にっぽん丸 ニューイヤー グアム・サイパンクルーズ乗船記(2009年1月2日)

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7日目 航海日
朝何だかまぶしいと思ったら、夜きちんと閉めたカーテンが少しずれて、外の光が入って来ていました。船体はいつの間にか真正面からの強い北風を受けており、ピッチングによって少しずつカーテンが開いてしまったのでした。本船で初めての経験です。
時刻が30分遅れて余分に眠れたせいか、眩しくて早く目が覚めたこともあり、いつもより早く8時過ぎにダイニングに行きました。今日はパンコーナーのところに豪華なチーズ盛り合わせが置いてありました。
昨晩のフルコースが若干まだ残っている感じだったので、朝食はおのずと野菜中心になりました。本船では同じ航海中に「二度と同じメニューは出さない」拘りがあるそうですが、そう言えば置いてあるヨーグルトも毎日種類が違っているような気がしました。

8時の船長挨拶によると、日本の東に大きな低気圧があって西高東低の気圧配置になっているとのこと。よって北風が強くその影響で日本までずっとうねっているとのことでした。そしてこのうねりは次第に大きくなるそうです。

往路もかなり揺れたと思いますが、帰りはもっと凄いことになりそうです。この時期の北太平洋は揺れて当たり前とは言え、今や小型船の部類に属する本船が、日程の関係からうねりを避けることも出来ず最短コースを突っ切るのですから、かなりの覚悟がいりそうでした。
9時からのダンス教室は、組んで踊らないマンボとジルバの復習と新しいステップでした。船がかなり揺れているため、男女が組むいわゆるダンスは危ないのだそうです。マンボは「チェンジオブプレイス」、ジルバは「ウォーク」を新しく習いました。この「ウォーク」を夫はいたく気に入ったようでした。
10時半まで5F和室「吉野」が書初めコーナーになっていたので、ダンス教室の後どんな感じかと覗きに行きました。「飛鳥U」では11F「リドカフェ」で立ったまま気軽に参加出来ましたが、和室でスペースが限られているので書き初めるには若干気合が必要です。
10時15分頃、マリアナ諸島北端のウラカス島を通過しました。サイパン島の北約600kmの位置にある活火山の島です。
10時45分からは4F「ドルフィンホール」で横浜下船者の日本帰国説明会がありました。夫は慎重なので当然参加するとしても、日本なんだし横浜に帰るのも二度目なんだから別に私まで行かなくても…、と思いましたが、船内誌に「筆記用具をお持ち下さい」とか「皆様のご参加をお願い申し上げます」とか書いてあって「全員聞きに来なくてはいけません」感が漂っていたので、しぶしぶ参加しました。
横浜入港はまだ明後日ですが、下船の説明を聞かされると何だかそろそろ荷造りもしておいた方がいいような気がしてしまい、グアムで買ったままソファーの上に放置していた戦利品をKマートで買ったキャリーバッグに詰めることにしました。円高による全品10%オフ効果もあり、信じられない位ごちゃごちゃと買ってしまっていました。

お昼前にブリッジ見学に行き、祀ってある金比羅さまに初詣し航海の安全と今年の家内安全を祈願しました。

その後本日の運動として、4Fデッキを歩きました。船首がかき分けるうねりの飛沫が飛んで来る上、船首を回る際には風が強過ぎて上げた足を取られそうになり、歩くのも徐々にままならなくなってしまいました。何とか10周を歩き終えました。足りない分は泳いで補いたかったのですが、流石に今日は朝から水が抜かれていました。
元旦の朝にもらって来たお菓子を食べ忘れていたことを思い出し、本日の昼食がわりに食べました。牛の形をしたお饅頭(干支饅頭)と練り切り(椿)が入っていました。
14時からは洋上運動会がありました。もともとは6F「スポーツデッキ」で行われる筈でしたが、船が揺れているため4F「ドルフィンホール」に変更になりました。どういう風になるのかと思ったら、皆が椅子に一列に座って出来る競技にアレンジされていました。これなら船が突然揺れても転んで怪我することはありません。
集まった乗客が赤と青2チームに分かれてまずはボール運びでした。バレーボールを前の人から後ろの人に頭の上からパスしていき、一番後ろまで行ったら今度は脇から渡して前に戻す速さを競うものでした。やはり競争は盛り上がります。
2種目目はパン食い競争で、これもやはり競技者は座ったまま、パンのぶら下がった棒が移動してパクっとくわえるとクリアで次の人の番になり、座った人が全員食べ終わったチームが勝ちになります。3種目はロープくぐりで、移動するロープを座った競技者が手を繋いだまま身を乗り出してくぐり抜けていくというものでした。
最後は全員で玉入れでした。夫が赤組、私は青組だったのですが、立候補して参加する最初の3種目のうち、私は最初のボール渡しだけ参加したのに対し、夫は何と全種目制覇していました。アスリートの血が騒いだのでしょうか。

当初わが青組が楽勝かと思われましたが、途中赤も盛り返し、勝敗の行方は玉入れで決することになりました。段々参加者が子供そっちのけでムキになるのが面白かったですが、最後に勝利したのは青組でした。賞品ににっぽん丸オリジナルノートを貰いました。それにしても揺れる洋上でこの様に楽しめるよう、工夫が凝らされているのは流石だと思いました。

そのまま6Fラウンジ「海」に行くと、本日のケーキは好物のフィナンシェだったので紅茶と共に食べることにしました。こういうケーキも本船で焼いていると思うと美味しさもひとしおでした。

プールには朝から水が張ってありませんでした。これを見て、楽しかったクルーズも間もなく終わってしまうのだと寂しく思うのは、早くも正月休み明けの出社ブルーに陥っているからなのでしょうか。
夕方ちょっと前ぐらいから太陽が顔を出しました。天気は悪くないのですが、とにかく船がうねりに乗ってよく揺れています。ちょっと気持ち悪くなりそうだったので、酔い止め薬(トラベルミン)を服用することにしました。この薬は我慢せずに早く飲むとラクになると思います。
そういう状態なのであまり催しませんでしたが、それでも18時ぐらいから飲み始めました。ビールをグビっとやる雰囲気でもないのはわかりますが、夫がミニバーのウィスキーやジンをどんどん開けてしまいます。
そういう合間にも甲斐甲斐しく3Fのランドリールームを2往復し、食事の間に洗濯物が乾燥するよう手筈を整えて、19時45分頃「瑞穂」に行きました。今日のメニューは「新春 特選和夕食」です。

(前菜)松葉銀杏、白子しんじょう、梅鏡、公魚甘露煮

(造り)河豚たたき 紅葉卸し、すだち、大葉、あさつき
(煮物)あわび海藻煮 京芋、生麩

(小鉢)聖護院大根 そぼろ餡かけ

(揚げ物)春の早採り山菜の天ぷら
    天だし、富士卸し

    たらの芽、こごみ、蕗の薹、
    四角豆、雪の下、菜の花
    フリルアイス
(鍋物)河豚ちり鍋 ちり酢

(御飯)松茸御飯

(香の物)赤蕪、松前白菜、胡瓜
(デザート)梨と柿、花びら餅


相変わらず船は揺さぶられており、実の所あまり食欲は沸いていなかったのですが、それでも美味しくてつい全部食べてしまいました。前回の「飛鳥U」の時もそうでしたが、メニューにフグが入ると「絶対食べなきゃ!」と思ってしまうのはフグデビューが遅かったからかもしれません。
大浴場に向かう通路の所に、荒天で現在は使用出来ない旨貼り紙がしてありました。17時頃以降使えなくなっていますが、そう言えばこのクルーズではまだ一度も大浴場に行っていませんでした。ゆっくり手足を伸ばしたい気もしますが、食事が二回制になるぐらい人が乗っていると思うとちょっと足が遠のいてしまいました。
そして、22時半からのダンスタイムも船の「動揺」のため中止となってしまったため、その後のやる気を一気になくし、部屋に戻るとすぐに素顔に戻って寛ぎモードになりました。仕方なく夫だけが21時からのメインショー(寄席)に出かけて行きました。大喜利もあったそうですが、やはりプロである金八師匠の凄さが際立っていたそうです。
GPS画面には小笠原諸島が入ってきていて、明日もう1日終日航海日ではあるものの、間もなく東京都と思うと不思議な気分です。
今晩も30分の時刻改正があるので、寝る前に時計を針を30分戻しました。そして、朝眩しくて目が覚めないように、カーテンを持っていた髪留めで挟んで開かないようにしてから就寝しました。