補用をタイマーと三脚で何枚か撮影し、あとは本船の美しい姿を写真に収めました。

船に戻る時には、正面の顔も撮影しました。なかなかバランスが良いです。

フネに戻って休む間もなく10F「ジョギング・トラック」に行きました。乗船してから一日も休んでいないので疲れており、あまりスピードが出ませんでしたが20周(8km)を走破しました。
この程度では運動が足りないのか、夫がその後9F「ソラリウム」のプールで泳ぐ間、雑誌を読むことにしました。ガラスの屋根を掃除しているのに気付き、ぼんやりと眺めていた所、気持ちよく気絶しました。
16時半頃夫に起こされ、帰りに「プール・バー」で、すっかり気に入ったFOSTERの750ml缶を買って部屋に戻りました。シャワーの後ビアタイムになりましたが、今日はフォーマル、タキシードやらドレスやら色々身に着ける時間が意外とかかるため、あまりのんびりと飲んでいられませんでした。
ディナーで4Fに下りて行くと、岸壁の出港セレモニーで韓国の伝統芸能の舞台があるのが見えたので、少しだけ見物することにしました。時間になったのでメインダイニングに行ったところ、またも開始時間を15分間違えていました。食事の時刻を船内誌でチェックすれば良いのですが、つい忘れてしまいます。10分程余ったので予定になかったポートレート写真を撮影してもらいました。
18時を過ぎたので、いつものテーブルに行きました。メニューを選んでいる間に船がスルスルと釜山港を出港していました。
5本ワインパックの5本目に入っています。休肝日は設けていませんが、ビュッフェに行った時はワインを飲まないので、丁度いい按配です。

Starters

  • CAESAR SALAD


  • CITRUS-CURED SALMON
    Thinly sliced salmon served with a refreshing dill-cucumber salad
Main Courses

  • FILET OF ATLANTIC SALMON
    Broiled fish filet served with Chef's choice of vegetables(Alternative Selections)


  • KOREAN BBQ CHICKEN BREAST
    In a lemon hot chili and ginger marinade, served with steamed rice ( from Chef's Signature Menu )
デザートには「DESSERT SAMPLER A trio of exquisite tastes and textures on one plate」を。

部屋に戻ると今日はぶら下がったサルが待っていました。ベットの上でない所に置いてあるタオル動物は初めて見ました。
ショーまでにはまだ時間があったので、5F「アンカーズ・アウェイ」ラウンジのビッグバンドオーケストラによるダンスタイムを覗きに行きました。果たしてそこは日本船のような雰囲気となっており、マイ・ダンスシューズ組が数組踊っていました。夫は嫌がりましたが、生バンドで踊る機会はそうはないから、と頼み「にっぽん丸」や「飛鳥U」で習った「ジルバ」と「ブルース」を武器に二曲頑張りました。
ショーはダンス満載の本船エンターテイナーによるものでしたが、早々に夫が眠りに落ち、私も最後の15分は爆睡してしまいました。音が大きくても何でも人は眠れるものです。
折角着たフォーマル衣装ですが、その後どうしても眠くなり、眠らないために頑張ってそこらを30分位歩いてみましたが、どうにもならなくなったので22時前に部屋に戻りました。今晩は関門海峡を通過するので起きてなくてはいけなかったのですが、装束を解くとそのまま気絶してしまいました。
そして意識を取り戻したのは0時半頃、夫は部屋にいません。2時間近く気絶していたようです。この時間頃に関門海峡を通過するので、私に声をかけずに出掛けてしまったのでした。今どのあたりなのか、関門橋までどの位か見当が付きませんでしたが、すぐ脇を内航船がすり抜けていくのが見えました。ここで完全に目覚めて着替え、とりあえずバルコニーで一人見物することにしました。
そして30分ぐらい何となく眺めていましたが、橋をくぐる時はバルコニーでは面白くないかもと夫がいるであろう10Fの船首付近に行ってみました。が「こんな時間に関門海峡を見物する人はそんなにはいないだろう」との予想に反しかなりの人が見物していて、とても夫を識別できませんでした。
仕方がないので一人忙しく写真撮影に専念しましたが、暗過ぎてあまりいい写真は撮れませんでした。
それにしても、この暗闇を曲がりくねった関門海峡を航行するのは、パイロットがいるとは言え気を使うだろうと思います。1時過ぎに漸く橋が見えて来ました。
橋をくぐったのは1時15分頃でした。この時間にライトアップされている筈もなく、暗い橋でした。が夫は小学生のころ暮らした門司からいつも飽きることなく眺めていた関門海峡を、50年後に自分が客船に乗って通過したことで感無量だったと後で言っていました。
橋を過ぎた後、右舷には北九州の太刀浦コンテナターミナルが見えています。その直後に、パイロットを回収するボートが右舷後方から近づいて左舷に回ったのが見えました。
私も慌てて左舷に回りましたが、本船の10Fはオーバーハング気味で乗り移る所が見えそうにありません。
咄嗟に4Fのプロムナードデッキまで駆け下りるとボートが近寄って並走している所でした。

ジャコブス・ラダーが降ろされ、小柄なパイロットが飛び移るのを見ることが出来ました。見物していた数人で、思わず拍手をすると、パイロットが振り返って手を振りました。

本日の締めくくりに、このイベントを撮影出来たことで興奮して部屋に戻ると、先に夫が戻っておりました。