にっぽん丸 ウィークエンド新宮・館山クルーズ 乗船記 (2009年6月26日〜6月28日)

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1日目 東京 出港17時

「サファイヤ・プリセンス」乗船の余韻が残る春先、またクルーズに行きたくなりました。年末・年始に乗船した「にっぽん丸」のポイントが合わせて3万円分ぐらい貯まっており、そのうちの一部は年内に失効してしまいます。「飛鳥U」で折角もらった割引券の有効期限を2年ぐらいだろうと思い込み、そろそろ使おうかと思った時には2万5千円分が失効していた残念な思いをしないよう、今回は早めに手を打ちたいと思います。それから今年小学生になった姪が誰がどういう流れで吹き込んだのか「箸を正しく持てる様になったら一緒に船に乗っけてもらえる」と思い込んでおり、これは何とかしてやらなければなりません。

ということで、週末利用の丁度いいクルーズを探したところ、この「ウィークエンド新宮・館山クルーズ」が候補に上がったのでした。金曜日は東京港を17時出港なので、半日休暇を取る必要がありますが、半日ぐらいなら気兼ねなく取得出来ます。また、姪も普通に学校から帰って来て間に合い、夫は自由人です。

料金はステートB(1名98,000円)を3名で使用する場合は「グループ3」という料金が適用になり1人78,000円、小学生まではこの75%(58,500円)なので合計214,500円になります。これにポイント利用32,000円×2が効いて、割引後は合計150,500円でした。

姪の分はまるまるポイントで、私たち夫婦は「グループ3」料金で乗船する勘定となりかなり得した気分です。加えて出港は夏至直後の17時とまだまだ明るく、帰港も16時と通常のクルーズより長めなのでダブルにおトク感がありました。(ちなみにステートC89千円、ステートA11万、デラックス20万)
東京港晴海埠頭は横浜の大桟橋と違い、交通の便はあまり良くありません。自宅からタクシーで姪をピックアップした後東京駅で降り、そこから都営バスで行くことにしました。金曜の夕方のせいか、交通量が多くかなり時間がかかりましたが、16時過ぎに無事埠頭に到着しました。
出港まではまだ時間に余裕があったので、乗船受付をする前に姪を連れて送迎デッキから「にっぽん丸」を見にいくことにしました。クルーズ船としては今や小型船に属する本船ですが、初めて見る姪にはとても大きく見えたようです。
「お帰りなさい」と声をかけられ乗船すると「また乗船出来てよかった」という気分になります。今回は初めて4Fプロムナードデッキの1つ下の3Fにあるステートルームなので、乗船してから1つだけ上がりました。子供を連れているせいか、フィリピン人クルーの眼差しが優しい感じです。
部屋は見慣れたレイアウトですが、今回は3つめのプルマンベッドが引き出されていました。3人のうち誰が上に寝ることになるのでしょうか。
着替えなどを引き出しにしまい、出港に備えて4F「プロムナードデッキ」に出向きました。すると送迎デッキにブラスバンドがスタンバイしており、間もなく演奏が始まりました。駒澤大学のバンドだそうです。

しばらく聴いていましたが、紙テープが配られ、出港合図の銅鑼が鳴り響きました。紙テープが配られたので、張り切って投げました。

出港5分前船尾から離岸晴海の岸壁を後にします

東京港からの出港は初めてなので、しばらく眺めを楽しむことにします。芝浦埠頭の向こうに東京タワーが見えました。

レインボーブリッジは1993年に完成した美しい吊橋で、海面からおよそ52mの所に架かっています。中央径間は570m、橋の長さは798mあります。

レインボーブリッジをくぐります建造中の実物大ガンダム(現在は撤去)お台場のホテルニッコーとグラン・パシフィック

お台場を後にして、ここからは船舶ウォッチが始まります。大井埠頭ではコンテナ船が荷役中で、夕方とは言え平日の東京港には、他のフネもどんどん入港して来ました。

本船の親会社、商船三井の「MOL PRIORITY」

全長293m、幅40m、5,600個積みのオーバーパナマックスですが、乾舷が低くコンテナもあまり積んでいないせいかそれ程大きく見えませんでした。ヨーロッパ航路に就航しています。
青海埠頭にいた「MSC SARAWAK」。こちらは全長210m、幅32mなのでパナマ運河を通航可能です。2,000個積みで日中航路です。
近海郵船のRORO「王郵丸」。後で調べたら巻取紙専用船だそうです。中がどうなっているのか気になります。
YANG MING(陽明)の「YM INPROVEMENT」(来明)、1,800個積みです。日台航路に就航しています。

本船の出港からまだ30分ちょっとしか経っていませんが、飽きてしまったのか姪が「お部屋に帰りたい」と言い出しました。「えぇ〜、これからが一番いいとこなんだけどな〜。じゃあどこか他のとこ行こうか?」「うん」ということで出港ワッチを続ける夫を置いてとりあえずその場を離れました。
ぐるりと船尾の方に回ってスポーツデッキに行ってみたり、プールを見に行きました。そうしているうちに18時を過ぎたので、部屋に戻り大浴場に行くことにしました。この航海の食事は二回制になっています。一回目は出港直後の17時過ぎからインフォーマルナイトのカクテルパーティーが始まってしまうので、それはちょっと早過ぎると二回目を指定してありました。

と、言うことでほとんど誰もいない大浴場でした。本船はこのあと11月から大改装に入りますが、それに先んじて浴場は直前のドック入り時に改装したようでした。

18時半頃、「ふじ丸」と行き交いました。滅多に姿を見ない他の客船と違い「ふじ丸」は神出鬼没な印象があります。
19時頃、19時10分から始まるカクテル・パーティに向かう途中、第二海堡が見えました。
その10分後、光っているのは観音崎灯台です。東京湾を通航する時は、右に左にランドマークがありワッチに忙しいです。15秒毎に2閃光の群閃白光ですが、これは灯台ごとに異なっていて海図に記されているので、識別することが出来ます。
「ナイト・クルージング」というカクテルを飲みつつ、今回は左舷の窓際にある席からオフィサーの紹介を見ていました。19時40分からは場所を2F「瑞穂」に移して「ウェルカム・ディナー」です。

〜前菜〜
平貝のミルフィーユ・スタイル
〜スープ〜
冷たいポテトのスープ
〜パン〜
にっぽん丸特製パン

〜魚料理〜
オマール・テールのカダイフ焼き
サフラン・ソース
〜グラニテ〜
アロエのグラニテ
〜サラダ〜
椰子の新芽とカリカのサラダ
フルーツトマト、クリスタルリーフ

〜肉料理〜
牛テンダーロインのリャリアピン風
厳選素材「紀州南高梅」添え
〜デザート〜
アップルマンゴー&バニラと
チョコレートのババロア
〜お飲み物〜
エスプレッソコーヒー
ほかにコーヒー、本日の紅茶

そう言えば「箸」がキーワードの今回の姪の乗船でしたが、客船には「フォークとナイフ」も重要でした。まだ慣れない手つきでしたが、それなりにちゃんと使えていたので良かったです。サラダのクリスタルリーフはお正月クルーズ以来二度目でした。肉料理に本クルーズの行き先である、和歌山県の南高梅が使われているのは心憎い演出でした。

21時過ぎに部屋に戻ると、姪はいつも寝ている時間なので寝かせることにしました。寝付いた後一旦部屋の外に出かけましたが、ショーはもう何度か見ているエンターテイナーだったのでパスし、ちょっとだけ4F「プロムナード・デッキ」で引き波を眺めてから戻りました。

二段ベッドの上で私が寝ることになりました。かなり天井に近かったです。